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【美術ブックリスト】 『美の共感思考 無名の専業画家が売れっ子的に活動できる地道な実践と考察』福井安紀

前著『職業は専業画家』(2021年、同社刊)は、作品を制作し展覧会で販売することで、有名でなくとも、資産も副業もなくとも画家として生活してきた自身の事例を解説。展覧会の来場者数、購買人数、価格などの客観的な数字まで公開して話題となった。これに対して本書は、制作、接客、迷惑な来場者など活動のさまざまな局面で作家が向き合わなければならない事例への考え方を、主に心理面から解説している。周囲からの逆風への対処、リピーターとの出会い方、暗い性格は接客に不利か、SNSの活用方法と効果など、当事者が誰にも聞けない問題に答える。

作家活動は煎じ詰めればお客さんの共感と応援を勝ち取ることであり、その実践的回答ともいえる。イラストの模式図がやや分かりづらいが、文は読みやすい。

誠文堂新光社◉刊 四六判 224ページ 1800円

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