この記事は、「写真を撮りに、徳島へ」の後編である。 良い宿で夜を明かした。今日は鳴門公園へ行ってみよう。時間がある。 その前に、まだ見れていない、日中の徳島の町を少し歩いてみよう。 川沿いの空間はかなり良い感じだった。昨晩歩いたときには、8月に開催を控えた阿波踊りの練習をしているグループがいくつかあった。和風な音楽が流れたりしていて、祭りでもやっているのかと思ったものだ。 朝のまだ人がいない商店街。写真が撮りやすいという点においては良い。また今度は、賑わっているであろ
梅雨の途中に、急に、清々しいほどの晴れ景色が訪れた。 私は徳島へ渡ることにした。 南海電車で一本。終点の和歌山港駅にやって来た。いつも大半の人間はひとつ前の和歌山市駅で降り、船旅客だけが、この駅へやってくる。 和歌山港から徳島への船旅。港を出ると、真っ白だった空は次第に青く澄み渡った。 乗船してすぐ、私はどうしようかと悩む。しばらくデッキで海を眺めるのか、じゅうたん席で、ひたすらのんびり揺れを楽しむのか。 徳島まではフェリーで2時間ほどだ。 しばらくすると淡路島ら
📸 Minolta α-Sweet II L + AF 28-80mm F3.5-5.6 D 🎞 Kodak Gold 200 和歌山に引っ越してきて、それから3か月ほどずっと行こうと思っていた徳島。和歌山と徳島とは、フェリーで近いのだ。 ついに予定が合ったから、ついに旅行を決行することとした。 私にはカメラ歴が長い祖父がいて、部屋にお邪魔して少し棚を開ければ、MamiyaとかMinoltaのカメラなどが沢山出てくるのだ。 そんな祖父から少し前に、Minoltaのフィル
雨の降る、日本海有数の港町を、大きな橋をめがけて歩いてみたり。 📸 FUJIFILM X-T5 + XF35mm f1.4, TAMRON 17-70 f2.8 列車の中から鬼太郎一色。この町は、境港市。水木しげる先生の出身地だ。 米子から境港駅へ向かう路線の名前は「境線」。港という文字は入らないのがトラップだ。 駅から800mに渡って、水木しげるロードというのが伸びている。妖怪の銅像があったり、ゲゲゲの鬼太郎に関連したお店が並んでいたりする。 銅像は177体もい
📸 FUJIFILM X-T5 + XF35mm f1.4 魚のにおいがする。 まだ午前中だから、人は少ない。 暗いアーケードを一人歩く。 なんて味のある景色があるんだ。今時はレトロブームだといって、"作られたレトロ” も多いが、この景色のような長い年月によってつくられた "味" は、そう簡単に作れたものではないだろう。 ここへは、和歌山市駅から歩いて15分ほど、和歌山駅からはバスで7分ほど。 つるされたバケツがかわいい 次はよい時間に行き、空いているお店に少しぐ
📸 FUJIFILM X-T5 + XF35mm f1.4 良く晴れた日には海のある町へ行こう。ここは海南市の冷水浦。しみずうらと読む。和歌山には漁村集落が多く私はこれらを巡るのがとても好き。それもあって、今年から和歌山県に住むことにしたんだ。 桜も散りすでに初夏な空気が漂う。冷水浦は桜がきれいな駅だが、見ごろが過ぎてもなお良い駅である。 初めて冷水浦に来たのは3年前であった。鉄道を撮るために降りた駅であったが、少し歩いただけで、ここは良いところだとわかった。 この、
📸 Konica C35 E&L 桜の名所、山中渓。 カメラ屋で見つけたKonica C35というカメラを連れてきた。こいつは良いカメラだ。シャッターを押すだけでいい絵が撮れる。 跨線橋から見下ろすホームには、同じように桜を見に来たであろう春らしい恰好の人々がいる。 列車は毎度たくさんの花見客を運んでくる。 こんな春の陽気には、タケノコも売られる。 何も考えずにフィルムカメラを上に向けて、ただシャッターを押。 川に降りて、桜の花びらが水で浮き沈みするのを眺める
📸 LEICA MINI ひょんなことから、ライカのコンパクトフィルムカメラを借りられることになった。 LEICA MINIである。 このカメラはプラスチック製の、いわゆる「プラカメ」というやつで、基本的にこういうカメラは安っぽいということでそこまで好かれていない。 しかしLEICA MINIにはしっかりとライカのロゴがひっついており、なぜかこれがあるだけで急に所有欲をくすぐるようになるのである。ブランドの力というのは本当に不思議なものだ。 それでは写真をご覧いただこ
