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NVDA 日本語版 2023.2jp をリリース

無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の 日本における開発コミュニティである NVDA 日本語チームは、 2023年9月5日に NVDA 日本語版 2023.2jp をリリースしました。

インストーラーのダウンロードはこちらからどうぞ:

i.nvda.jp

GitHub リリースも利用できます。

Windows 11, 10, 8.1, 8, 7(SP1) の32ビット版 64ビット版および ARM 版に対応しています。 Windows 8 以降ではタッチ操作が利用できます。 NVDA 日本語版のライセンスは GPL v2 です。

NVDA は多くのアプリに対応し、 インストール不要で利用できるポータブル版、 アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。

NVDA 日本語チームがリリースする NVDA 日本語版は、 オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA 本家版に 日本語の音声エンジンと点訳エンジンを追加するなど、 日本語 Windows 環境のための改良を行っています。

2023.2の変更点

(1)
アドオンマネージャーがアドオンストアに変わりました。コミュニティが提供するアドオンの閲覧、検索、インストール、更新ができます。ストアに登録されていないアドオンを従来のようにファイルからインストールすることもできます。また、最新のNVDAとの互換性の確認が行われていないアドオンを自己責任で有効化できるようになりました。

(2)
フラットビューで前後のオブジェクトに移動するキーボード入力ジェスチャーを追加しました。
デスクトップ: NVDA+テンキー9 と NVDA+テンキー3 でそれぞれ前のオブジェクト、次のオブジェクトに移動します。
ラップトップ: shift+NVDA+[ と shift+NVDA+] でそれぞれ前のオブジェクト、次のオブジェクトに移動します。
ひとこと:以前からタッチモードの左右スワイプでは可能な操作でした。こんな基本的な機能がいまごろになって追加されるとは。NVDAチートシートを更新しなくてはいけませんね。。

(3)
以下の点字オプションが追加されました。
「選択範囲の点字表示」(7と8の点)
「点字タッチカーソルでテキストカーソルを移動」

(4)
aria-haspopup に対応しました。Mozilla Firefox と Google Chrome において、Webコンテンツが aria-haspopup を使用している場合に NVDA はそのコントロールがサブメニュー、ダイアログ、グリッド、リスト、またはツリーを開くことを報告します。

(5)
Windows 10 の仮想デスクトップを開く、切り替える、閉じる、などの操作の読み上げに対応しました。
ひとこと:アドオンを追加して対応していたと聞いていますが、後述する日本語IMEとアドオンの相性問題が課題でした。

2023.2の変更点の詳細

2023.2jpの変更点

(1)
Windows 10 で Microsoft モダンIMEを使った場合の読み上げを改善しました。
この改善は Windows App Essentials アドオンと衝突しています。現状ではこのアドオンには対応できていません。

(2)
一部の文字が康熙部首や部首補助に置き換わったテキストの読み上げを改善しました。
例えば
「言」 8A00

「⾔」 2F94
に置き換わる、といった問題です。PDFファイルを作成するソフトが、このようなコンテンツを生成することがあります。
サイパックさんの情報を参考にさせていただきました。

2023.2jpの変更点の詳細
2023.2における日本語翻訳の詳細
riku22 さんに翻訳の改善提案をいただきました。ありがとうございます。

お知らせ

ACT Laboratory の皆様にアドバイスをしていただきつつ、NVDA 日本語チームというコミュニティとの共同作業で、株式会社シュアルタとしてNVDA日本語版をリリースしています。
今回、コードサイニング証明書を切り替えるために大がかりな作業があり、お約束している他の作業が先送りになりました。安定した品質で安全なNVDA日本語版をお届けすることを優先しています。ご理解いただければ幸いです。
2023年11月にNVDA日本語チームがイベントを開催する「サイトワールド2023」には私も参加する予定です。

追記(見出し画像)

記事の内容と無関係ですが、見出し画像をつけました。私はときどきスマートフォンのカメラで空を撮影するのですが、これは最近の青い空です。雲が鳥の羽のように広がって、面白いなと思いました。


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