日本を前に進めるを読んで

 河野太郎氏が誕生から現在に至るまで歩んできた人生そのものが政策に表れているように思った。

 政治家一家に生まれても、人生のレールが初めから敷かれているわけでなく、家族に頼ることなく自分で何かを考えて行動する環境の中で育ったことが伝わってきた。

 この一冊には、今年9月の自民党総裁選出馬時にも語った、「皆さんと一緒になって、日本を前に進めていきたい!」「温もりのある国を目指したい!」の原点、熱い想いが込められていた。

 本書を読み終えた中で最も印象に残ったのは、上述にもある、「前に進む」と「温もり」の2点だ。

 一つ目の、「前に進む」について、

 ・慶應義塾中等部の時に1500m走で最下位になったことについてクラスで話になり、それから練習に出て、私学対抗大会や運動会で優勝、また現在でも記録保持者

 ・高校のサマースクール参加時に、英語が通じなく二日目にようやく食堂にたどりつけたことや、うまく発音できないと何度もチームメイトから直された経験

 ・「やらないで後から後悔するよりも、やってみて失敗したら反省するほうがよい

 ・河野一郎氏の教え「陽の当たらないときも胸を張って歩け。

 ・アメリカへ出発するときに、河野洋平氏が送った手紙「留学はスポーツと同じようなものだから、全力を尽くせ。でもエンジョイしなさい。

 どんな時も、まずは目の前のことに対しコツコツと取り組み、落ち込むことがあっても、現状を少しでも楽しく、生き生きと前に進める人柄が物凄く伝わってきた。きっと、暗いトンネルを抜けて、その先にある光に満ちた世界を知っているから立ち止まらず、前進し続けるのだろう。本当に自分がやりたいことを自然に引き寄せるパワーをも感じた。

 二つ目の、「温もり」について、

 ・「それぞれの国の歴史や成り立ちを尊重し、寄り添っていこうと説得するのが日本の役割」

 ・「魚をあげても食べてしまえば終わり、魚の捕り方を教えれば、いつでも自分で魚を捕ってお腹をいっぱいにすることができる。魚の捕り方を教えることが技術協力」

 ・「国民がどんな情報を必要としているのか、何を心配しているのか、何に困っているのかなどを把握するためにも双方向性が重要」

 ・「最小限の時間とコストで、必要な支援が必ず必要とする人に届くことが大切」

 ・「一人ひとりの人間が中心となる社会をつくっていく」

  著者の改革は、何か温もりを感じる。一人ひとりを尊重し、各々の能力を引き出す。片面だけでなく、両面を見て物事を進めていく力強さがある。著者は、安全保障、外交、防災、エネルギー政策、社会保障、教育、デジタル社会、そしてグローバルな視野を常に持っている。今までたくさんの経験をし、自分自身を知り尽くしブレない信念もある。以前、YouTubeの配信で、困った時のお隣さんといった言葉が印象的だった。日ごろから周りの人々と良い関係を築き、いざという時に協力してより良い社会を作ること、著者は実行すると思う。

 ポストコロナ時代は世界情勢が変化するだろう。どんな社会になっても、日本が大切にしている、民主主義、自由、基本的人権は、ずっとこの先も将来の子どもたちに受け継がれると同時に、これらの考えを守り抜いてほしい。日本にしかできない製造技術、世界に誇ることをどんどん発信して、もっと、もっと前に進んで、日本が世界の先頭に立つ日を望む。

 全てを読み終えて、凄く前向きに、明るい気持ちになった。まだまだ日本も捨てたもんじゃない!

 今、日本の置かれている現状、未来に向かって日本がどうあるべきか、ヒントがこの本に書かれていると思う。この著書が多くの人の手に渡り、これからの日本について考えるきっかけ、そして一歩を踏み出す勇気になることを切に願う。

 書きおわりに、まだまだ書きたいことがある、この続きを書く機会があることを願っていると書かれていた。次回の著書が今からすごく楽しみだ。

  最後に、いつの日か政治の世界から離れた時、これまでたくさんの重圧を背負い、誰かのために懸命に働いてきた分、著者自身やご家族と過ごす時間を大切にし、プライベートで今までやりたいと思い実現できなかったことへの挑戦等、とにかく有意義な毎日を送ってほしい。更なる著者の幸せを心から願いたい。

 

 




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