とある書家の血圧との冬季攻防戦

「下が110超えていますので寒い間だけでも」

そう言ってかかりつけの主治医から伝えられた、処方されたのはアムロピジン5ミリ錠剤。
ここ数年は血圧も安定していてのまなくて良くなっていたお薬だった…、副作用のことも記憶からなくなっているほどに。

「久しぶりに血圧の薬がでましたね」

そう言って少し心配そうにこちらを伺っているかかりつけの薬剤師さん、私は言い訳のように「コロナ罹患が原因ですかね…、早く安定してくれたら助かります。」と少しナーバスになりながらも強がって見せた。

意を決して降圧のアムロピジンと戦闘を開始する。

熱の出た土日は死んだように寝ていた、体調不良の時から飲み始めても副作用で心が折れないかと心配だったので週明けの月曜日から飲むことにしたのだ。

いささか希望的に物事を捉えすぎていたと、その時の私は先の苦しみすら一切と言って良いほど考えていなかった。

ずっとずっと船酔いパーリイTime

起床は6時30分、特段なにも考えずに腰痛の薬とアムロピジンを服用し出勤。

………………。

8時30分から作業を開始するも時間の流れが倍近くに感じられていて、尚且つ少しふわふわとする。

(まだ風邪なおってなかったか?)と暖かいキャラメルコーヒーを事務所に取りに行き、飲みながら作業場に戻る最中に完全な異常に気付いてしまった。

もしかしたら気付かなければ「ふわふわTime」で過ごせていたかもしれないのだが、自覚した瞬間から猛烈に始まった船酔い状態。

めまいと動悸と吐き気が縦横無尽に身体の中を駆け巡っているこの感覚!!最高にlowだ。

社長に現状を伝え休憩時間を伸ばす

あまりに私の素行がおかしく見えたのだろうか?社長が作業場に来て「そんなに息を上げてどうした?」と聞いてきた、人の意も介さぬあの社長が聞いてきたのだかなり見るからに調子が悪く見えたのだろう。

「高血圧の薬がでて今日から飲んでるんだけど気持ち悪くて」
『あんまりむりはするなよ』

そう言ってくれた社長には後光が射していた…。

時は流れ午後3時を回る

未だに状態は船酔いである、吐きそうなのになにも出てこない嗚咽を何度繰り返したか。
胃酸過多でもある体質なのだからあまずっぺぇあの液体が出てきても良さそうなのに出てきやしない、スッキリもできず重度の船酔い。
次の日の朝が来るのが怖い、久しぶりにそう思った。

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