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●完全版:2/5(月)◆漁師さん応援歌・第3弾!ぼくは日本の漁師さんによる美味しいサカナを食べたい。補助金漬けの水産業界



難(むずか)しいことを易(やさ)しく、悲観を楽観に、そして
全世界の人たちの顔を「笑顔へ」と、つなぎたい……。

★★なお、本文のコピーや、転載、転送、抜粋などは著作権法
  に触れます。皆さんには関係がないと思いますが、山田が
  今後も皆さんのために活動したいため、ぜひその点、よろ
  しくお願いします。
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◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
ニッポン人の心と体を、「笑顔で」救う!

★完全版メルマガ「暮しの赤信号」★

2024年2月5日(月)号
No.4818

毎朝、早朝5時に、全世界に向けて2つの配信スタンドから、
合計約5200部を発行(日曜のみ休刊)

創刊日:2004/10/5

【注】まぐまぐ!から受信されると、上部に[PR]と記載した
広告が掲載されますが、当方とは無関係です。
◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆

『脱コンビニ食!』(平凡社新書)や『危険な食品』(宝島
社新書)などの著者で、食生態学者、そして日本危機管理
学会員でもある山田博士(ひろし)が配信。食べものだけ
でなく、人としての生きかたを考えます。なんともユーモ
ラスな文体が人気のようで……。



本日の「完全版」は、100%掲載です。

本日の「短縮版」は、後半の半分を省略しております。

(毎回、後半部分に大切なことを書いている場合が多いため、
もし全文をご希望のかたは、後述のnoteをご利用下さい)。

本日も1日、お元気で!



やあ、こんにちは。
山田博士(ひろし)です。
お元気でしたか!

今日もまたお逢いしましたね。
嬉しいです。

地球という星を平和にしたい。
そして子どもたちの頬(ほほ)に流れる涙をストップさせ
たい。

空をのんびり旅する雲たちを眺めながら、ぼくはいつもその
方法を考えています。

そのために、「食べもの」が人を180度変え、家族を変え、
文明を変え、歴史を変えてきた重い事実を、知ってほしい。



▼本日の目次▼

【1】

本日は、出来たてホヤホヤの「新作原稿」です。

後日、電子書籍「社会の裏側!」として公開するつもりです
が、いつになるかは未定です。ただ、毎回、読者限定で、こ
の欄で先行して提供しています(「短縮版」は、前半だけ)。

(隔週月曜日に、この欄で、本邦初の原稿を発表しています)

【2】

あなたやあなたの家族を命懸けで救う、山田博士作品集

まだご覧になっていないかたのために、先日の内容を、再度、
案内しています。

★「外食の裏側!」第1指南~第11指南

それでも外食が止められないあなたに贈る「メニュの食べか
た」。もちろん、自炊にこそ、大いに役立ちます!

(今回の見本文は、下記の部分です)

【第2指南】

~~濃い茶色ばかりがメニュに載っていれば席を立ちなさい。
心臓リスクを高めます。トランス型脂肪酸とは~~



【1】今回のタイトル

===========================

【漁師さん応援歌・第3弾!】

ぼくは日本の漁師さんによる美味しいサカナを食べたい。とこ
ろが、日本の水産業は「補助金」漬けです。なのに、漁師さん
たちは泣いている。この旧態依然の日本水産業の構造をトコト
ン壊さない限り、漁師さんたちに未来はありません!

~水産業の衰退は、温暖化のせいでも他国の密漁のせいでも
ない。漁獲規制もせずに、漁業者の「自主管理」に任せてきた
結果なんですね。2050年には、日本の漁獲量はゼロになると
いう試算もあります。ヘ~イ、サカナたち、カムバック!~

===========================

(隔週月曜日に、この欄で、本邦初の原稿を発表しています。
お楽しみに!)

