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謝るなら、いつでもおいで
これは本当に悲しい事件でしたね。
被害者の遺族の気持ちを考えるとなんとも言えません。ですが加害者(被害者)には誰にも見透かせない闇があり、触れられない領域があるんだろうなと少し共感する部分もありました。おとなしいからと言って何も考えていないわけではなく人には言えない、もしくは言葉にできない何かが心の中にあるのです。それは大人には理解できないだろうし家族ですらわからないのだろうけど、こういう事件が起
幽霊汽車とこんぺい糖
評価されている百合小説は読んだ後似た感覚になります。内容が似てるとかではなく読み手(私)の問題で、この感覚は他のステキな作品を読んだ後とは違く、心にぽっかり穴が開いてしまったような空虚な気持ちになります。ですがそれは悲しさや虚しさではなく、この作品独特の雰囲気にのまれ、壮大な何かに私は触れてしまったようなそんな感覚。柔らかく触れたらパチンッと割れてしまうしゃぼんだまのような儚い作品でした。この本が
もっとみる独白するユニバーサル横メルカトル
平山夢明節が炸裂してました。
短編なのに長編に感じてしまう濃い話がしきつめられています。これ一冊で平山夢明を語るのは難しいが、この一冊で平山夢明というエンターテイメントに圧倒されてほしいです。狂ってますよ本当に。
表紙から歪な感覚を味わえ、読めば読むほど残酷で美しいです。読んでしまったが最後、あなたはもう平山夢明の世界から抜け出せません。
あまがみエメンタール
いやーいい百合でした。
文章で「ドキドキ」みたいなやつを見ると恥ずかしい気持ちになるんですが、そんな羞恥心を忘れさせてくれました。こういうのでいいんですよ。あまりにも片思いではただの恋愛小説になってしまうし、生々しい描写があると少し引いてしまうので難しいところですが、直接的に告白して付き合うだけが正解じゃなく言葉にしなくても分かりあっている少女2人の関係が良いんです。それは友情ではなく愛情で歪なが
砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない
程よい百合の底には目に見えない2人の世界がある。生々しい表現はひとつも無く相手を思う感情に恋愛的要素があるのかまだ分かっていない初々しさがどこか懐かしく感慨深い。第二次性徴期の少女達の危うさは見てるこちらがドキドキしてしまう。少女たちは色んなことを吸収し壊れてしまいそうだが若さゆえに現実から目を背け記憶を改善する。そうやって大人になっていくんだろう。
ホルマリン液に写る自分を見つめ直す。
「さよならを教えて」について書こうと思うが、出てくるのはつぎからつぎへと自分のことばかり。私は「さよならを教えて」について書きたいのか、「さよならを教えて」を書いている自分を書きたいのかこれでは分からない。
だからちゃんと「さよならを教えて」について書きたい。
私はなぜ「さよならを教えて」を書いている自分を書くようになってしまうのか?
私は読書感想文を書くのが得意だった。5枚でも10枚でも、書く