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【美術ブックリスト】 『最期のアトリエ日記』野見山暁治著

【概要】
月刊誌「美術の窓」の連載エッセイ《アトリエ日記》は著者晩年のライフワークであったが、その逝去により23年8月号をもって終了。本書は老いを生き抜いた画家の葛藤を綴った2020年5月から23年6月4日(最終回・絶筆)までを収載する最終巻。巻末に小説家・堀江敏幸による解説を収録。

【感想】
画家であり、東京藝術大学教授として後進を指導。戦没画学生の作品を集めた「無言館」の顧問、さらにエッセイストとしても人気だった野見山氏。私自身は一度だけ電話取材で記事を担当させてもらったことがあるのと、画廊で挨拶したことがある。
戦争をくぐり抜け、102歳まで生きた画家だけに、作品も多く残しているけども、画風は抽象性が高く、作品だけ見ていてもなかなかその真意は伝わりづらい。文章や話言葉が魅力的に映ったのには、そうした作品の裏側を知りたいと思わせる何かがあったのだろう。


生活の友社◉刊 四六判 432ページ 2700円


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