大型犬が見られなくなった話

思い出話と、今もまだ抱えたままのトラウマについて。

ひとつ前の職場にいた時、ひどいパワハラを受けました。あれらの言葉や態度をなんと形容したら良いかが難しく、「パワハラ」と表記していますが、とにかく死にたくなるような毎日でした。
その当時の原因である大悪魔のLINEアイコンが大型犬だったのです。
ゴールデンレトリバーでしょうか。
犬種については詳しくないので分かりませんし、興味もありませんが。

あの大型犬アイコンから連絡が来るのが本当に恐怖でした。
やりとりが終わるたびにトークを非表示にして、目に入らないようにしていました。

結局適応障害になって、仕事を辞め、その土地からも離れました。最後の出勤のあと、まず初めに大悪魔をブロックしました。
ようやく縁が切れた、という安堵を今でも覚えています。


あれから、もうすぐで一年になります。
気分の落ち込みは改善されてきましたし、短時間ですが働けるようにもなりました。
でも未だに、大型犬を見かけるのが怖いです。
Xで犬をアイコンにしている人を見かけると、その方のポスト内容とは関係なしにブロックしてしまいます。
街で大型犬を見るのも苦手です。できることなら遭遇したくないです。
いつか、大丈夫になる日が来るでしょうか。


昔は犬が好きで、猫か犬かと問われれば犬派の人間でしたが、すっかりダメになってしまいました。
小型犬なら見ることができますが、大型犬は無理です。


トラウマってこういうところにも出るよな、と思います。
働くことへの恐怖心や希死念慮などとは別に、日常の中に余波として現れるトラウマ。これが中々手強いです。他人に言うほど大きな話でもなく、しかしながら自分の中で無視することはできない苦しさ。


心の問題は、時の流れに身を任せるのもひとつの手だと知っていますし、この場合においてはそれが有効でしょう。
時間をかけて、普通に生活をしていく中で、少しずつ犬への恐怖心が薄れていくことを願います。


これを読んでいる人の中にも、「聴けない歌がある」「通りたくない駅がある」のような苦しみがあるかもしれません。
それぞれのトラウマが、少しずつ、でも確かに溶けて消えていきますように。
ゼロにはできなくても、ちゃんと大丈夫になって、これからを生きていけますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?