【目次(概略でもあります)】

★第1章

ある専門家のかたも、自分の文章の中で、下記のように述べ
ておられました。「残念ながら我が国では、水産資源管理の
問題点とその対策を勇気をもって書ける人は、まだ片手ほど
しかいません」。それほど、水産業は闇の世界なんですね……

★第2章

いくら「補助金」を漁協に回しても、いっこうに、水産業は
改善されません。なぜなら、日本では、「漁獲規制」が、し
っかりとなされていない。これに尽きます……

★第3章

そして消費者たちも、口先だけじゃなく、なるべく「MSC
認証がつけられた水産物を買う」ようにするなど、水産業
を、環境の分野から応援することも必要でしょうね……







★第1章

ある専門家のかたも、自分の文章の中で、下記のように述べ
ておられました。「残念ながら我が国では、水産資源管理の
問題点とその対策を勇気をもって書ける人は、まだ片手ほど
しかいません」。それほど、水産業は闇の世界なんですね……



今回のような、漁師さんたちへの「応援歌」は、これで第3
弾です(笑)。

サカナ好きのぼくは、いよいよ現状が気になるため、今回も、
改めて述べることにしました。

もちろん、ぼくの好き嫌いの問題だけじゃなく、じつは水産
業の衰退は、「日本食の崩壊」へとつながっております。

そしてそれが、日本文化、いやいやこの優れた日本文明への
衰退に結びつくのじゃないか。

そういう危惧を、いまぼくは、抱いています。

すでに電子本「社会の裏側!」では、77巻と93巻で、こ
の問題を具体的に公開しておりますので、もし、この問題で
ご関心のあるかたは、ぜひ、そちらもご覧下さい(このメル
マガの下部に、「社会の裏側!」の案内頁を載せております)。

