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キッチンの桜

今朝はまた雪が舞う。
まだまだ寒く、春は遠いと感じる。

けれど、我が家のキッチンに桜が咲いた。
我が家の庭にある河津桜の枝。

冬の寒さ盛りの時期、庭にある木を切って、キッチンの出窓に飾って置くと、花が咲く。
キッチンは我が家では一番暖かいとこだから、どこよりも早く春がやって来る。

毎年そうやって、蛇口の前の目につくとこに、梅やら桃やら桜やらの何もない木の枝を活けて置く。
庭の木、どうせ剪定で切らなくては要らなそうな木の枝を切って帰って、水にさす。

庭の木は大きくしちゃあダメだって、気が付いたのは最近だった。
庭の木はまめに剪定して、形を整えて、こじんまりと。

父が亡くなる前までは、毎年庭師さんに頼んで剪定して貰ってた。
が、父の道楽的庭の庭師さんの剪定は1週間はかかり、結構な支出となってたし、私はどうでもよかったから、しないでいた。

しばらく放っていたら、大変なことになった。
その頃来てたリフォームの業者さんに、立派な庭石が使ってあると褒められた。
でも、裏山の雑木林になってるとも言われた。
なんかもったいない気がしてきた。

が、庭師さんに頼むほどのこだわりもお金もない。
庭は父の管轄で触れらない立場であったが、父がいなくなったのだからせねばならぬ。
で、立派な庭ではなく、とりあえずの庭を目指して私がすることにした。

ところが、剪定ってかなり面白い。
庭木の形を整えて剪定するのも面白いが、庭木は生きているので育つのだ。
私の想定外の枝の伸び方なぞされると、そうきたか!となんのである。
それはちゃんと根拠のあることで、例えば日当たりとか風の当たり方とか、考えられなかった私が悪いのである。

剪定をするようになってから、それまで庭木を切ってはいけないという感覚がひっくり返った。
どうせ切るなら有意義にと、梅なんぞはお正月に玄関用に太い枝を切り、活ける。

桃も桜も、伸びて困る方向の枝は切って活ける。
我が家は寒いけど、それでも外よりは早く芽吹き、花を咲かせる。
冬は、やっぱり春が恋しい。
春の花が、早くに咲くと嬉しいのだ。






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