5月

私が応援しているセンラさんは一年中ライブをしている。それに伴いセンラーである私も一年中追っかけに勤しんでいる。

1月には2023年のワンマンツアー「GOSSIP」のオンラインライブを開催し、私たちファンへの感謝と共に未来への希望を添えたメッセージを届けてくれた。

2月中旬から3月にかけて、浦島坂田船として初の試みである「USSS SOLO FESTIVAL 2024 -ソロフェス-」に出演した。東京ガーデンシアター公演1日目は「センラを1から味わえるセトリ」を披露した。ワンマンではお馴染みの曲や浦島坂田船のアルバムに収録されているソロ曲を中心に組まれたセトリはきっとセンラー以外も楽しめるものだったはずだ。まさかこんなに早くまた東京ガーデンシアターでスキスキmake smileをする日が来るとは思わなかった。

2日目は「センラーへのバズーカ(ホシアイ)を含んだセトリ」を用意してきた。ホシアイは2016年に発売された同人アルバム「non defective」に収録された曲で今までライブで歌われたことは無かった。しかし歌枠でのリクエストには常に上がるほどセンラーからの人気は高く、いつかライブで聞きたいと多くのファンが夢見ていたはずだ。センラさんはこの曲を歌う前に「この曲はライブでは歌ったことは無い、アルバムには入っているんですけど。」という爆弾を落としてきた。この瞬間の私の頭の回転は人生で1番早かったはずだ。ノンディフェの曲だ、誰かのヒーロー？シニカルブルーは眠らない？まさか…ホシアイ？そのまさかだった。「会いに行くよ今 星をたどって」というワンフレーズをイントロ無しで歌い出したあの瞬間を私は一生忘れない。「誰も居ないシートにこぼれた」というラストフレーズを歌いきったあと会場がその歌唱力に圧倒され一瞬静まり、その後ザワついたあの時間を私は一生忘れない。

千秋楽は浦島坂田船が5周年記念ライブを開催した思い出の会場、武道館で開催された。センラさんはガーデンシアターからさらにセトリを変更し、5周年の時に発売された浦島坂田船のアルバム「Venus」に収録された楽曲である「Make a pass」をラストに持ってきた。センラーにとってMake a passはここ数年でどんどん特別なものになっていると感じている。それはセンラさんにとっても同じだと願いたい。だからこそワンマンライブのラストに持ってきたり、ツアーファイナルで追加曲として披露したりしているはずだから。

そこから休むことなく浦島坂田船恒例の春ツアーを開催し全国各地を回り地方のファンにも沢山会いに来てくれた。キャパが大きめな会場が多い夏ツアーに比べてホール公演がほとんどな春ツアーは4人の表情の変化がよく見えてついついこちらまで笑顔になってしまう。センラさんはどこかの公演で「あなた(お客さん)の表情が僕たちのボルテージをあげてくれる。そういう好循環が起きてる。」と言ってくれた。私たちの表情や言葉が力になっている、と応援している側に言われるのはファン冥利に尽きる。またライブだけでなく、ツアー期間ならではのドライヤータイム、スキンケアタイム、ストレッチタイム垂れ流しのiPhoneからの配信がいつもよりセンラさんを近くに感じることが出来てとても好きだ。(センラさんはここ数年普段の配信はパソコンからとる事がほとんどだ)春ツアー2019「斬」ぶりに春ツアーで大きな会場でのファイナルを開催し大団円を収めた四春祭を終え、私は久しぶりにライブの予定がない週末を過ごした。

ツアーを終える毎に実感する。浦島坂田船に、センラさんに会える日々は当たり前じゃないのだと。

夜行バスで配信を聴きながらウトウトしたり、到着した駅構内でキレートレモンを飲んだり、いつもより窮屈な場所でメイクとヘアセットをしたり、ご当地グルメを味わったり、物販に並んで予定よりも多くグッズを買ってしまったり、会場内に入って思ったより近いねって連番とはしゃいだり、センラさんって生きてるんだって実感したり、また絶対会おうねって約束したり、お酒を買ってホテルで連番と泣きながら語ったり、配信の通知で起きてたまにコメントしたり、眠い目をこすりながら配信終わりのツイートを待ったり、名残惜しい気持ちを抱えながら帰路についたり。

そんな永遠に続くような錯覚に陥るキラキラした時間が当たり前じゃないんだと終わってから気付く。

春ツアーファイナルが終わりゴールデンウィークに突入した時、私はとても気持ちが沈んでしまった。しばらくセンラさんには会えないんだ、ゲスト出演するライブがあるとしてもセンラさんが作る側に立ったライブを味わうことはここから約3ヶ月は無いんだ、と思うとどうしても寂しい気持ちを誤魔化すことは出来ず、しばらくは浦島坂田船の曲やセンラさんの曲を聞くとつい泣いてしまうことも少なく無かった。毎年5月は私にとって思い出が少なく、早く終わってほしい1ヶ月でしか無かった。

でも、最近はそんな5月も悪くないなと思えるようになった。

5月12日の昼過ぎ、Instagramから「@senra_snrさんがストーリーを追加しました。」という通知が来た。もはや脊髄反射の速さで開くとこんな文字が書かれていた。

お馴染みの黒背景に白文字のストーリー

このストーリーについてセンラさんが詳細を語ることはなかったため私は好きに想像してしまった。一体何を考えているんだろう。そういえばワンマンライブのMCで春頃からもう色々考えてたって言ってたな、VERITEの時は5月頃から長時間の歌枠を行うことで二部制に備えてたな、じゃあもう今年のワンマンライブの構想を練っていてもおかしくないのでは？そんなふうに一人で勝手に盛り上がってしまっただけではあるがこれからがすごく楽しみになったのだ。ライブが無い期間でもセンラさんはきっと色んなことを考えて動き続けてるはずだ。そんな信頼を持つことができたのはこれまでセンラさんが形で、言葉で私たちに見せてきてくれた積み重ねがあるからだ。

センラさんの表情や仕草を見ることはしばらく無い。寂しくないかと言われれば否定はできないが、この期間があるからこそ7月からまた素敵な思い出が積み重ねられ、絶景を一緒に見ることができるんだと期待できる。そう思うと5月も大事なものに思えてくる、のはさすがに単純すぎるだろうか。

次に会える時に向けて、私も日々を懸命に消費し、動き、考え、磨き、向上しようと改めて思えた。夏ツアーが始まるまで残り2ヶ月、もしかしたら意外と時間は短いのかもしれない。