見出し画像

変わり続けるあなたの声

デビルズパレスが揺れている。

2024年7月5日、アプリ「悪魔執事と黒い猫」(通称:あくねこ)の運営からある発表があった。

6/17に一部差し替えを行いましたラト・バッカのボイスにつきまして、ユーザーの皆様の混乱を招いてしまい大変申し訳ございません。
皆様からお寄せ頂いたご意見を参考に、社内にて再度検討を行わせていただきました。
それに伴い、【7/9 15:00】に改めてラトのボイスの再調整を行わせていただきます。

2024/7/5「ラトのアプリ内ボイス再調整に関するお知らせ」より抜粋

ボイス差し替えの告知。実はこのキャラクター、同一声優が担当し続けているにも関わらずボイスの大量差し替えが発生という事態が起きていた。
しかし差し替え後も違和感を訴える声が止まず、再調整が行われることになったようだ。
今回はこの件の話。



悪魔執事と黒い猫とは

「悪魔執事と黒い猫」は、2021年12月にリリースされた生活サポート系アプリだ。悪魔と契約を交わした執事・悪魔執事達が日々頑張っている主様(=ユーザー)を時に励まし、時に癒やし、時には一緒にトレーニングもしてくれる。
最近は展示会を開催したり舞台化されたりと、活躍の場をスマホの外へ広げつつある。

私は1年目から遊んでいるものの、パレスへ帰る頻度はかなり少ない。かなりライトユーザー寄りの立場だろう。それを前提に、この記事を読んでもらえると嬉しい。

初めて彼らに会った日
現在の執事Lv.

ラトの性格

万一ネタバレしてしまうと嫌なのでスクショで。

悪魔執事と黒い猫 公式サイトより

経緯説明

今回の事態が起きた理由について、運営は以下のように説明している。

ラトのボイスは収録時期により、次の3つに分かれています。
①サービスリリース時のボイス
②1周年周辺以降のボイス
③2024年6月17日実施の差し替えボイス
②のころから監修ミスがあり、①と②ではラトの印象に差があることがわかりました。
また、②に関しましては複数回の収録タイミングがあり、そのいずれもで監修に不備があったと判断しています。
運営としてはこの事態を重く受け止め、監修手順の見直しを行い、また声優様のご理解を得たうえで再収録を決定いたしました。
③のボイスは、①のボイスと印象に差がないように慎重に収録いたしましたが、②のボイスに慣れ親しんだ皆様に取っては、②と③で印象に差がありすぎる結果となってしまいました。

2024/7/5「ラトのアプリ内ボイス再調整に関するお知らせ」より抜粋

収録時期によって3種類の声が生まれ、ユーザーに混乱と違和感を生じさせることになってしまったようだ。各ボイスへの個人的な印象は以下のようになる。

①サービスリリース時のボイス

公式のサンプルボイスやPVで聴ける。

原点にして頂点。私にとってラトの声といえばこの声。甘さと妖しさが絶妙に混じっていてミステリアス。どこか浮き世離れした雰囲気の声だ。

②1周年周辺以降のボイス

混乱が生じ始めるのは恐らくここから。実は私、1周年あたりのボイスには違和感を持たなかった側のプレイヤーなのだ。というか1周年の声は①寄りでは?とすら思っている。例えばこのポストは1周年イベの次に開催された正月イベの告知で、ラトが出てくるのは52秒頃。まだそこまで違和感はないと思うのだが、皆さんはどうだろうか。

そんな私が大きな違和感を抱いたのは、2023年冬のボイコレが最初。
低くねっとりとした、狂気的な一面をかなり強調している声。あまりにも聞き慣れた声と違っていて、自分の耳を疑った。下記ポスト動画の54秒あたりから聴けるのがそれである。

③2024年6月17日実施の差し替えボイス

では、差し替えが行われたあとどう変わったのだろう。この動画の56秒あたりを聴いてほしい。

また別人になった
①とも②とも違う、高音で淡々としたどこか道化のような印象を感じさせる声へと変わったのだ。ボイス差し替えの範囲はホーム画面から課金コンテンツのメインストーリー・サブスク限定コンテンツまで及び、ユーザーは大混乱に陥った。私も差し替え後初めてパレスに帰った際、昔からあった相槌ボイスが差し替えられていてショックを受けている。

アプリ故の難しさ

この件をより複雑にしているのは、あくねこというゲームの中身だろう。
本作のホーム会話はランダム。それ故に、ホーム画面での会話に①や③が混在しユーザーに違和感を与えてしまっている。

また、あくねこを始めた時期によってユーザーが抱く声のイメージが変わるのも大きい。
例えば私にとってはラトの声といえば①なので、②後半のねっとりボイスや③を聴くと別人のように感じてしまう。
しかし、2周年を迎えた頃あくねこを始めたユーザーはどう思うだろうか。特に他の執事を主担当に置いていた場合、①の声を聴く機会は極端に減る。こういったユーザーは、②後半の声こそラトの声だと思っていても当然だと思う。

さいごに

今回の件について、運営はこのように語っている。

私達は「運営として見せていきたいラト」と「皆様がラトを大切に想ってくださる気持ち」の双方を大事にできればと思っております。
そのため、運営として見せたいラト像と大きなズレのないボイスは差し替え前の②のボイスに戻させていただきます。
この対応により、ユーザーの皆様が直前まで接してきたラトの印象に近づけられると考えております。

2024/7/5「ラトのアプリ内ボイス再調整に関するお知らせ」より抜粋

本件に関する責任はすべて弊社にございます。そのため、本件に関するご意見はすべて弊社へお寄せいただけますと幸いです。

2024/6/10「ラトのアプリ内ボイスに関するお知らせ」より抜粋

運営として見せたいラト像と大きなズレのないボイスを差し戻す。裏を返せば運営として見せたいラト像と大きなズレがあるボイスもあったというまさかのCO。もしかしてあの声やこの声は運営のイメージと違ったのかと疑心暗鬼になりそうだ。

運営が抱く声のイメージとユーザーそれぞれが抱く声のイメージはきっと違うだろう。すりあわせが非常に難しいのは、素人の私にもなんとなくわかる。
運営が言う「見せたいラト像」が、違和感の少ないものであることを祈るばかりだ。

7/9追記

再差し替えが終わった。

ホームボイスの多くは②前半に差し戻されている。例外もありそうで、スケジュール確認時の「直近の予定は特にないようです」は③のままに聞こえる。一方、ボイコレや差し替えられたカード台詞は③のままだった。ボイコレは②後半の声色だったため③の方が違和感は少ない。

多少声の変化は感じるものの、別人かと思うくらい違和感がある台詞はだいぶ減ったと思う。