メグさん(松元恵さん)が語る(3)あたしの野性〜レールに乗らない人生
Be-Nature Schoolの2017年のテーマは「野生」なんだって? あたしも野性的? 確かに、言われてみると、本能の赴くままに生きてきたかもね。その最たるものが、入院してるときにやっぱり出たな!と思って。
実は2015年の暮れに倒れたのよ。プールから上がった途端、ものすごい頭痛がして病院に運ばれて、そのまま入院。病院ってベッドに寝かされたまま、いろいろチューブにつながれるじゃない? あれがすごくイヤだったみたいで、無意識だったんだけど、全部はずしちゃったらしいの。どうやら逃亡を図ったらしい。アハハ! お医者さんに「こんな人は初めてだ」って言われて、手も足もベッドにくくりつけられちゃった。でもなぜかまた、忍者の縄抜けの術みたいに、うまい具合にすり抜けて、ベッドの隅にうずくまってたりしたらしい。後からそれを聞いて、束縛されるのが心底嫌いなんだなって、われながら。アハハ!
チューブはずすとお医者さんに叱られるでしょ。「あたしって、なんでおとなしくしてられないんだろう?」って少し自己嫌悪に陥ってたんだけど、親戚の叔父にも同じようなことがあったって聞いて、「そうか、これは血筋だ! DNAだ!」って大いに納得したの。それで自己受容した。自分を責めるのはやめたのね。振り返ってみれば、はじめから何かに束縛される生き方をしてこなかったから。レールの上になんて一度も乗ったことなかったしね。
今はね、おかげさまでプールも入ってるよ~。はじめは水面に浮くだけね、ってところから、じっくりリハビリしたから。リハビリ中は潜るのはもちろん、クルマの運転もダメ、お酒もダメとか、いろいろ制約が多くて、もうタイヘン! あたしの「野性」が、つい頭をもたげそうになって…。でも、もうほぼ大丈夫! ご心配おかけしました!
(つづく)
*最終回となる第4回は、メグさんが近い将来、実現したいと思っている夢を語ります。お楽しみに!
(聞き書き・鈴木慈子、構成/編集・小島和子)