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【美術ブックリスト】 『世界のユートピア 理想郷を求めた人類の野望と夢』オフェリー・シャバロシュほか著、神奈川夏子訳

トマス・モアのユートピア島に始まり、政治的挑戦や科学的開発など夢想に終わったものから実現したプロジェクトまで理想の世界を作る人類の挑戦の歴史全83話を網羅。無尽蔵の黄金、人道主義の労働者住宅、不落の要塞、社会主義農園、未来の食材、廃棄物ゼロの都市など発見もいろいろ。
ここまでが概要。

ここからが感想。
ビジュアルアトラスのシリーズの一冊だけあって、ユートピアというワンテーマで、これでもかというほど事例をあげて写真と図版で解説していく。
正直、ユートピアというにはこじつけではないかと思うものもあるけども、むかし子どもの頃に見た図鑑も「乗り物」「魚」など1つのテーマ詰め込むだけ詰め込んでいたので、アトラスとはそういうものだと納得できる。
古今東西、さまざまな時代の理想郷を網羅している。理想にもいろんなかたちがあることだけはよくわかる。
後半チェ・ゲバラやマララさんなど理想を求めて活動した人物にも焦点をあてている。
ところで、フランス革命はあっても、ロシア革命もレーニンも、中国の革命も露骨に無視されているところに強い編集方針を感じる。

日経ナショナルジオグラフィック B5変 256ページ 2400円

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序文 ローラン・ビネ
ユートピアの世界地図
1. 理想の場所を求めて
2. 完全無欠のユートピア
3. 世界を再構築する
4. ユートピアの実験室
5. 科学とフィクション
6. ユートピアの牽引役



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