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無題

「わたし、あなたと付き合い始めて間もない頃この曲を聴いて泣いたことがある」
その時、車の中で流れていたのは竹内まりやの『マンハッタンキス』だった。
「えっ、そうなんだ!」驚く様子を見せる彼。
「今はもう泣くこともないけどね~」わたしはおどけて見せた。
どうしても欲しくて欲しくてたまらなかった。
でも、それを手に入れたとしても幸せになれる保証などなかった。
それでも、まっすぐ進み続けたらあるとき道が見えた。
愛されることしか知らなかったわたしに愛することを教えてくれたのはあの人だった。
その人の幸せを願うとき確かにわたしは幸せだった。

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