あんスタ 時光代理人コラボ スカウトストーリー 「乱反射」

第三話
(星奏館廊下)
藍良:ヒロくんのばか、ばか、ばか〜!引き留めたのに

(回想、共有ルーム)
巽:ふふ、これで準備ができましたね。さぁ、お茶を飲みながらアルバムを見ましょうか

一彩:巽先輩。その前にひとつ気になることがあるんだ。もし僕の注意が足りないせいで巽先輩を傷つけてしまう事になったら、誠心誠意謝罪するよ。

藍良:(小さい声)ちょ、ちょっと

巽:はい、一彩さんが俺に聞きたいことがあるならなんでも聞いてください。

一彩:巽先輩は僕たちが来る前に一人で泣いていたのかい?

巽:・・・・・・?泣いてませんよ?

一彩:僕もそう思っていたんだ。だけど藍良とマヨイ先輩がーーーうう!?

藍良:俺はタッツン先輩が顔を拭いていたって言ったの。そ、そうだよねマヨさん?ほ、ほら、アルバムを見ようよ!そうじゃなきゃケーキが冷めてお茶が溶けちゃうよ、あはは・・・・・・
(回想終わり)

(星奏館廊下)
藍良:俺がすぐに反応して話題を逸らしたからよかったけど、一人でこっそり泣いているところを見られてたら、誰だって一生泣いた理由を話さないよォ

千秋:おお、そうだな。一人で隠れて泣いている姿を後輩にこっそり見られていたら先輩として面目無いよな、その気持ちはよくわかるぞ

マヨイ:ヒィ!いらっしゃたことに全然気が付きませんでした・・・!

千秋:そんな悲しいことを言わないでくれ〜
俺の情熱の炎はよく燃えているだろ?ほら、俺のすぐ後ろにあるじゃないか!(一人で手を揺らす)

藍良:も、守沢先輩。こんにちは。俺たちが今言ってたこと聞こえてないですよね?

千秋:うん、そうだな。俺がまさにお前たちを救うヒーロー守沢千秋だ⭐️
ちょうど通りかかっただけで、盗み聞きしようとしたわけじゃないぞ?
かわいい後輩が悩んでいる姿を見て見ぬふりができなかっただけだ!
つまり、お前たちは風早が泣いていて混乱しているんだろう?
後輩としてそんなことを尋ねるのは確かに難しいだろう、どんな気持ちかわかる。
うんうん、そんなときは俺に任せろ、俺が風早と話をしよう!

(場面切り替わり、星奏館廊下の千秋)
千秋:ああやって自信満々に後輩たちに約束したから、なんだか大言壮語を吐いた感じだな。俺ならできる、守沢千秋、自分を信じろ!
口ではああやっていったが、風早になんて声を掛ければ良いか考えもつかないな。いきなり泣いていた理由を聞くわけにもいかないしな?それが一番手っ取り早いがな
あの二人は成功するかどうかより風早が泣いている理由がもっと気になっているようだった。たとえ風早に話しかけるのが難しいとしても、後輩たちが自分を心配してくれていることがわかればすまない気持ちにもなるだろう。あいつらは最初俺にお願いしてもいいか悩んでいたろう、俺には大したことではないがな
しかし俺にも意地がある、目の前の人も助けられないでどうやって世界を救うのか⭐️
そう、考えることが多くなると行動に支障が出る!とにかく目標に接近してみるか!

(場面切り替わり、共有ルーム)
一彩:ウーム。誰かが僕たちを見ているような感じがするんだけど、錯覚だろうか?

千秋:ふはは⭐️ヒーローくんが俺を見つけてくれて嬉しいぞ!「ヒーローにはヒーローがわかる」というものだな!

巽:おや、千秋さんでしたか。偶然ですね、ちょうどアルバムをめくっていたら千秋さんの写真が見えたんですよ。

千秋:おお、アルバムを見ていたんだな

巽:はい、この前一緒に見ようとした時はなんだか藍良さんとマヨイさんが気になってしまいましてな。お二人に不安なことがあるようで写真をよく見れなかったんです。ちょうどひいろさんがいらして俺と一緒に見ていたところです。
おや、俺が一人で写っている写真がありますな。

千秋:かっこよく写っているな!ところで風早、この写真が撮られたときのことを覚えているか?

