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美術・アート系の本

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美術に関する新刊・近刊を中心にしたブックレビューです。
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2023年11月の記事一覧

【美術ブックリスト】『50の傑作絵画で見る 聖書の世界』ジェラール・ドゥニゾ 著

聖書の50のエピソードから伝説的な物語を読みなおすとともに、美術史に残る見事な絵画を味わえる。「十字架にかけられたイエス・キリストの下にいる人物は?」「最後の晩餐を描いた絵で、イエスを裏切った弟子のユダはどこにいる?」などキリスト教絵画を一歩踏み込んで理解できる。 ここまでが概要。 ここからが感想。 本書は大きな判型で作品を見やすく掲載。細部についての解説も細かい。「プレゼントに最適」とのコピーがついているとおり、本棚にあるとちょっと箔がつくかんじもする。 【余談】 Yo

【美術ブックリスト】『細部から読みとく西洋美術 めくるめく名作鑑賞100』スージー・ホッジ著

オールカラー、675の拡大図版で名作100点に迫るビジュアルブック。マザッチオ、ヤン・ファン・エイクといったルネサンスからアンゼルム・キーファーら現代まで、有名絵画を大判の図版とクローズアップの図解で紹介する。 ここまでが概要。 ここからが感想。 名画を概観する本はたくさんあるけども、本書は細部にフォーカスしているので、ちょっとしたウンチクを語れるようにもなる。1作品に数ページ費やすゆったりとした作りで、その分、厚い本。読む事典としてじっくり読みたいと思わせる。 中山ゆか

【美術ブックリスト】『もっと知りたいキュビスム』松井裕美著

東京美術「もっと知りたい」シリーズの一冊。 国立西洋美術館で開催中(2024年1月28日まで)でいままた注目されるキュビスム。ピカソとブラックの実験的試みを起点に、同時代の科学や思想を取り込みながら、絵画のみならず、彫刻や建築、テキスタイルまで多様で国際的な展開を見せた潮流を、様々な芸術家の試みと作品を通して理解する。 ここまでが概要。 ここからが感想。 まず図版が大きめできれい。解説は長文が多く、平易とはいえないけども、学者が書いたわりには読みやすい。 キュビスムというと