アイスは溶けた
今年は叫びたくなる一年だった。
まだ三ヶ月残っているから、今年の全てを語ることはできないけれど、それにしても大変な年だった。
適応障害になって仕事を辞めて、引っ越しをして実家に帰った。
世界で一番好きだったアイドルグループのメンバーがとんでもない大炎上をして、その炎は今も燃え続けている。
周りの子が続々と結婚をして、「これが26歳になるということか」と感じた。
結婚式には4回参加した(する)。
妹に彼氏ができて、妹は家でもずっと彼氏の話をしたりLINEをしたりしている。
身内の恋愛を間近で見せられるのは、生々しくてあまりいい気分ではないことを知った。
私の感情とは別に、妹には幸せでいてほしい。
夏の間はずっと家から出られなかった。
友達が連絡をくれたり、心配した母が映画に誘ってくれたりしたので外出はしていたけれど、自分一人だと何もする気になれなかった。
何時間も布団の中にいて、ネットフリックスを立ち上げてアニメを見漁った。
進撃の巨人、虚構推理、文豪ストレイドッグス、呪術廻戦、ブルーロック……今はナルトとまどマギを同時並行で見ている。
MAPPAは凄い、ということを知った夏だった。
ようやく10月に入って、久しぶりに外に出てみたら秋の風が吹いていた。
相変わらず日差しは強いので半袖で丁度いいが、それでも風の中には秋の匂いが含まれている。
不思議な感覚だ。やっと息がしやすくなった。
今日は久々に一人で外出をした。
ハローワーク以外の予定で、「なんとなく」一人で外に出かけるのは、引っ越して以来今日が初めてな気がする。
やっとここまで戻ってこられた、と思う。
2月におかしくなってから、これだけの事ができなくなってしまっていた。
神田に行ったのに古書店に入る気になれず、
昔よく通っていた珈琲屋さんにもまだ一度も行けていなかった。
心が、感受性が、死んでしまっていた。
「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という詩の一節がある。
茨木のり子さんの詩だ。
これが中々難しいのだということを、今年になって知った。
好きなものを己の体内に取り込んで、それを味わうためには、ある程度心が柔らかく動いていなくてはいけない。
そんなことも、私は気づかずにいた。
夏を越えて秋になり、私は少し元気になった。
こうやって一人で散歩に出ることもできるようになってきた。
心も少しずつ動きはじめた気がする。
26歳はちょっと苦しいけれど、これも自分の糧にできるくらい、また根っこから明るく笑えるくらい強くなりたい。
なれると信じている。
今日は夕方に書いたから"おやすみ"は書きませんが、最後に好きな歌を貼っておきます。
この文章を打っている間、ずっと聴いていた歌です。
VERNON - Black Eye
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