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【美術ブックリスト】 『奈良美智 終わらないものがたり』 イェワン・クーン著、河野晴子訳
イギリスのPhaidonから2020年に刊行された「Yoshitomo Nara」は、B4判という大判で約2キロ、価格も13000円ほどの高級書籍だが、本書はその日本語版でサイズ的にも価格的にも手軽になっている。
著者は香港大学芸術学部人文学科芸術学系准教授。中国や日本の美術および建築を専門とするかたわら、コンテンポラリーアート分野の評論家やキュレーターとしても活動するらしい。
奈良の初期から現在までの制作の歴史を、取材と証言、資料、写真などとともに解説する奈良美智論。絵画、ドローイング、立体、陶芸など約400点の画像が収録されていて、作品集としても楽しめる。
ここまでが概要。
ここからが感想。
奈良美智についての「作家論」がメインのはずなのだが、文章が読みづらいので、ほとんど画集として見た。
おそらく原著がそうなっているのだろうが、見出しなどの区切りをつけ、作品画像が挟まれることで文章ページが飛ぶのを回避できればもっと読みやすかったと思う。奈良の仕事を時代を追って敷衍するレポートのような散文なので、論述というより記録に近い。日本語訳ももうひと工夫欲しかった。
作品写真は見やすく、奈良全体像を把握するにはいいと思う。
384ページ B5変 6000円+税 青幻舎
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