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ときメモGS4覚え書~ガチレポートの体裁で~

●忙しい人向けの結論

 とにかくダーホンがかわいい。

●私が沼へ落ちるまで

 諸事情により男女問わず勝手にぐいぐい来られる事に関して少し拒否感があるので、一周目の初見プレイではあんまり発情してこないキャラがいいな〜〜と思った矢先に出てきたのが本多くんである。
 初邂逅の場面で『なぜ教室の窓は常に左側についているのか?』という問題について教えてくるという中々インパクトの強い登場をし、私の脳裏に強い印象を残した。
(以下スクショ)

だーほん1
だーほん2
だーほん3

 ちなみにどうしてかというと、ペンを持つ右手の影が紙に落ちないようにするためらしい。(スクショ上のコメントは友人への実況LINE用に書いたものなのでメチャクチャなテンションとなっている。申し訳ない)

 去り際にこの余計な一言を発する図太いメンタリティと自由奔放さに(ふーん おもしれー奴……)と興味を惹かれ、深掘りしてみたら見事に沼へ落っこちたのである。

●私が沼へ浸かるまで

 ここで、まず私の二次元・三次元における人間の好みを述べる。
 二次元において特に私が好ましく思うキャラの外見属性は
・白髪(はくはつと読んでほしい)
・中性的な見た目
のふたつであり、内面属性は
・大人しそうな見た目だが芯が強いもの
・強気そうな見た目だが中身が繊細なもの(所謂ツンデレもここに属すると思われる)
・一見KYに思えるほど底抜けに明るく、しかし内面では様々な思慮を巡らせているもの
がぱっと思い浮かぶ。
 そして三次元における好み、つまり私が人間的に好ましく思う(恋愛的に限るわけではない)人の性質としては
・博識だったり、教養がきちんとしているもの
・他人のボケにノッてこれる素養のあるもの
・ただ面白いだけではなく、ユーモアのあるもの
……となっている。要するに、interestingとfunnyどちらも兼ね備えたおもしれー奴が大好きなのである。
 ユーモアの下りについては、たとえば村上春樹の短編「タイム・マシーン-あるいは幸運としての渡辺昇2」の「僕」と「渡辺昇」のようなやり取りが正に私の理想とするものだ。互いに真意を判った上で、尚その茶番に乗り続ける。現実では中々上手く繋げられないことも多いが、だからこそ成功した時の爽快感は非常に尊いものだろう。
 さて、話を戻そう。本多くんは上記の二次元における外見の好みには半分合致している。白髪でこそないが、彼の外見は他のキャラに比べて可愛らしく描かれており体躯もそれほど大きくはない。加えて内面属性も三番目に上げた「底抜けに明るく、だが裏では思慮を巡らせているもの」へそれなりに当てはまっている。
 思慮? あんまり頭良さそうに見えないけど? と思った方もいるかもしれないが、ここで期末テストの結果掲示を見てみよう。(このゲームでは高校生活を追体験するため、もちろんキャラ達はテストも受けさせられる)

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 映えある学年一位の座に輝いているのは、何を隠そう本多くんなのである。(彼のフルネームは本多 行、ちなみにこの周回プレイ時の主人公の名前は京原 キメラ。可哀想な名前だ)

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他にも彼は個人でちゃっかり顕微鏡を持っていたり、(御影 という左の人はクラスの担任の先生)

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植物園でハエトリグサの話題に食い付いたりと様々な分野への知的好奇心と探究心が凄まじく、

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また頭の体操のような方面の賢さも持ち合わせている。

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 加えて、主人公に絡んできたナンパ男を撃退する際には相手の話題に乗っかりつつさらりと受け流し、アフターケアにもユーモアを忘れない。
 これは正に私の三次元の人間の好みにピタリと合致する。このキャラの人格は私の二次元の好みのみならず、三次元の好みまでを内包しているのだ。好きにならないわけがない。
 かくして、私は本多くん沼へとズブズブ沈んでいった。

