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【学芸員資格】博物館概論レポート

【設問】
 設置者(国、地方公共団体、法人など)が異なる又は、運営規模が異なる(大規模館と中小規模館など)2つの博物館(ミュージアム)を実際に見学・調査したうえで、その知見を踏まえて、これからの日本の博物館が目指すべきところについて論じてください(3,200字程度)。
(シラバスより抜粋)

地方美術館の今後の課題 - 平塚市美術館と藤澤浮世絵館の事例を通じて

1 はじめに

 本稿ではより地域性の高い美術館・博物館にテーマを絞り、湘南エリアにある平塚市美術館、そして藤沢市辻堂にある郷土資料館である藤澤浮世絵館を比較分析を通じ、これらの美術館・博物館が目指すべきもの、またその実現のために求められる課題について述べていきたい。
 平塚市美術館はその名の通り美術系博物館、対する藤澤浮世絵館は藤沢市郷土歴史課が運営する、浮世絵美術館としての要素もある郷土博物館(博物館類似施設)である。平塚市美術館が1991年(*1)、藤澤浮世絵館は2016年に開館しており(*2)、その時期の違いからか、博物館建設・運営に対するスタンスの違いが顕著に現れている。また、本稿では両美術館の立地条件を踏まえ、本稿では平塚市美術館を「郊外型」、藤澤市浮世絵館を「近郊型」と呼ぶこととする。

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