そこでは、誰も言わない内容を、サラリと述べています。

ところで、誰も言わない……と言えば、この水産業の闇(や
み)については、本当に誰も言いません。

★★★

ある専門家のかたも、自分の文章の中で、下記のように述べ
ておられました。

「残念ながら我が国では、水産資源管理の問題点とその対策
を勇気をもって書ける人は、まだ片手ほどしかいません」とね。

戦後、80年近く経った、21世紀の現在の日本でさえ、いま
だこのような状態なんですね。

事実を述べることができない。
さまざまな●●がかかる……と、述べておられました(●●
は、あとの「設問です」をご覧下さい)。

この水産業の闇とは、そのような現実なんですね。

これでは、多くのかたは、マスコミたちがふだん叫んでいる
ことだけを鵜呑(うの)みにせざるを得ないことでしょう。

曰(いわ)く。
地球規模の温暖化のため、日本の漁獲量が減少した。
曰く。
外国漁船の乱獲のため、日本の漁獲量が減少した。

★★★

う~むむむ、温暖化ねえ。

なるほど、確かに、そのあたりの問題はあると思います。
それは否定しません。

なら、現在、日本の漁獲量を追い越していったインドネシア、
インド、ベトナム、バングラディシュ、フィリピンの海は、
どうなのでしょうか。

確か、これらの国は日本より南だったはずですよね(笑)。

つまり、日本より海水温が低い海域ではないでしょう。

それなのに、なぜ、「日本だけが」地球温暖化の影響をモロ
に受けるわけです?(笑)。

政府の面々が、こうしたことを平気で述べております。

★★★

それと、外国漁船が日本の周囲で乱獲している事実も、も
ちろん、あります。

う~むむむ、それも否定はしません。

ところが、過去、世界一だった日本の漁獲量は、他国の沿岸
まで進出して魚介類を根こそぎ獲ってきた結果だったのです。

外国にとっては、大いに迷惑だった。

まだ、そのころは、現在のように、沿岸国に「200カイリの
EEZ(排他的経済水域)」を設定する権利がなかったわけで
すね。

そのため、他国の沿岸近くまで、大きな漁船で日本は進出し
ていたわけです。
だから、当時は、日本が世界一の漁獲量を誇っていたわけ
です。

そのため、いまになって、外国の漁船が日本の近くで操業し
ているからなんて、本当なら、言えないんですね(笑)。

もちろん、違法操業に対しては、ガンとして抗議はすべき
なことは、言うまでもありません(ただ、日本漁船の過去
の行動だけは知っておいてほしい)。

★★★

以前述べたのですが、瀬戸内海のある漁師さんのお話。

下記で、そのとき述べたことを、再度、少しだけご紹介し
ます(下記は、その文章のママ)。

先日のニュースなのですが、この瀬戸に浮かぶ豊島(と
よしま。広島県呉市)で、漁師をしている70代の男性の
孫の話が出ていました。

自分の跡を継いでくれるんだというんですね。

広島市に住んでいる高校を出たばかりの孫。

その彼が、漁師であるその祖父のカッコ良さに惹(ひ)かれ
て、自分も漁師になるんだと決めたというわけです。

そしていま、毎日、祖父といっしょに漁に出て、修行をして
いると言います。

★★★

これだけ聞けば、いやあ、いい話じゃありませんか……よか
った、よかったと言いたくなります。

若い人がいない漁村ですからね。

でも、その祖父の男性の心は、非常に複雑なんです。

もちろん、跡を継いでくれることは嬉しい。
いまは、若いかたがどんどん漁業から離れていますしね。

でも、手放しで喜べないわけです。

なぜか。

現在の日本の漁業の置かれた厳(きび)しい現実を、長年漁
をしてきた彼は、身をもって知っているからなんですね。

はたして、この孫が、今後、漁業だけで食って行けるのかど
うか。

★★★

会社勤めのように、定時になったら戻れるわけでもない。
給料も、毎月、きちんと出るわけでもない。
猛暑もある、厳冬(げんとう)もある、嵐もある。

労働は過酷。

そんな「職場」に、はたして孫は耐えられるのだろうか。

もちろん、収入が飛び抜けて多ければそれもいいが、その
「正反対」なんですね。

あとでも述べますが、日本で漁業に従事している人の数は、
ピーク時には100万人にも達していたと言われているの
ですが、現在は、なんと20万人を割っているほど。

★★★

日本の漁獲量は第二次世界大戦後、漁場を拡大することで
漁獲量を増加させてきました。

しかし1984年の1,160万トンをピークに、急激に減少して
いるんですね。

そして2018年には、なんと442万トンになり、1984年の
約3分の1まで減少したのです。

その衰退度には、本当に凄(すさ)まじいものがあるんです
ね。

でも、こうした漁業にしてしまったのは、ぼくたち「消費者
自身の責任でも」あるんです。

もちろん、政府や漁協などの怠慢、そして利権などに原因が
あることは実際、そうなんですが、でも、それにしても、
消費者側も大いに反省すべき点はあるわなあ……と、思って
います。

