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第56回気象専門勉強 問6~10 1/5

第56回 気象予報士一般試験
問6 数値予報 格子点
気象庁が作成している数値予報モデルのプロダクト(ここではガイダンスに加工される前の格子点値をさす)の利用にあたって、留意すべき事項について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)出力される 格子点値は、格子点に対応する地点の値をピンポイントで表しているのではなく、その格子点付近の空間の代表的な値を表している。
(b)出力される降水量は、予想対象時刻における降水強度を表している。
(c)出力される地上における気温や風などの物理量は、実際の地形ではなく、モデル地形に対して算出される。

(a)
その通り


(b)
降水量は降水強度ではない


(c)
その通り

解答は➁

解答資料
気象庁|数値予報解説資料集 (jma.go.jp)
1_chapter4.pdf (jma.go.jp)


第56回気象予報士専門試験
問7 ジェット気流

北半球の偏西風帯におけるジェット気流の一般的な特徴について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)ジェット気流の風速が下流の方ほど強くなっている領域では、ジェット気流は等圧面上で等高度線を高度の高い側から低い側に横切ることが多く、弱くなっている領域では逆の向きに横切ることが多い。
(b)温帯低気圧の発生、発達に伴って亜熱帯ジェット気流の北側に出現する寒帯前線ジェット気流では、亜熱帯ジェット気流と比べて風速が極大となる高度が低い。
(c)亜熱帯ジェット気流も寒帯前線ジェット気流も、ジェット気流の軸は対流圏上層の圏界面付近にあり、温度傾度の大きな前線帯上空に位置していることが多い。


(a)その通り


(b)その通り


(c)亜熱帯ジェット気流は違うと思ったのですが、、
これは正誤どちらも正解のようです。
前線帯上空というのがどこまで上空か、というのがわかりにくく両方正解。

解答は⓵、➁

解答資料

上の図はgoogleで見つけたもですが、地球北半球を縦割りにして西から見た絵です。
このようにハドレー循環、極循環、フェレル循環と連動してジェット気流が西から東へ吹いています。対流圏界面は温かい赤道上空がもっとも高くなっています。
風は気圧の高い方から低い方へ流れますが、高度も高い方から低い方へ流れると風速は増す。

図のように日本付近は気温も気圧も変化のしやすい地域にある為に四季の移り変わりが美しいのですが、いろんなことが起こりめまぐるしい地域でもあります。


第56回気象予報士専門試験
問8

図は、4月のある日の15時における気象衛星画像(可視,赤外)である。破線で囲まれた領域の雲域について述べた次の文(a)~(d)と領域A〜Dの組み合わせとして、適切なものを①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)トランスバースラインが発生している。
(b)ニンジン状の雲が発生している。
(c)巻雲などの上層雲を主とする雲域である。
(d)霧または層雲を主とする雲域である。

わかりやすい雲から答えていくと、、
(b)のニンジン状の雲というはD
(d)の霧または層雲というとAしかない
これで答えが決まる。
後は確認して間違いのないようにする。

正解は⑤


気象衛星センターから資料を探すと、、

トランスバースライン

流れの方向にほぼ直角な走向を持つ小さな波状の雲列を持つCiストリークを「トランスバースライン」と呼ぶ。通常、ジェット気流に沿って発現し、80kt以上の風速を伴う。大野・三浦(1982)によると、トランスバースラインは圏界面直下で励起されたケルビン・ヘルムホルツ波が可視化されたものである。トランスバースライン付近では、乱気流の発生頻度が高いことが知られている。また発達中の台風から吹き出すトランスバースラインが見られる場合もあり、これは台風の上層発散に伴う流れに関係していると考えられている。
下図では、山陰から北陸の沖合にトランスバースラインが見られる(矢印)。これは200hPaのジェット軸にほぼ対応している。

