ライブの"鳴り" ? と足し算ムック

新米夢烏なので、浴びた生音はとてつもなく数が少ない。
ルナフェスなどの"物心がつく前"を除くと次の通りである。

・2019/3/31 壊れたピアノとリビングデッドZepp Tokyo [~平成最後のスペシャルワンマン~]
・2019/7/26 MUCC BIRTHDAY CIRCUIT 2019「40」新木場STUDIO COAST [~COMMUNE Feat.EN Miya40TH SPECIAL~]
・2019/9/6 MUCC 2019 Lock on snipe Tour #6「中部型壊れたピアノとリビングデッド収監6days」浜松窓枠
・2019/12/28 MUCC Presents Trigger In The Box supported by MAVERICK DC GROUP 国立代々木競技場第一体育館
・2020/2/8 MUCC 2020 Lock on snipe Tour #10「関東型壊れたピアノとリビングデッド収監11days」恵比寿LIQUIDROOM
・2020/12/27 「惡-The brightness world」 日本武道館

ちなみに、虚無僧入りは浜松窓枠の4日後、朱ゥノ吐VIP入りは恵比寿の当日なので、順調に順調にはまっていっている。

年末の日本武道館は、朱入りして初めての生音だった。本当はぴあアリーナのはずだったのに6か月も遅れてしまった。ウィルスにはほんと滅されていただきたい。

2020年の年末、二大好きなバンドの生音を2週にわたって浴びることができた。1/26 GLAY「HOTEL GLAY ARENA TOUR」、2/8 MUCC「関東型壊れたピアノとリビングデッド」以来、10か月以上ぶりだった。幕開けもGLAYとMUCCだったことは、コロナ禍における奇跡だ。12/19・20はGLAY@さいたまスーパーアリーナ、12/27はMUCC@日本武道館だった。

MUCCのライブが始まった瞬間、妙なテンションになっているメンバーの熱気に中てられつつ、「鳴り」という言葉が私の脳内に浮かび上がった。先週のGLAYとは身体が受け取る音が全く違う。会場ももちろん違うがどちらもキャパ"万人"クラスの会場だ。この違いを端的に表現すると、GLAYは「アリーナの鳴り」、MUCCは「ライブハウスの鳴り」だった。それぞれのホームグラウンドがよく出ていて、どちらも"らしい"音の鳴り方をしている。動員とかレコード売り上げ枚数とかそんなことより"らしい鳴り"をしていることが一番かっこいい。武道館クラスの大きな会場でもライブハウスの息もできないほどの空気感を醸し出すことができるって、なかなかできることではない。「武道館は日本で一番大きなライブハウス」と言われているとしても、やはりライブハウスではない。花道もあるし、サービスモニタもいわゆるスタンド席もある。

今度改めて書いてみたいと思っているが、MUCCの音は圧倒的に足し算でオープンで剥き出しな音だと思っている。やりたいことが明確で、隠そうとしない、堂々と偽らざる今の状態をぶつけてくる、そんな音。ライブハウスで、今出せる音を全力で重ねて、観客にぶつけてくる。"魅せる"というより"タイマン張ってくる"、そんな世界を感じさせる音。会場の規模が違ってもスタンスが変わらない、会場に左右されない音を作れることも、MUCCというバンドの魅力だと感じた。

余談:この日に聴いた家路の摩訶不思議さに囚われていて、当分抜け出せそうにない。音源で聞くより生音を浴びたほうが圧倒的に妙な、足し算な、作品だ。

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