★★★

……とまあ、そのような文言(もんごん)が続いております。

政府たちの言うように、いまのように、日本の漁業が衰退し
た原因は、けっして、地球の温暖化のせいでもなく、外国漁
船の密漁などでもない。

もちろん、それらも、一つの原因かもしれませんが、日本の
水産業が、これほど急激に衰退した原因は、「みずから」に
あるんですね。

形だけの漁獲枠を設けて、はいそれで、漁業対策は終了しま
した……だなんて、まったく恥ずかしい。

まあ、こんなことは、子どもでも分かること(子どもさん、
ごめん)。

かつて、日本が世界一の漁獲量を誇っていたのなら、もっ
と補助金を出して、水産業を守ったらどうなの……という声
も上がるかもしれませんが、おっと、どっこい(笑)。

その補助金が問題なんです。

じつは、日本の水産業への補助金額は、世界一なんです(笑)。

★★★

いったい、税金を使ったこれらの巨額の補助金は、どこに回
っているのか。

誰の懐(ふところ)に入っているのか。

でも、こういうことは、内部から自省して改革などできるは
ずもありません。

だって、泥棒が泥棒の番人をしているようなものですからね。

下記で、水産業の「補助金漬け」について、改めて見てみた
いと思います。

きっと、驚かれますよ。

そして、そのあとに、じゃどうすれば、いまの日本の水産業
を、未来志向へと改革し、若者たちが喜んで参入できるよう
にできるのか。

そのあたりを考えてみたいと思っています。

さささ、もうしばらく、おつきあい下さい(笑)。



★第2章

いくら「補助金」を漁協に回しても、いっこうに、水産業は
改善されません。なぜなら、日本では、「漁獲規制」が、し
っかりとなされていない。これに尽きます……



よく言われるのですが、日本のような「先進国工業国」では、
農業や林業、漁業などの第一次産業などは、衰退するのが
当たり前じゃないの。

だからこそ、こうして日本は、クルマや電化製品を製造して、
いまのような繁栄があるんじゃないの。

……と、そう思っていらっしゃるかたが多いのではありませ
んか。

確かに、ぼくたちは、戦後の学校教育で、日本は資源が少な
いのだから、外国から資源を輸入して、工業製品を作って輸
出するしか、生きる道がないんだ。

そのため、農業や漁業、林業などに、あまりチカラを入れ
るべきじゃないんだ。

……と、教わりました。

そのため、ぼくたちは故郷の学校を卒業すると、工場や商店
で働くために、就職列車に揺られて大都会へ向かったもので
す(懐かしいなあ)

「あゝ、上野駅」(井沢八郎・唄)

そして、……どこかに故郷の香りを載せて、入る列車の懐か
しさ……を、ぼくは、いつも歌っていました。

★★★

でも、ぼくたちが大都会に吸い込まれたのとは反対に、農業
や漁業では人口が減少していたわけですね。

しかも、いま述べている水産業の話に絞りますと、水産業に
は、政府からたっぷりの「補助金」が出ていたのです。

それは、日本があまりにも工業だけに偏(かたよ)ると、い
ろいろな問題が出そうだという当時の政府の思いがあったの
でしょうね。

でも、その補助金の使い方などに対しては、あまり深く考え
られていなかったわけです。

漁協などが、その配分などに関わっているわけですが、い
まになって考えると、かなりの利権の巣窟(そうくつ)にな
っていたことでしょう。

沿岸で漁(りょう)をする利権を持つとか、若者たちが、い
かに漁師になって働きたいと思っても、その関係者でないと
簡単に漁師になれないとか。

まあ、トンデモナイ「利権」ができてしまい、それがいまに
なって、水産業の足を引っ張る形になっています。

こういうことを、確か、自業自得(じごうじとく)……と言
うのでしたね(笑)。

★★★

そして、過去から現在まで、そのようにして、国民たちが気
がつかない闇の中で、「補助金」という名前の大金がどう流
れたのか。

そして、この補助金の存在のためにこそ、いまの日本の水産
業が衰退気味になったのだということを、誰も言うことが
できなかった。

そのような過去が、いまの水産業にはあります。

いまでさえ、「水産マフィア」たちが、一般のサカナの流通
とは別のルートで、安く店に直接卸したりしていますからね。

誰も、ナントモ言えないような存在になっています。

そして、それらが、安い回転寿司の原料にもなっているわけ
です(全部とは言いませんが、この問題については、ぼくの
以前書いた、下記の原稿をご覧下さい)。

●完全版:12/28(月)◆「回転寿司」には、食べもの
偽装のすべてが、握り込められています。水産マフィアが操
作するのは…
note→ http://tinyurl.com/29mwbg3j

★★★

まあ、そのように、多くの国民には、農業や水産業に対して、
何らかの形で補助しなくてはならないんじゃないかという思
いがありますので、水産業にもこうした補助金がたくさん放
り込まれたのでしょう。

もちろん、その影響で、日本の漁師さんたちがみんな潤(う
るお)い、日本の水産業が、世界でも誇れるような形に成長
した……のならば、それはそれで良かった。

ところが……(笑)。

でも、事実は、まったくそうではなかった。
逆でした……。

たとえば、この漁業についてみますと、アメリカやノルウェ
ー、オーストラリアなどの先進国では、補助金がほとんど出
ていません。

驚かれたでしょう?

なのに、彼らの国では、漁業が発展している。

しかも、持続的に......。

なぜ?

