私が役に立った時2
履く物がなく、彼女に頼まれて作り始めたお母さんのルームシューズ。
それしか履けないから傷みも激しく、季節も変わり仕様も変えて、結局ルームシューズも7~8足作った。
時々メンテナンスと次のオーダー受けてお邪魔しても、足型も足の感じも全く変わってて、また一から型紙からの作り直し。
これがお母さんの足型。↓
足は上下左右、随分変形してしまって、作ってる私もわけわからなくなる。
時々腫れてしまう足の甲のために、最初の作品は甲布を編んでみた。かぎ針のこま編みや棒編みのメリアス編みで作ってみた。なんてたって初めてなんだから、やってみないとわからない。履いて貰わないとわからない。
冬用にはブーツ風にウールやフリースで、キルトサンドしたりして暖かく、夏用はバレエシューズ風に甲を出して、木綿で涼しげに。
あれやこれやと考え、私も頑張った。
私の趣味は洋服作りや小物つくり・リフォーム・パッチワーク・編み物・染物など。色々やってれば、役に立つこともある。無駄なことはない!って思った。
ルームシューズに使う布はリフォームするからって、彼女から着ない洋服を持って来てもらい、それも切って使った。彼女の持ってきた柄物のトレーナーを甲布の裏地で使ったら、お母さんが覚えてて、「これ、着てたやつ?」って嬉しそうだった。
なんとかならないかと考えてたのが、布の靴底。ずっと考えてたのだけど、当然閃いて、ビーチサンダル風でいいじゃあない・・かと。ジョイントマット切って貼り付けることにした。今どきのボンドは最強!ボンドで貼り付けたら、靴っぽくなって、お母さんは外にお出かけ出来るようになった。車椅子だけど、ちょっとの移動でも、靴がないと不便だし。
ルームシューズが靴もどきになった。ズブの素人の作った靴。
それからも時々メンテナンスに行ってたけど、しばらく連絡が来なくなった。なんと、お父さんの車で交通事故にあったと。お母さんは足、複雑骨折。しばらくは動けないと。それでも、立つことは出来るようになったから、あのシューズ履いてるよって、彼女から聞いた。
もう高齢だし、今までみたいには歩けないだろうけど、もしまたよくなったら、オーダーしますって。
お母さんのいた施設の職員さんも、新しく作った私のシューズを楽しみにしてたみたいだけど、それっきり。次のオーダーは来ない。商売にする気はないけど、足が変形してしまうことはなくはないと思う。困ってる人があれば、安くて軽い、ちんちくりんでよかったら、靴もどき作りますけどね。縁があればね。
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