白息


1ヶ月休職することになり帰ってきた実家
相変わらず気を遣ってくれるお母さんに悲しくなった
家にいても考えてしまったり廃れてしまうだけなので、お母さんが仕事の間 図書館に行くことにした
受験シーズンは終わったはずなのに施設は学生で溢れていて、気が滅入ってしまった
学生のみならず、人の動きに嫌気がさしてしまった
どうにか抜け出そうと歩き出した雪の中、何も考えられないままだった
喫煙可能の記載があったお店に行くと、入口の扉には禁煙マークがついていて、裏切られた心地がした
行き場を無くして少しパニックになった
当てもなくただ雪の中を歩いていて、ああ病気なんだな、と実感した
動くことも、止まることも、ままならなかった
動いていると止まれなくなるし、赤信号に停められた時には前に押されている感覚になった
昔よく通っていた、とても好きだった たい焼き屋さんは、数年前に閉まってしまい、まだやっていたら、少しだけあたたかい気持ちになれたかもな、なんて悲しくなった
この1ヶ月間で今後のことをきちんと考えなければいけないのに、まだ、その気が起きない
仕方ない、まだ数日しか経過していない
動くこと話すこと食べることすら億劫なのだから、考えても意味がないのだ
鬱、なにもできなくてわろた
と何度も思ったし口にしたが、なにも面白いことなんぞない
むしろ、最悪だ
本でも読んでみよう、映画でも観よう、散歩に行ってみよう、なんて、気持ちばかりで、体が伴わない
外で吸った煙草、煙草の煙なのか寒さ故の白い息なのか分からなかった
どっちでもいいね
今日出来たことは、外に出れたこと、ご飯を食べたこと、好きな人に素敵な季語を伝えたこと、です
一日生きて、えらい、きっと、えらいね
今日は星が見えたよ

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