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中高生に感じてほしい「SFCスピリッツ」

2020年度春学期に開講された「SFCスピリッツの創造」。
本講義の内容は、 社会で活躍しているSFCの卒業生が履修者に、自身の考える「今この時代に必要な精神」を伝えていくというものである。
初回の講義で履修者に最終課題が発表された。

「11名の講師(11回の授業)それぞれから教わった内容を、あなたなりの表現で、インターネットを通じて全国の中学生・高校生に伝えてください。」

私は本講義を通して、各講師の力のある言葉に何度も刺激を受けてきたので、これらの名言を伝えていこうと思う。


今村久美さん(NPO法人カタリバ 代表理事)

どんな環境に育った子も、未来を作り出す力がある。

学ぶのが楽しいと感じ、意欲的に勉強をしている人と全く楽しんでいない人との分断に学生時代悩んでいた今村さん。この分断は教育で解決できると考え、勉強の機会が奪われた子供たちをサポートする「認定NPO法人カタリバ」を立ち上げた。

新型コロナウイルスにより教育格差がより目立ち始めている状況でこの言葉を聞き、私たちのように「学ぶ=楽しい」を感じることができている人々が、できていない、もしくはできない人たちを助けるため、本課題のように積極的に情報発信をしていくべきだと感じた。

渡邉康太郎さん(Takram コンテクストデザイナー)

「弱い意志×偶然」という道もある。

「強い意志×必然」という方法で自分の道を切り開いていく人が世の中には多くいる。しかし、「弱い意志×偶然」という方法もあると渡邊さんは言う。

ここで言う弱い意志とは、「はっきりしなくても、なんとなく考え続けること。」、偶然とは、「単なる運ではなく、自分の外からやってくるもの。」を指す。

つまり、様々なことをなんとなく考え続けることで、後から偶然がそれを繋ぎ、新たな価値を生み出すことができるということだ。

閑歳孝子さん(株式会社Zaim 代表取締役)

お金は客観的に価値を評価できる指標。

今の時代、「お金」よりも「やりがい」や「好きなこと」を追い求めることが美徳とされるようになってきた。そんな中閑歳さんは、お金が仕事などの価値を表す機能を持つことに触れた。

SFCに来てから「好きなこと」をしている人が偉いという思考に陥っていた私には、深く刺さった。「好きなこと」ができていても、結局は社会に価値、それを表すお金を生み出せないとダメなのだ。

千葉功太郎さん(個人投資家/Drone Fund 代表パートナー

どんなNew Normalが生まれるか。どんなNew Normalを作り出すか。

New Normalとは新しい日常のこと。新型コロナウイルスによってリモートワーク、オンライン授業が導入されるなど、ちょうど現在、New Normalが変わり始めている。

New Normalを考えて、予測し、それを実行することで次の時代の覇者となれる。Withコロナ一期生である私たちがNew Normalを意識し、学生生活を送ることで、今後の新たな時代にあった価値を生み出すことができるようになるかもしれない。

柳澤大輔さん(面白法人カヤック 代表取締役CEO)

どういう人間を評価するかという価値観が一致する人と働くのがいい。

世界で唯一、サイコロの出た目によって一部の給料が決まる「サイコロ給」を取り入れている面白法人カヤック。そんな独特な会社を経営する柳澤さんらしい言葉だ。

自分の評価の価値観に合わない人が評価されていたり、上司にいたりするような会社では、上の人々を尊敬することができない。自分の尊敬に値するような人が評価されたり、上司にいるような会社を選ぶのが大事だそうだ。

門松貴さん(内閣官房長官秘書官)

「つくる」ために「こわす」。

内閣官房長官である菅義偉さんの秘書官を務めている門松さん。学生時代は、文転・理転を繰り返していた。しかし、自身が文系・理系の壁を壊してきた経験から内閣の組織の壁や規制の壁を「こわし」、改めて「つくる」という仕事ができている。

新しい何かをつくるためには、こわすことが必要となることが多い。こわすことは大抵の人にとって怖いことだが、新たな価値を生み出したり、改革したりするために思い切ってやってみるのもいいかもしれない。

松尾卓哉さん(株式会社17 クリエイティブディレクター)

焦らなくても良い。自分のタイミングがある。

いくら周りと比べるな、と言われても比べてしまうのが人間である。そんな人々にぜひ胸に刻んでほしい言葉だ。

焦らなくても良いが、ただ待っているだけでは何もチャンスはこない。とにかく、自分を耕しておくこと。そうすれば、運を呼び込むことができると松尾さんは言う。

本講義の中でも、特に印象深かった言葉だ。

江渡浩一郎さん(国立研究開発法人産業技術総合研究所 主任研究員)

学外に活動の場を作り、学内にそれを広める。

学生時代、学外で活発に研究活動を行っていた江渡さん。そんな江渡さんが言うのは、他の大学の人々や社会人とも交流することが大切だということだ。

学外に出て同じ志を持つ人々と交流をすると、能力の高い人と仲良くなったり、共に研究をする機会ができたりする。そして、そこで得た知識や技術を学内に広げることで、学内のレベルが上がり、自分の株を高めることができる。

一つの集団の中にいると偏った考えを持つ可能性があるので、積極的に外部の刺激を受けることが大切だと感じる。

平尾丈さん(株式会社じげん 代表取締役 社長執行役員 CEO)

最小多様性を大事にする。

世の中は、多様性を認めるように変わってきている。それ自体はいいことだが、組織が多様性で溢れ過ぎてしまったら統率が取れなくなってくる。それを防ぐのが最小多様性という考え方だ。

ひとりひとりの意見は確かに大切だが、それを全て取り入れることはできない。最小多様性を意識することで、自分や組織の軸を安定させ、コストを減らすこともできる。

次世代のリーダーにとって、必要な考え方だ。

小林正忠さん(楽天株式会社 Co-Founder and Chief People Officer)

二兎を追うものには、三兎目、四兎目が現れる。

小林さんは講義を通して、「自分がやる」「自分がつくる」という言葉を何度も使っていた。これは、小林さんの座右の銘である「自我作古」に基づくものである。

この名言にも、その精神が表れていると私は思う。「ないものを自分でつくる」ことを何度も続けていれば、チャンスは何度も表れてくれるということだ。

若いうちに色々なことに欲張りになって、挑戦してみることが大事なのではないだろうか。

駒崎弘樹さん(認定NPO法人フローレンス 代表理事)

SFCを実験台として使い、社会で実践する。

本講義の田中先生も「SFCは実験キャンパス」とよく言っていたが、大学というコミュニティで通用する仕組みならば、社会で通用するようだ。だからこそ、学生の間に実験台をしっかり使った方が良い。

そして、これは大学に限った話ではないと思う。どのコミュニティにいても環境、リソースを最大限に使った人が一番成長することができる。自分のいるコミュニティから離れる時に後悔しないように、とことん使い倒してはいかがだろうか。

サブゼミ 喜多恒介さん(本当にやりたいことの見つけ方とその実践)

「SFCスピリッツの創造」には、任意で入ることのできるサブゼミというものがあるので、そちらでの活動も紹介する。

このサブゼミでは三回のワークショップが開催され、私は第二回の「心のブレーキを緩めて行動ができるようになるワーク」に参加した。

こちらのワークは実際にやってみないと効果が分からないと思うので、時間のある方はぜひやってみてほしい。

まとめ

以上、11名の講師の方々の名言を紹介した。このnoteには書き切ることができないほど素晴らしい講演ばかりだったので、興味を持った人は昨年度の「SFCスピリッツの創造」を見てみてほしい。


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