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050💐

 贅沢な夏休みだった。

 金曜日にお休みをいただいて4連休を作り出し、東北へと帰ってきた。会社は暦通りに営業しているから、明日に向けて今日のうちに東京に戻る。この文章はその東京行きの新幹線で書いている。

 夏休み前の数日間は、なかなか思うように仕事を捌けなくて、少し疲れてしまっていた。こなすべきタスクの総量は、休みの前後で何ら変わらない。それでも、気分転換は仕事の生産性向上に良い作用をもたらす。

 この短い夏休みが、待ち遠しかった。
 会いたい人たちとの約束があったからだ。

 仙台に2日間、盛岡に2日間。前者は大学時代の友人たちとの予定を詰め、対照的に後者は実家でのんびりしていた。どちらも癒しの時間だった。

友人と一緒に勉強した、思い出のベローチェ仙台南町通り店。今は跡形もなく、隣に新しくスタバができていた。友人とこの場所を「ベローチェ跡地」と呼んでいる
1階で買ったパンを2階のカフェで食べられるKEYAKI COFFEE 卸町店。大変粋な計らいをしてくださるお店
六丁の目にあるローズボールアンティークス。こういう雰囲気のアメリカンアンティークは割と好み
たくさん焼いた内気くまクッキー。味はプレーン、ココア、アールグレイの3種類。型抜きの段階が楽しすぎた
深沼海水浴場と不発弾みたいなブイ。この近くにある、震災の影響で廃校となった荒浜小学校も見学した。津波が到来した時刻で止まったままの時計が印象的だった
岩手県立美術館の江口寿史イラストレーション展。
最高の展示だったが、台風接近のせいで雨が酷かった


 ただ、特別養護老人ホームに入居している祖母と面会できなかったのは、唯一の心残りとなった。帰省のメインイベントのような部分もあったので余計に切なかった。「コロナだから〜」が続いて、ある日突然もう会えなくなってしまったらどうしよう。

 会いたい人には、できるだけ会いに行く。大切な人に会いに行くことは、何ら不要不急ではない。そして、自分の気持ちは言葉ではなく行動でしか示せない。

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 最後にひとつだけ。
 50回目の投稿をするときには、絶対に文章を書こうとずっと前から決めていた。

 「小さい頃から文章が好きで、今もそれは変わらない」と大学時代の友人に話したときに「それなら書いてみたらいいよ」と言ってもらえたのが始まりだった。どうやら、自分のように考えている人というのは珍しいらしい。

 文章を『書く』という工程自体は割と苦業だが、その苦業を通じて生まれたものを読み返すと「あ、良いのが書けたな」と思うことは多い。そして、出来上がったものを読み返して、自分の中で文章を反芻するのも楽しい。

 文章を書くことは、あくまで自分の快楽のためにやっているが、あわよくば、いつの日か自分の書く文章で誰かの役に立てたら良いなと思う(「誰かの役に立ちたい」と願うのもまた、自分の快楽のためかもしれないが)。それが一体どのような形で実現されるのかは分からない。それでも、来たるべき時に備えて細々と練習していきたい。

 このnoteを始めたのは、旅の記録という側面ももちろんあるが、それ以上に「今の自分の感情を表現するなら写真がベストだな」と当時は考えていたからだった。それならスマホの写真フォルダでも良いのだが、綺麗にまとめて何度でも見返せるようにしたかったのでnoteを選んだ。投稿した写真を褒めてくださる方々もいて、創作の励みにもなっていた。

 49回更新し続けて、正直写真はやり切ったなと感じている。50回という節目を迎えるにあたって新しいことをやってみたい。ただし、完全に止める訳ではなく、主役に添える存在として緩やかに撮り続けていきたい。

 ここまで読んでくださった方々、誠にありがとうございました。