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人間失格 第四のメモ

シヅ子  


女のひとは痩せて、脊の高いひとでした。その座蒲団は傍にのけて、入口ちかくの片隅に坐りました。

女は雑誌社のひとのようで、「お宅は、どちらなのですか?」「そんなら、社の近くですから」

女は、甲州の生れで二十八歳でした。五つになる女児と、高円寺のアパートに住んでいました。夫と死別して、三年になると言っていました。
「あなたは、ずいぶん苦労して育って来たみたいなひとね。よく気がきくわ。可哀そうに」

シヅ子(というのが、その女記者の名前でした)

「ふふ、どうだか。あなたは、まじめな顔をして冗談を言うから可愛い」

「そうね。私も、実は感心していたの。シゲ子にいつもかいてやっている漫画、つい私まで噴き出してしまう。やってみたら、どう? 私の社の編輯長に、たのんでみてあげてもいいわ」

……あなたを見ると、たいていの女のひとは、何かしてあげたくて、たまらなくなる。……いつも、おどおどしていて、それでいて、滑稽家なんだもの。……時たま、ひとりで、ひどく沈んでいるけれども、そのさまが、いっそう女のひとの心を、かゆがらせる。

そうしてシヅ子と「天下晴れて」同棲という事になり、シヅ子の雑誌の毎月の連載漫画「キンタさんとオタさんの冒険」

「あなたの寝顔だって、ずいぶんお老けになりましてよ。四十男みたい」

「騒がないで、早くおやすみなさいよ。それとも、ごはんをあがりますか?」

 唄いながら、シヅ子に衣服をぬがせられ、シヅ子の胸に自分の額を押しつけて眠ってしまう、それが自分の日常でした。

中から、シヅ子とシゲ子の会話が聞えます。
「なぜ、お酒を飲むの?」
「お父ちゃんはね、お酒を好きで飲んでいるのでは、ないんですよ。あんまりいいひとだから、だから、……」
「いいひとは、お酒を飲むの?」
「そうでもないけど、……」
「お父ちゃんは、きっと、びっくりするわね」
「おきらいかも知れない。ほら、ほら、箱から飛び出した」
「セッカチピンチャンみたいね」
「そうねえ」

これはただ幸福をかきたいだけなのか・・?なんか不幸な方に向かう葉蔵





                警告

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       後、音楽が好きな方人間失格のファンの方 










「セッカチピンチャンみたいね」「そうねえ」

これ初めて読んだ時セッカチチャンピオンにみえたよね?

早漏の人の話かな?

昔TVで観た”遊戯”で彼氏が早漏で困っていますと 

じゃあ解りにくいから音楽で例えてくれと

曲は忘れたけどいいのがあったからこれでそれではお聞きください

「ブルー・ライト・ヨコハマ いしだあゆみ」

1分ちょうどで止めてもらえば早漏の気持ちが分かる

25秒バージョン 


「セッカチピンチャンみたいね」

シヅ子はいしだあゆみ




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