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【美術ブックリスト】『現代陶芸論』外舘和子著

茨城県陶芸美術館主任学芸員などを経て多摩美術大学教授として陶芸について研究、発表を重ねる著者が、多様化する現代陶芸を再分類。創造性(創意)と実材表現(自身で制作)を現代陶芸の基準としたうえで、明晰な論理で4つに分類。カラー図版満載で鑑賞ガイドブックとしてもいい。
ここまでが概要。

ここからが感想。
冷静に考えると「創造性」と「自身で制作すること」が現代陶芸の基準であることは、当たり前といえば当たり前の話だ。しかしその当たり前であることを掘り下げて、そこから論理を展開することに研究の厳密さがある。
陶芸に関する言論は、印象批評や技法解説にとどまりがちであったが、著者はその意味で陶芸論を土台から積み上げようとしている。
これから陶芸を研究する人にとっての基本図書として長く読み継がれるだろう。

阿部出版 A5判 284ページ 2700円


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