(モーターショウ回想)
千秋:おお、風早は車が好きなんだな!実は俺も近頃免許を取ろうかと思っているんだ

藍良:タッツン先輩は車が好きってよりかは、アクセルを踏んで加速する感じが好きなんだよねーーーあぁ、嫌なこと思い出しちゃった!

千秋:アクセルは車の原点だもんな、俺もそういうパワフルな感じは好きだぞ⭐️

翠:自動車の原動力はアクセルじゃないでしょう。電源が消えたらアクセルも使えないじゃん

巽:そういうことも起きますが、誰かが後ろで押してくれれば車がまた動く可能性はありますよ。
(回想終わり)

巽:ふふ、千秋さんは記憶力がいいんですね。

千秋:あの、風早、俺の話を聞いてくれないか。
どんな人でも、誰かが後ろで押してくれるのを待っているんだ

俺の友達の友達が経験したことなんだが、正直お前も知っているやつだが、誰かは言わない方が良さそうだな。

巽:・・・・・・♪

一彩:(小さい声)巽先輩、何がそんなにおもしろいの?もしや「友達の友達」が誰なのかわかったのかい?

巽:(小さい声)はい、俺が合っているようです。気恥ずかしくて、自分に起こったことを他人のことのようにお話しされているのでしょう

一彩:(小さい声)あぁ、なら「友達の友達」は実は千秋先輩本人なんだね!

巽:(小さい声)きっとそうだと思います。千秋さんにも言えない事情があるのかもしれませんね、こういう時は聞くひとは知らないふりをするものです。距離感を維持する感じですな。

一彩:(小さい声)距離感?

巽:(小さい声)運転手が注意しなくてはならない安全距離と同じです。人と人との関わりでも、距離感を保つことが重要です。
口ではそういっても、俺の周りには俺が近づくだけで怒ってしまう人がいます。距離感を保つ、とはずっと探求せねばならない学問のようなものですな

千秋:ううん?何をこそこそ話しているんだ?まだ大事な部分まで話していないぞ

一彩:ごめんね、千秋先輩、続けて!

巽:つまり、千秋さんの「友達の友達」の方が、ご自身が泣いていた理由を後輩に言ってあげれば全てが解決しますね
ではその「友達の友達」の方は泣いていた理由を言いたいのでしょうか?

千秋:お前がそう思うなら、そいつもそうなんじゃないのか?

巽:俺なら確実に言ってあげます。後輩たちにバレているのに、実際には(泣いていた、と)言わなければずっと心配させてしまいますから

千秋:その通りだ!風早なら俺の言いたいことをわかってくれると思っていたぞ⭐️
じゃあ約束だ風早!お前の言ったことを実行するんだ!

一彩:ウム、巽先輩。このまま千秋先輩を見送っていいのかい?

巽:そうですな。俺も心配です。さっきの俺たちと千秋さんはまるで懺悔室の双方に座っているようでした。彼のためにお祈りする以外、できることはありませんね。

(場面切り替わり、星奏館廊下)
千秋:ふははは⭐️問題がこんなに簡単に解決するとは思わなかった。比喩で話す方法を思いつくなんてさすが俺!
驚いた子どもたちを癒してあげるときにやってくるヒーローの話みたいだったな。充分なヒントを与えるとすぐに2人(一彩・巽)は目を合わせていたし、俺の言いたいことが伝わったのは確かだな!
そして風早もすぐに約束してくれたんだ。ある意味あの2人(藍良・マヨイ)は余計な心配をしていたんだな。風早は・・・・・・頼もしい先輩だからな!
感動的な結末だな!良いことをしたな、ヒーロー・・・♪
今夜は「仮面ラ◯ダー ドラ◯ブ」を見返すとするか⭐︎

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