流れゆく車窓を楽しむ、後部車両スナップ。 JR神戸線の明石から三ノ宮の間は、様々な見どころのある神戸線最大のハイライト。そんな区間を走る、スーパー列車・新快速の後部車両より、スナップ写真をお届けする。 ※こちらの記事は、雪原てとらさんの記事より想起したものであります。 ぜひ、こちらの作品もご覧ください。 ~~ ~ XF35mmF1.4は、フジフイルムユーザーに「神」なんて持てはやされるレンズだ。そして私は今回、なんだか安くなっているのを見たため、いつの間にか買ってし
📸 FUJIFILM X-T5 + TAMRON 17-70 F2.8 博多より特急「ゆふいんの森」へ乗車し由布院を目指す。昔から乗りたかった列車であり、ついに念願かなった形である。 普通の特急というより観光列車。アテンダントさんが乗車しており、応対が申し訳なくなるくらい良い。 列車にはビュッフェがある。ソーセージを頼んでみた。 沿線の見所を案内されながら、列車は由布院の駅に近づいていた。列車での時間はどうしても短い。到着のアナウンスと共に、他の乗客も荷造りをし始めた
📸 FUJIFILM X-T5 + TAMRON 17-70 F2.8 モ161形は、冬の間にのみ大阪の路面電車・阪堺電車を走る、とっても古いチンチン電車だ。なぜ冬に鹿は知らないかと言うと、冷房がついていないからである。 2024年の1月、この車両が毎日走るということで、何度か大阪に撮りに行ってみた。 大阪市西成区の新今宮駅と天王寺駅から、あびこ道を通り、堺市の浜寺までを結ぶ阪堺電車。ファーストショットは、新今宮の味のある路地と一緒に撮影した。 西成を歩いているとその
📸 CASIO EXILIM EX-Z250 CCDセンサーを備えた15年前のコンデジで撮るのは、古い建物の残り、海も近くにある下関の駅周辺だ。 駅を出て目に入った、フグの絵がかわいい。下関はふぐが名物である。しかし高いから、思い切らないと下関でフグなど食べられない。私は貧乏旅行の常連である。 駅から数分歩くと、廃墟風な、寂れた街並みの広がる地区がある。 治安が悪そうだ。海外の本物に行ったことなどないが、「スラム」のイメージには近い。 下関は朝鮮半島に近い街であるか
📸 Fujifilm X-T5 + Tamron 17-70 f2.8 猫島と呼ばれる島は、日本にいくつかある。今回やってきたのは、福岡県の北に位置する「相島 (あいのしま)」である。博多より一時間半という、それなりにアクセスの良い離島だ。 筑前新宮駅…もとい、福工大前の駅からバスに揺られ、そのごフェリーで20分。朝の9時ごろ、島に到着した。島を出るとすぐに猫に会うことができる。この島の猫は特に人間馴れしていて、触らせてくれることはもちろん、運がよければ膝に乗ってきたりす
📸 FUJIFILM X-T5 + TAMRON 17-70 F2.8 尾道に着いたのは、朝8時頃であった。関西から尾道へ新幹線で行くとき、基本的に三原まで行って在来線で二駅折り返すという非常に面倒な行程となる。尾道には新幹線駅である新尾道駅があるが、そんなものをこの地への訪問に使う人間はどれほどの数か。すべては新尾道駅の立地に問題がある。もったいないなと思いながら、毎度三原から西方面への普通列車に揺られるのだ。 尾道と言えば写真好きにとっては非常にいい土地で、海もあり、
念願のカメラを手に入れた。その色味に魅せられFujifilmを選び、被写体検知AFや4000万という画素数に惹かれX-T5を選び取った。 購入後の初撮影には、友達のFujifilmユーザーと共に、紅葉を撮りに箕面公園へ向かった。 レンズはTamron 17-70 f2.8。 フォトコンに入賞してタムロンさんにもらったものだ。当時使っていたZマウントのレンズがタムロンになかったから選んだわけだが、このおかげでFujifilmの良さに気づけた。感謝だ。 X-T5を購入する前
APSフィルムとは、かつて35mmフィルムに成り代わるため登場し、その革新的な能力とカメラメーカーの全力の売り出しっぷりにより一瞬の輝きを見せるも、フィルムをもろとも破滅させる絶対王者デジタルカメラの普及により、その後一瞬で終焉を迎えた悲しきフィルム。 1996年の登場からわずか8年後の2002年には、開発を行い自信満々に発表していた「親」である、コダックやニコン、コニカミノルタに早々に見放され、その後少しずつ弱体化し、ついに2012年に富士フィルムに見放され、すべてのフィ