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気象専門過去問 問6天気予報のガイダンスについて11/16

第58回気象予報士専門の過去問です。

問6
気象庁の天気予報のガイダンスによる数値予報の誤差について述べた次の文(a)~(c)の正誤を答えよ。

(a)気温ガイダンスにより、寒冷前線の通過タイミングが数値予報モデルの予想と異なることによって生じる気温の予測誤差を低減することが期待できる。

(b)降水量ガイダンスにより、数値予報モデルに組み込まれている地形と実際の地形の違いによって生じるモデルの降水量の予測誤差を低減することが期待できる。

(c)風ガイダンスにより、数値予報モデルの風速の予測誤差を低減することはできるが、風向の予測誤差を低減することは困難である。

という問題について


気象庁のHPに以下の内容が載っていました。

第 1 章 ガイダンスの概要
1.1 序論
ガイダンスは、数値予報の地上気温や降水量などの 予測値を補正してその誤差を軽減したり、数値予報が 出力していない天気や発雷確率などを作成することに よって、予報作業を支援するものである。

数値予報解説資料にガイダンスのことが書かれています。
1_6.pdf (jma.go.jp)

数値予報の後続に位置し、数値予報の結果を利用した各種プロダクトの作成を行う 処理を応用処理(post-processing)という。数値予報の結果は膨大な数値データの集ま りであり、そのままの状態で利用することは難しい。そこでユーザーの利便性向上のた めの様々な処理、例えば、数値予報モデルの結果を図に描画する可視化、必要な領 域や要素などを抽出するデータ切り出し、予報要素への翻訳や統計的な補正などが 応用処理として行われる。これらのうち、最後に挙げた「予報要素への翻訳や統計的 な補正」を行う処理およびその結果作成される予測資料をガイダンスと呼ぶ。 天気予報や注意報・警報・情報を作成するためには、予報に影響のある要素を可視 化した図を閲覧し、今後の気象状況の推移を検討する必要がある。限られた時間の中 で気温や降水量などの多くの要素を迅速に発表するためには、図だけでなく量的な予 測値を直接示す客観的な予測資料が必要であることから、ガイダンスが作成され、配 信されている。



ガイダンスができること、できないこと

できること:系統誤差の補正
例:モデル地形と実際の地形の違いによる誤差の補正

実際の地形では
A地点:急斜面で地形性の降水が多い
B地点:標高低く、気温低い
モデル地形では
A地点:地形がなだらかで降水少ない
B地点:標高高く、気温低い
など、地形の違いによる誤差。

できないこと:(系統誤差ではない)ランダム誤差の補正
例:モデルが前線の予測位置を外している場合、前線の位置をガイダンスで修正して気温や風を求めることはできない。

などということが気象庁HPに書かれており、


問題の
(a)の前線のずれによる予測誤差は系統誤差ではなく低減できないので


(b)地形のずれによる予測誤差は系統誤差であり低減できるので


(c)風向の誤差も風速の誤差も地形による誤差のことであり(風向があれば風速がある)、系統誤差なので、
予測低減困難は

でした。


気象庁 | 天気分布予報・地域時系列予報 (jma.go.jp)
気象庁|気象衛星ひまわり (jma.go.jp)

おはようございます。
昨日はいかがでしたか?
こちらの朝は寒い。ずいぶんと寒くなりました。
風邪ひかないようにしてください。
今日もいい日にしましょう。
good time!

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