★★★

翻(ひるがえ)って日本の漁業は、「補助金」漬けです。

なんと、OECD(経済協力開発機構。先進国主体)の中で
は、日本が出している漁業に対する「補助金」の額は、
世界一なんですね。

そう、世界一なんです。

第2位のアメリカや第3位のEU全体を、遠く引き離して
おります( マラソンではありません。喜ぶところではない。
笑 ) 。

これだけ「補助金」を捻出しているのに、どうして、日本の
漁業だけが、衰退の一途なんです?

え?

なぜなんですか?

★★★

ほかの先進国では、ほとんど「補助金」など出されていない
のに、漁業は成長し、若者たちが裕福に暮らしている。

何かが間違っていると思うのは、ぼくだけじゃないでしょう。

税金が本当に無駄に使われていることを、もっともっと多く
の人たちに知ってほしい。

そして、声を挙げるべきです。

ちょっと話が逸(そ)れましたが、なぜ、こうした「補助金」
だけでは解決しないのか。

それは、根本的な問題がおざなりにされているからなんです
ね。

つまり......。

★★★

これは、以前にも述べたことなのですが、いくら「補助金」
を漁協に回しても、いっこうに、水産業は改善されません。

なぜだと思います?

それは、日本では、「漁獲規制」が、しっかりとなされてい
ないから。

これに尽きます。

これこそが、いまの漁業の一番の問題でしょう。

ちょっと考えてみましょう。

野菜でもそうですが、種を蒔(ま)いてしばらくすれば、成
長し大きくなります。

そうですよね。

でも、芽が出てすぐに収穫すれば、どうですか。
収穫も少なく、次の種もできません。

これは、魚や貝たちも同じ。
生物資源というものは、みなそうなんですね。

★★★

それなのに、日本の漁業では漁獲規制をしていないため、
いわば魚の獲(と)りたい放題なんです。

いわば、早いもの勝ち。

だから、大きな網(あみ)で、しかもその目を小さくし、稚
魚(ちぎょ)まですべて獲ってしまっているわけですね。

規制がなくて早いもの勝ちなのですから......。

みんな、そうします。

でも、そんなことをしてすべての魚を獲り尽くせば、子ども
も生まれず、長い目で見てみんなが困ってしまうことは、火
を見るよりも明らかじゃありませんか。

漁業については、目の前でたくさん獲ることよりも、「あと
にしっかりと残す」......ことのほうが大事なんです。

そのほうが、漁師にとっても、長い目で見れば大きな収入に
なります。

★★★

魚や貝などの生物資源は、十分な親さえ残しておけば、半
永久的に利用できますからね。

ぼくの故郷の小浜(おばま)では、「焼き鯖(さば)」が人気
です。

この焼き鯖の匂いを嗅(か)ぎながら、ぼくは育ちました(笑)。

中学時代の友人が魚屋をやっているのですが、いまでも店頭
に、焼き鯖が数匹、いつも並べられています。

1本、800円ぐらいかなあ...... (いや、いまは1000円ぐらい
か。 笑 ) 。

脂(あぶら)が乗っていて、子どものころ食べた鯖は、本当
に旨かった。

でも、いまは、日本で売られている鯖の多くは、ノルウェー
から輸入されているんですね。

海に囲まれた日本が、魚を輸入している……。

驚きませんか。
恥ずかしいと思いませんか。
悔(くや)しいと思いませんか。

★★★

この鯖について、ある調査を見てみますと、1980年ごろ
からの乱獲のため、日本の周囲にいる鯖の大部分が獲り
尽くされたことが分かります。

これは、よく言われるように、中国や韓国の漁船が乱獲した
からというわけじゃないんですね(まあ、ほかのところでは
分かりませんが)。

この調査は、彼ら外国の船が入ることのできない日本の排他
的経済水域( EEZ )で鯖の産卵場も回遊ルートも完結してい
ますので、それを見ますと、こうした乱獲が、日本漁船に
よってなされたことが、よく分かります。

その結果が、いまの日本の漁業の衰退なんですね。

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