気象衛星センター

下図では、山陰から北陸の沖合にトランスバースラインが見られる(矢印)。これは200hPaのジェット軸にほぼ対応している。

気象衛星センター


にんじん状雲

中・上層風上側に向かって、次第に細く毛筆状あるいは、にんじん状になっている雲域をにんじん状(carrot-shaped)雲(以下にんじん状雲)と呼ぶ。これは、風上側から風下側に広がったCbの雲列と上層風に流されるかなとこ巻雲で構成されている。
にんじん状雲は、特に穂先部分では豪雨、突風、雷、降雹などの顕著現象を伴うことが多く、その発生や移動を監視することは重要である。 気象衛星センター(1991)によれば、にんじん状雲を構成する個々のCbを含む対流雲は中・上層風の下流側へ移動することが多いが、ほぼ停滞したり、時には風上側に伸びる対流雲列上に発生することもある。にんじん状雲のライフタイムは、ほとんどが10時間未満である。

一般的に、にんじん状雲の発生しやすい主な状況は、以下の通りである。
発生場所は、主に海上で、地上低気圧中心付近や前線近傍・暖域である。
対流圏下層の暖湿気の流入(暖湿移流)とその上への乾燥空気の流入が顕著である。
対流圏上層には、相対的な強風帯、明瞭な鉛直シア及び上層発散がある。
図1では、石垣島の南東には、丸で囲んだ領域ににんじん状雲が見られ、かなとこ巻雲が北東方向に広がっている。また、可視画像(図2)ではCbラインが南の先端から北北東に延びている。図1の右上に示したレーダー観測画像では、Cbライン対応の降水強度32~64mm/hrのエコーが観測されている。


赤外画像
可視画像



第56回気象予報士専門試験
問9 霧

霧について述べた次の文(a)~(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a)地上気象観測の大気現象の分類では、ごく小さな水滴が大気中に浮遊し、そのため水平視程が1km未満になっている現象を「霧」と言う。
(b)「放射霧」は、主に陸上で風が弱い時、地表面の放射冷却によって地表面に接した気塊の気温が低くなり、水蒸気が過飽和の状態になることによって発生する。
(c)「上昇霧(滑昇霧)」は、湿った気塊が斜面を上昇する時、断熱膨張による冷却で気塊が冷え、水蒸気が過飽和の状態になることによって発生する。
(d)「移流霧」は、別の場所で発生した霧が風によって移動してきたものをいう。

①  (a)のみ誤り
②  (b)のみ誤り
③  (c)のみ誤り
④  (d)のみ誤り
⑤  すべて正しい

(a)その通り

(b)その通り

(c)その通り

(d)

正解は④

移流霧は暖かい空気が冷たい所に移って起きるので霧そのものが移動ということではない。

資料、色と形で気象予報士!さんより見つけました。

色と形で気象予報士!さんより


色と形で気象予報士!さんより



第56回気象予報士専門試験
問10

梅雨期の気象について述べた次の文(a)~(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。

(a)梅雨前線を維持している水蒸気輸送には、太平洋高気圧の縁に沿う南よりの気流とチベット高原の南縁を通る西寄りの気流が密接に関連している。
(b)梅雨前線上には、数百km程度の水平間隔で形成される低気圧が見られるが、この低気圧は上層ほど強い低気圧循環を持ち、しばしば激しい雷雨を引き起こす。
(c)梅雨気にオホーツク海付近に形成され、「やませ」をもたらすオホーツク海高気圧は、中心付近の寒気層が下層から上層にまで達している。
(d)一般的に、西日本以西の梅雨前線では、東日本以東の梅雨前線に比べて下層での南北方向の温度傾度が大きいため、降水量が多い傾向がある。

①  (a)のみ正しい
②  (b)のみ正しい
③  (c)のみ正しい
④  (d)のみ正しい
⑤  すべて

(a)その通り

(b)梅雨前線にみられる低気圧は台風のような上層まで強い低気圧循環ではない

(c)オホーツク海高気圧は冷たいため重く低くなり寒気層の上空に暖気層が入ってくる

(d)は(a)のようにチベット高原からやってくる冷たい風がくる東日本の方が温度傾度が大きい。西日本は南からの水蒸気輸送が多いので大雨となるので

正解は⓵

資料:前線の定義と解析

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