【美術ブックリスト】藤木晶子『竹内栖鳳 水墨風景画にみる画境』
東の大観、西の栖鳳と呼ばれた近代日本画壇の巨匠・竹内栖鳳(一八六四~一九四二)。これまで竹内の評価と研究は前半生に集中していたという。本書は、後半生に進展を見せた水墨風景画について論じる。水墨の技法、題材、取材、表現、当時の画壇の動向など、多角的な観点から分析し、栖鳳晩年の水墨風景画を近代日本美術史に位置付ける。ここまでが概要。
ここからが感想。
非常に綿密な研究書というのが率直な感想。特に水墨風景画の一つの典型として茨城県の水郷潮来に取材した作品を取り上げた第三章が出色。