【シレン6】なぜ神髄の深層は単調なのか?
はじめに
神髄は序中盤はどれだけ集中しても稼いでも厳しいのに、深層を潜っていると眠りこけていてもクリアできてしまうほど簡単になってしまうことが多々ある。
神髄は装備を鍛えなければ無理ゲーであり、装備を鍛えれば途端にあり得ないほどヌルゲーになってしまうのだ。
モンスターテーブルが単調だという事はよく指摘されるが、実のところ本質は違う。本当はシレンシリーズのダメージ計算式がずーっと問題を抱えていて、それが顕在化してしまったのが今作なのだ。
そこで、今までのもっと不思議ではなぜそれが顕在化しなかったか?そして今作ではなぜ顕在化したのかを語っていきたい。
ただ誤解しないでほしいのは、私は神髄がダメだと言っているわけではないという事である。というのもシレンシリーズのもっと不思議は大体全部が駄目な点を抱えている。抱えた上でそれを上回るぐらい面白いのだ。神髄の問題点がある=完成度が低い、というわけではないことに注意していただきたい。
○装備を鍛えないとクリアできない?
これはtwitterおよびdiscord上で見かけた神髄クリア時の各データをまとめたものである。
驚くべきことに、武器の強さの平均が39、盾の強さの平均は46である。
神器があるとはいえ、伸びても15ぐらいなので、+25ぐらいずつ剣盾の修正値を集めている計算になる。
さらに詳細な分布をみるとこうなる。
特に盾が重要で、剣の強さはレベルやちからでも補えるが、ダメージを軽減できるのは盾の強さ以外ないので、盾の方がより高い傾向にある。なんと、クリア者の86%が盾の強さ30以上であり、半数近くは盾の強さ50以上である。
このデータから神髄は剣盾が弱いとクリアはほぼ不可能と言っていいだろう。
過去作はどうか、という事で「原始に続く穴(シレン5のもっと不思議)」と比較してみた。明らかに剣盾の強さに差があることがわかる。ちなみにシレン6には神器の基礎値プラスがあるが、シレン5にも装備成長による基礎値増加があるので、最低値はだいたい15ぐらいで同じぐらいである。
一番最初に神髄の攻略方法と装備の重要性を書いたのは私なので、ある意味私が広めたようなものだがそれにしてもあからさますぎる分布だ。
○なぜ装備がこんなに重要なのか
これは最初に言ったようにシレンシリーズのダメージ計算式に理由がある。
シレンシリーズのダメージ計算式はかなり単純で、凄く単純化してしまえば
で成り立っている。
この計算式はかなり問題があり、はっきり言ってしまえばあらゆる事態に想定すべき不思議のダンジョンシリーズには不向きである。
防御力が低いときはかなり厳しいが、想定外に防御力が高くなりすぎるといきなりヌルゲーになってしまうのだ。(まさに神髄がそれである)
例えば、敵の攻撃力を60としよう。
自分の防御力が0→10へ上がったとする。受けるダメージは60→50で主観的には厳しいままだ。HPが100なら2回喰らえばどちらでもアウトだ。
しかし、これがさらに防御力が上がり、50→60になったとする。受けるダメージは10→1になり、なんと10分の1になる。HPが100なら10回まで耐えられたのが100回耐えられるようになる。
防御力+1の影響力が敵の攻撃力に近づけば近づくほど大きくなってしまうのである。
RPGなど、ある程度ステータスが想定できるゲームではこれでいいが、不思議のダンジョンのように広い値をとる場合は対応が困難である。
ではなぜシレン5では大丈夫だったかというと、敵の攻撃力が滅茶苦茶高かった&盾の強さがダメージに与える影響が低かったため、基本的に盾の強さをあげても意味が薄い状態だったのである。しかし今作は敵の攻撃力が低く、盾の強さがダメージに与える影響が大きくなったため、装備を強くしていると一気に受けるダメージが減るという事態になってしまっている。
またダメージ軽減率の低下もある。
原始は敵のダメージが高くて盾の強さではほとんど減らせないのを-60%軽減の昼の盾でバランスをとっていたが、今作の軽減印は条件はかなり厳しい割に軽減率はほとんどが-30%である。盾が弱い状態だと軽減印は有効だが、盾が強ければ10ダメージを7ダメージにするためにいちいち100Gずつ取られてしまい入れるとかえって損してしまう事態にもなりかねない。
装備を鍛えるのは、強化の壺、武器・盾祭り、祠、クロンの試練、床落ち装備で運よく+3を引きまくるなどがあるが、どれもかなり運に左右される。現実的に狙えるのは強化の壺と床落ちだが、床落ちの場合は+0~+3とドロップ内でも差がありすぎるのでダメなときはどうやってもダメという事態になりかねない。
○敵の攻撃力の伸びが低い
