2019.7.13

ショートケーキは苺から腐っていって、ぼくたちは天使でいられた

約束がほどけて、ゆるいウエーブのやさしい女になる頃、夜にだけほんとうの呼吸ができるような気がする。ただ抱きしめたかっただけの肉が。やわく窪んで、愛を溜めていきました。節操無しにする口付けに、愛おしさも、義務感も、孤独も、満足も、なにも感じなかった。日々をなぞることが仕事になって、私の指は罅割れて、あなたを抱きしめることを酷く恥ずかしく思うようになりました。積み木が、天国まで届くなら、ダルマ落としが得意で良かったと、今泣きながら思って、無駄に豊かな心が暴れている。簡単な数式を並べると、安心するね。ただ人を好きになって、安心したい夜もあったよね。ふざけることが面白いと、本当に思っているのなら、下らないこともなかったのかもしれないな。愛することだけ上手になって貴方は、愛され方を知らないまま大人になった気でいる。つまらないね。

虹が、根元から崩れて、アスファルトに口付けた。油のように垂れる涙は、海に還ることなく彷徨うでしょう。ゴンドウクジラの背に乗ってわたしは、最寄りのコンビニを目指してずっと、泣いているばかりなのよ。

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