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情景と義憤と嫉妬とルサンチマンとシャーデンフロイデ

憧憬 
その感情: 私たちは自分が持ってない才能や容姿などを持つ誰かに憧れを抱き、自分をそれを手にする努力をする。
嫉妬との違い: 他人が持っているものを自分が持っていないという状況に苦しみ、他人がそれを失うことを切望する。


義憤
その感情: どこか道徳的に正当化できる。その人物に相応しくない成功や幸運があれば誰でも義憤の対象となる。
嫉妬との違い: 嫉妬の宛先は自分との比較に限られる。しかもその人物に相応しいものであったとしても、嫉妬者はそれに我慢できない。


ジェラシー
その感情: 嫉妬との区別は難しく、両者は入り混じっているが、ジェラシーは「喪失」にかかわる。つまり、ライバルが自分のものを奪おうとしていると考える。

嫉妬との違い: 嫉妬は「欠如」にかかわる。つまり、自分がほしいものをライバルが持っていると考える。


ルサンチマン
その感情: 
どうしても手に入れることのできないものがあるとき、その価値を否定することで満たされない要求を慰撫する心性の働き。政治的その他において形式的に平等な権利が認められながら、実際にはきわめて不平等なわたしたちのような社会で生じやすい。

嫉妬との違い: 嫉妬感情はルサンチマンを引き起こす一つの燃料であり、高貴な価値を否定するルサンチマンとは区別可能。



シャーデンフロイデ
その感情: 他人の不幸は蜜の味。他人の不幸から喜びを引き出している点で大いに恥じるべき感情

嫉妬との違い:シャーデンフロイデは嫉妬感情と密接に絡みあっている。
つまり、妬みの対象が不幸のどん底にあるのを目の当たりにすると嫉妬はシャーデンフロイデに転生する。


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