●恋愛ゲームなのに恋愛っぽくない

 私は今まで乙女ゲームというと攻略対象の男性が主人公へ甘い言葉を投げかけ、それに主人公が赤面しつつも受け入れる、という浅い知識と短絡的なイメージしか持ち合わせていなかった。
 そんな私が何故このゲームをプレイしようと思ったかというと、ずばり好きなイラストレーターさんがイラスト付きのプレイレポに『恋愛対象が男性じゃない方も楽しめる!』という言葉を添えて薦めていたからである。乙女ゲームといえば女性、もしくは男性が恋愛対象の人々がプレイして楽しむものだと思っていた私には目から鱗だった。
 そこまで言われたらやってやろうじゃん、と思い切って購入し、「主人公≠私」スタンスを崩さず、少女漫画を読むように第三者の神視点でゲームをプレイしてみた。複数人の攻略対象をクリアしていくうちに改めて気づいたのが、「本多くんのルートだけ糖度が低い」という事実である。
 他のキャラのルートをプレイしていくと当たり前のように主人公へおでこキスをしたり頭ぽんぽんしたり口説いてきたりする。プレイヤーの私は口からエア砂糖菓子を吐きつつそれを温かく見守っていたが、初見時の本多くんルートではそういったことがほぼなかった。
 何故なら、本多くんが主人公への恋心をはっきりと自覚するのは高校卒業時、つまりエンディングの時だからだ。
 説明が遅れたが、この『ときめきメモリアルGS4』は高校入学から卒業までの三年間をせっせと過ごし、卒業式のときに誰か一人の攻略対象から告白されることを目的とするゲームである。入学式がオープニング、卒業式がエンディングという至極わかりやすい構成だ。
 告白こそエンディングまで持ち越されているが、見事主人公に惚れてきた攻略対象キャラは在学中にも好き好きオーラを包み隠さず伝えてくる。こういった中での糖度高めなイベントたちが乙女ゲームのメイン要素なのだろう。

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ドストレートに愛を伝えてきたり、

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洒落た言い回しで主人公を口説いてきたり、(この人も語彙力と表現力が高くて推し)

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幼馴染キャラが後方旦那面をしてきたりする。それぞれ主人公への好意の伝え方は千差万別だが、全員はっきりと恋心を自覚していることがわかる。
 ここで本多くんのスクショを見てみよう。

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 爽やか〜に言い放つ彼からは甘ったるい雰囲気を微塵も感じられない。かわいい。
 また、上記スクショの三人と一緒にお出かけイベントを起こした後には、

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 こういった感じのことを言ってくる。(二人、というのは風真くんと七ツ森くんのことだ)
 自身が恋している自覚がないため、この焦りや不安の正体を嫉妬心へと結びつけることができず「ヘン」と一言で済ませている純粋さがかわいい。
 ……と、このように在学中の本多くんは恋心をはっきり自覚してはいないが、それはそれとして主人公のことが好き、という感情は持ち合わせている。「オレの話を楽しそうに聞いてくれる君が好き」と言ってきたり、

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自分の大切な思い出の場所と本(仕掛け絵本)を教えてくれたりと明確に好意を持っていることは確かだ。しかし前述のように過度なスキンシップをしてきたりはしない。つまり、本多くんは主人公のことが恋愛的に好きである以前に、人間的な意味で好きなのである。
 仮にも「恋愛」ゲームでこのようなキャラ造形の攻略対象がいることに私は大いに驚き、また感心した。恋愛が一番ではない攻略対象というものは他の恋愛ゲームでも見られるのだろうか。この件に関しては私の恋愛ゲームの知識が乏しすぎるためなんとも言えないが、もしこういったキャラ枠が他のゲームにも用意されているならば是非プレイしてみたいと感じた。

●まとめ

 このように、本多くんは私の二次元/三次元のキャラ/人間のここ好きポイントを数多く兼ね備えていると同時に、主人公のことを人間的にも恋愛的にも好きになってあげられるとても良い子だ。
 甘すぎる展開が不得手な私にも「友情からの恋愛」という形で違和感を覚えさせずに気持ちよくゲームをクリアさせてくれた彼には敬意を払いつつ、これからも二次創作まで存分に愛でていきたい。


《参考文献》
KONAMI『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』(Nintendo Switch,2021)