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【読書】財布は踊る 著:原田ひ香

アマゾンの紹介文より
~60万部超え大ヒット作『三千円の使いかた』の著者、最新刊は「お金のつくりかた」! 会社の同僚と平凡な結婚をし、ひとり息子にも恵まれ、専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。二年以上の努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚して――。様々な事情で「今より少し、お金がほしい」人達の、切実な想いと未来への希望を描く!~

【ネタバレします】
基本的に、専業主婦みづほを軸に物語は進行する。

お財布アドバイザー善財夏実(蛇川茉美)のコラム読んだり
しながらせっせと節約に励むみづほ。
月々2万円貯めて憧れのハワイ旅行、ヴィトンの財布を買ったりする
ことから物語は始まる。
現地費用を支払った夫のカード返済が3万円のまま…
あれっ?おかしい!
マネーリテラシー低い夫…リボ払いでした。
ほぼ利息の支払いで借金減らず数百万円の借金が…
泣く泣く実母から借りたり財布をメルカリで手放し返済に

いつか見返してやる!
何に対してなのだろう?

そして社会の底辺を彷徨うFX教材販売(ネズミ講だな)
などしている男水野へ舞台は移る。
例のヴィトンの財布をメルカリで落とす。
善財夏実のセミナーにも参加し、底辺からの脱出を望んでいる。
ノウハウを惜しみなく披露する善財、その理由は「実際に行動
する人は100人に1人いるかどうか。行動しないでしょ?」耳痛。

わけのわからん借金をする友人、
突如現れる中学の同級生野田、

物事がうまく回り始めたかに見えた瞬間、
販売代金40万円入ったヴィトンの財布を野田に盗まれる…

心が折れた水野は自分に自信を持つべく、
全てを捨ててエアコン取付業者の世界に身を投じる

続いて
ヴィトンの財布を盗んだ野田へ

順調に節約して投資信託で資産形成図るも、
やがて株の世界に。
仕手まがいのカリスマのツイートに従い
順調に資産増やし、やがて信用取引で全振りする。

5000万円達成目前に、売り抜けるタイミングを
仕事などで逃し、損切りする決断もできない…
明日は上がるのでは?と。
この辺はFXのポジショニングを誤って悶絶する
私がモデルなのか?ちなみにFX教材は未購入です。
非常に身につまされるシーンでした。

やがて追証、強制決済、借金が残る事態に…
そして同級生に対して財布泥棒等をし始める。
ヴィトンの財布の中身をいただき大阪へ逃亡、
財布は駅の本屋に置いて去る

みづほ、鉄道の忘れ物市で再開するも手が出ない…
母の友人所有の売れない家に巡り合う。
当面住み、自分でリフォームして住替えて賃貸に回して…
と人生の逆転を図る。

善財夏実こと蛇川茉美の話へ
金持ち父さん貧乏父さんのロバキヨを目指せと
編集から発破をかけられる。
自分のテリトリーから飛び出せ!
このままでは数か月後連載打ち切りよ!

風水、色、財布、
楽天経済圏利用テク
→編集長大嫌い、これは詐欺・泥棒だ!
 インチキスレスレの真理を発信してよ!

Bで始まる職業の男と付き合ってはいけない

鉄道忘れ物市で例のヴィトンの財布と出会う、
後日意を決し購入、自分の運命を切り拓くゾ!!


みづほ、家を買う。
2年で完済リフォームして、住み替え、賃貸だ!
今のままの家計や貯蓄で子供を成長させてはいけない!
夫に反論を許さず、離婚も辞さず。
順調に引越リフォーム返済進み次のステップを睨む


手取り15万円、奨学金返済月3万、将来を憂う2人の女性・麻衣子と彩
怪しいサイトで、身体売って、奨学金払わなくていい方法入手を試みる
お互いが止め合う。麻衣子は身体を売る寸前であった。

マクドで休んでいるところ、隣で話を耳にした善財夏実と出会い、
・放送大学入学で猶予 ・2人で暮らして浮かせる
などの知恵を、取材を条件に与える。
もう必要のない、例の財布をイニシャル一致する麻衣子に授ける。
新たなる道(ノンフィクション作家)を切り開き始める善財夏実。


野田は詐欺事件で捕まる。
みづほの物件に住む独居老人と同居していた。

水野はみづほの物件のエアコン取付業者(社長)に
結婚して娘3人+お腹に4人目の娘
「もう投資はしない」と地に足をつけて生きる。
あんなことがあったけど、あれのおかげで
今日は幸せだと噛みしめている→好感がもてます。

みづほ、昔憧れていた善財夏実の取材を受ける。
麻衣子、節約資金を積立投資で奨学金完済。
コロナの下落にもめげずコツコツ積み立てる。
彩、コロナ下落で仮想通貨に鞍替えし失敗、男と失踪、
→瀬戸内海で結婚出産。それはそれで幸せなのか?

善財はノンフィクション作家として貧困を取材している。
こんどはみづほ取材で資産形成女一代記を構想する。

みづほ、築古5軒古アパート3棟オーナー。コロナ融資で新築シフトへ。
あのこと(夫のリボ払い地獄)があったから今日の自分がいる。しみじみ。

みづほ、夫浮気?→興信所で確定→離婚しよう!
夫の両親はみづほか悪い!とか居直り。怒りの炎に油を注がれる。

みづほ、新しい物件を物色中、あの財布が…
どこをどう彷徨った?

もうあの財布はいらないがあの時があったから今こうしていられる
もう夫も手放そう! 晴れ晴れ!!


さくっとあらすじをまとめてしまいました。
お金にまつわる記述、人間の機微など細かい描写も
読み応えあり3日で読み終えました。
詳細は買って読もう!

一部の犯罪者を除き、
みづほ、水野、善財、麻衣子など、
大小さまざまなきっかけで、
あの時があるから今がある!とこれまでの生き様を
肯定して自分の足で立っているところに力を頂きました。

原田ひ香さん、
お金にまつわる著作多数で、今後も他の作品をじゃんじゃん
読みたいと思います。

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