テストマトリクスを使う時の注意点

テストマトリクス(どのマトリクスでもいいのですが、ここではわかりやすいように機能xテストタイプ(テスト観点)とします)は、私は個人的に使わないんですよね。
ソフトウェアテストをやり始めた頃はマトリクスで作ると変な安心感があって使っていたのですが、やればやるほど使いづらくなってきました。なのでVSTepでいうNGTなどを好んで使うようになってきました。

使いづらいと思うのは以下の点です。
・交差する箇所を”並列で”1つずつ考えていくことになりしんどい
・あらかじめ決められたこと以外の発想が出にくい
・テストタイプによっては機能を跨ぐ必要が出てきたりして、その場合にマトリクスで表現しづらい

でもマトリクスで表現すると俯瞰しやすいメリットもあったりします。特に他者に説明したり製品やテストをあまり理解していない方へ説明する場合には好まれる傾向があるように思います。

で、マトリクスを使った方がいい場合には(使わなければいけない場合には)、私は縦軸と横軸をそれぞれの視点で独立して考えていく、という方法をとります。例えば、機能xテストタイプであれば、機能からみて必要なテストを考えていき、テストタイプからみて必要なテストを考えていきます。そうして最終的にマトリクスに整理して記入します。一見、マトリクスを作成していくのと同じように思えますが、実際にはマトリクスを”埋める”という行為とは意識が全然変わってきます。それぞれ独立で考えることで、”並列で考える”ということが無くなりますし、あらかじめ決められた箱以外の発想も出やすくなります。

結局、思考としてはツリーで考えることと近い形にはなるのですが、マトリクスを使うとツリーで考えきれなかったことが、マトリクスのあらかじめ決められた箱によって漏れに気づくこともあるのでマトリクスの効果としてはあります。要は、マトリクスを使うときには
・全部を並列で考えない
・用意された要素以外の発想も考える
ことに注意すれば全く問題ないということになります。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?