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私とオレンジ

 私にとってオレンジは「果物の一種」ではなく、「心の友」だ。オレンジは、私が悲しい時や嬉しい時、楽しい時、どんな時でも私に寄り添ってくれた。そんなオレンジとの絆をこれから書いていく。

 私とオレンジが出会ったのは小学生低学年の頃だ。私が風邪で休んだ時、母が買ってきてくれたのがオレンジだった。重い体を起こし、オレンジを食べた時、体がふわっと軽くなるのを感じた。その感動を忘れられなかった私は、オレンジをよく食べるようになった。
 学校で嫌なことがあった時や悲しい時、オレンジを食べると、それまであった不快感が雲ひとつない晴天のようにすっとなくなっていった。パーティーをする時はいつも決まってオレンジがいた。
 たまに、母に怒られた時に食べると味が酸っぱく、まるで「あんたが悪い」と言ってるように感じた。その度に気が引き締まった。 
 また、オレンジが美味しいから、ついたくさん食べてしまって気づいたら肌が黄色くなっている。そんなこともあった。私はそれを親しみの心を込めて「オレンジの悪だくみ」と名付けた。
 今では、「オレンジの専門店を出したい!」と、強く願うまでに私のオレンジ愛は膨れ上がっていった。
 このように、オレンジと私はかたい絆で結ばれている。これからもきっと、オレンジは私を癒し、そしていい方向へと導いてくれる心の友であるだろう。

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