ここで私が作った、各フロアに出現する敵の攻撃力の平均(実線)と最大値(点線)のグラフをおみせしよう。
・シレン5のもっと不思議「原始に続く穴」
原始は比較的順調に伸び続けて99Fあたりでは平均攻撃力は100になる。
だいたいだが、階層=平均攻撃力となっている。
一方神髄は、40Fとかなり早い段階で平均攻撃力が60近くまで達する。
しかし、40F以降は敵の攻撃力がほとんど増えず、99Fにいっても平均攻撃力は60のままである。
ちなみに攻撃力は伸びないが倍速2回行動などでやってくるので装備が弱いと深層にいくほどしんどくはなる。単に攻撃力としてみると伸びないのだ。
…まぁこれを見るとやはりモンスターテーブルの問題ともいえるかもしれない。
○相対的に弱くなった固定ダメージ
シレンには防御貫通のような要素はないが、防御力に対するメタ要素となっているのが固定ダメージである。
いくら盾が強くても一定のダメージを与えてくる固定ダメージは脅威だ。
しかし、これも回復力が大幅に増加したため脅威が減っている。
30ダメージを食らったときに、原始では回復するのに60Tかかるが、神髄ではわずか10Tの足踏みで回復できてしまう。
固定ダメージの量はシレン5と変わっていないので相対的に弱体化しているのだ。
○特殊能力GGへの豊富な対策
さらに冒険を終わらせる要素として忘れてはならないのが凶悪な特殊能力だ。
原始は凶悪なモンスターが跋扈し、根絶やし候補は、ドラゴン、ラビ、ガラ魔道、戦車、豚、河童、ゲンナマゲイズ、眠り大根など豊富にいた。
神髄ではゲンナマや眠り大根・デブーゴンは出現しないため、冒険を終わらせる気迫があるモンスターは戦車、シハン、ガイコツまてん、アーク、(カッパ)ぐらいである。
さらに白紙が豊富に落ちる。催眠無効や弾きよけの腕輪の頻度も上がったので、深層までいって特殊能力で負けることがほぼない。
復活草が豊富なことやドスコイによる罠無効も安定性を挙げる一因となっている。
○なぜ弱い装備だとクリアできないのか?
しかし、強い装備なら異常に楽になるのはともかく、なぜ弱い装備でのクリア報告がこんなに少ないのだろうか?
その理由はおそらく、倍速モンスターの多さにある。
特に深層では、66Fからミラクルチキンが出現。
80Fからは倍速壁抜けでどこからでも集まってくる冥王が20フロアにわたって続く。さらにバイオロイドとふくりゅうまでついてくる。
後半1/3はずっと倍速モンスターが常駐しているのだ。やはりモンスターテーブルがry
こいつら倍速移動モンスターのせいで逃げゲーや矢無双ができないのである。
特に倍速2回攻撃の多さが盾の重要性を大きく増加させている。
単発100ダメージなら防御力が30→40になってもダメージは70→60とすこししか減らないが、50ダメージ2回攻撃なら防御力が30→40になればダメージは40→20と盾の強さに応じて大きく軽減できるのだ。
さらに敵の追跡は15マス続くので歩いて逃げるのはほぼ不可能。
(→モンスターの挙動についてはこちらのfeketerigoさんの検証を参照ください。https://note.com/feketerigo6/n/n03d7c64b7385)
一方通行マップはなくなったが、マップ自体がかなり広くなったのでどうしても戦闘の機会が多くなる。
またこれは原始も一緒であるが、深層になるほど敵の開幕湧きが多くなり、開幕モンスターハウスかってぐらいの敵に囲まれるので、戦闘がきついと地獄を見る。
全般的に逃げゲーを無理にしてくる要素がてんこもりなのだ。
まとめ
神髄の深層の単調さは
・計算式があまりに単純すぎて盾を強くしたら無双できてしまうこと
・逃げゲーを封じすぎて逃げゲーがかなり厳しくなったこと
などの要素により
「装備が強くないと深層にたどり着けないが、装備を強くすると深層がヌルゲーになり過ぎてしまう」
という要素によるものと思われる。
今後、研究が進み、弱い装備でも深層に安定して潜る手段が確立すれば話は変わってくるかもしれない。正直、運に頼るか粘りまくって装備の修正値を集めまくることしか勝ち筋がない現状はちょっと残念ではある。
壁抜けはあるが確率が低い…。高跳び、矢稼ぎ、ハリセン+連続印などの要素に加えてチキン、冥王根絶やせば可能性はありそうだが他にも倍速モンスター(カラクとふくりゅう)もいるため筋がいいとは言いにくい。そもそもわざわざ弱い装備で深層に挑まないので試せていない。
ただ最初も言ったが、シレンシリーズのもっと不思議はなんかしら問題を抱えた上で面白いので、だからといってシレン6や神髄がダメだと言っているわけではないという事はご理解いただきたきたい。
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