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【美術ブックリスト】『橋本関雪 入神の技・非凡の画』橋本眞次・村田隆志編著、白沙村荘橋本関雪記念館・福田美術館監修

7月3日まで開催中の「橋本関雪生誕140周年 KANSETSU ―人神の技・非凡の画―」(白沙村荘 橋本関雪記念館、福田美術館、嵯峨嵐山文華館)の公式カタログ兼書籍。

明治・大正・昭和戦前期の京都画壇で活躍した橋本関雪。
漢学の素養や中国・ヨーロッパの見聞をもとに、四条派の技術で写実的に描いた作品から、南画の写意的な作品まで発表した関雪の全貌を凝縮した一冊。大判サイズの誌面に、120点余りの図版と詳細な解説を付している。

橋本関雪の邸宅・白沙村荘の建築と庭園も紹介するなど、関雪の芸術と息吹を立体的に紹介する。
ここまでが概要。

ここからが感想。
判型と図版だけでなく、文字も大きめで読みやすい。
明治生誕140年を機に、画業に光をあて、現代の人々に再見、再考を促したいという関係者の強い思いが誌面から伝わってくる。
巻末近くに掲載された小説家・井上靖の追悼文が、その画業と人柄を的確に伝えている。

‎224ページ A4判 3000円+税 求龍堂

「はじめに」
対談「橋本関雪と白沙村荘を語る」/竹内浩一×橋本妙
「紙碑としての橋本関雪論―『橋本関雪先生之碑』を巡って」/村田隆志
Ⅰ「画家としての出発 ―文展以前の日々」
Ⅱ「画名の興隆―前期文展での連続受賞」
Ⅲ「画壇の寵児―後期文展での活躍」
Ⅳ「画風の完成―審査員としての帝展」
Ⅴ「画伯・関雪―入神の技」
Ⅵ「画仙の帰山―非凡の画」
「白沙村荘の建築」
「白沙村荘の庭園」
「月心寺縁起」
「白沙村荘 橋本関雪記念館所蔵の橋本関雪所用印について」
「橋本関雪の技法を再現する―南宗画士・岡原大崋氏による模写―」
「関雪を悼む」
「橋本関雪の人と作品」
「関雪と栖鳳」
橋本関雪略年譜
橋本関雪関連参考文献目録
「おわりに」
謝辞

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