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愛犬・外飼いトイプードルの思い出41

今シーズンの冬、愛犬は二度、酷い下痢に見舞われた。

これまでは、柔らかくしたご飯を少なめにして様子を見れば、翌日か遅くとも翌々日にはお腹の調子は良くなっていたのに、今回はちょっと様子が違った。何より、便が緩すぎた。それで時たまお世話になる動物病院で薬を処方してもらうことにした。

そのお陰で、3日目ぐらいにはゆるめのウ〇チにまで回復したのだが……。

それから約1カ月後、前日の夜まで何の異常もなかったのに、翌早朝、説破つまった鳴き声で起こされて様子を見に行くと、案の定お腹を壊していた。

前回と同じような症状だったので、再び動物病院へ連れていくと「なにかお腹が冷えるようなことはしませんでしたか?例えば、廊下に長時間座っていたとか、長い時間外にいたとか」と聞かれてしまった。「いや先生、うちのは外犬でして……」と言うと、「ああそうでしたね。前回と同じお薬出しますけど、犬もシニアになると寒さがこたえるようになってきますから、これまでより暖かくしてあげてください」とのこと。

その話を聞き、高齢家族が納戸から引っ張り出してきたのが、むかし誰かが使っていた湯たんぽだ。「湯たんぽなんか使うかな?」と皆、半信半疑だったけれど、試しに温めのお湯を入れて着古したセーターでくるみ、犬小屋に入れてみたところ、なんと!湯たんぽの上で猫のように丸くなっているではないか。

「あれまぁ、気持ちよさそうに寝ているねぇ」
「やっぱりお腹が冷えちゃったんだね」

それからというもの、日々の愛犬の世話にルーティーンが一つ追加された。朝、昼、晩の1日3回、誰かが湯たんぽのお湯を入れ替えるというお役目だ。

湯たんぽセラピーの効果はてきめんで、それ以降、冬の間中、愛犬がお腹を壊すことはなかった。だから私も、底冷えする冬の早朝に切ない鳴き声で起こされることはなかったのだ。

愛犬のお腹を温めた湯たんぽは今、納戸の奥に仕舞われている。



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