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まちカドまぞくMAD『Machikado八七』制作の裏話

 こちらは、私が7月27日にニコニコ動画にアップロードしたMAD動画、『Machikado八七』についての記事になります。

 ちなみに、動画は以下からぜひご覧ください!

 今回このMAD作品を作るにあたって、どういう理由であのシーンを選んだのか、どういったことに気を付けて作っていたのかなどをお話ししたいと思います。

動画制作の経緯

 私も今年で30歳になったため、なにか新しいことにチャレンジしてみようと考えてました、その中で、シン・ウルトラマンとまちカドまぞく2期を視聴し、その出来に感動したため、2つの作品をリンクさせた動画を作ってみたいという気持ちになりました。
 実はこの作品の前に練習も兼ねて、『なんだその顔は!?』という短いMAD作品を作っています。時間があったら、そちらもご覧になってください。


動画全般で気を付けていたこと

  1. アニメ映像には極力手を加えないようにした

  2. 音ハメを意識した

 1についてですが、まちカドまぞくのMAD作品って、技巧派の方々が作ったハイクオリティな音MADが主流なんですが、そればかりなのはちょっと寂しいと思っていました(私があまり音ゲーに詳しくないというのもありますが)。純粋に歌と映像を楽しんでほしいという気持ちがあったので、曲を邪魔しないようにまちカドまぞくの音声は入れず、また映像への加工も最小限に抑えました。まちカドまぞくのMAD作品にこういった、歌を丸々1曲使った感動系のMADが少ないのはちょっと残念ですね。やはりメインがコメディ作品だからなのでしょうか。

 2については、上記の歌を1曲使っているタイプのMAD作品の中には、ただ映像を付けただけで切り替わりのタイミングなどを一切考慮していない作品を見かけるのですが、私はそういった作り方はしたくありませんでした。1で話していることと若干相反する部分がありますが、映像自体にあまり手を加えない代わりに、切り替えのタイミングを工夫してみようと考えました。一度完成させてからも、何度も動画を視聴し、タイミングが合っているかどうかを確認し、微調整を重ねていました。

シーン選びについて

 ここからは、動画本編のシーンチョイスに関する話をしていきたいと思います。

遥か空の星が ひどく輝いて見えたから

米津玄師『M八七』

 シャミ子から見て桃が『輝いて見える』ような映像に仕上げました。
 ちょうど1期の12話で、最初に桃に助けられた場面を回想しているシーンがキラキラしていたので、1話でのダンプから助けられる映像と一緒に使っています。

僕は震えながら

米津玄師『M八七』

 ここは若干コメディっぽい映像になっています。シャミ子が震えているシーンって、探してみると意外と少ないんですよね。
 歌の長さという制約もあったため、マッチする映像を探してくるのに苦労しました……。

その光を追いかけた

米津玄師『M八七』

 このシーンは動画制作の最初にできたシーンの1つです。歌詞から連想しやすいシーンでしたね。

割れた鏡の中 いつかの自分を見つめていた

米津玄師『M八七』

 まちカドまぞく1期6話で鏡を割る象徴的なシーンがあったため、絶対に使いたいと思っていました。
 続くシーンは本来つながってはいませんが、歌詞の内容に沿うように、シーンチェンジを駆使してつながっているように編集しています。
 このシーンも初期の段階から構想があったので、早い段階から完成していました。

強くなりたかった

米津玄師『M八七』

 1シーン目は最初別の映像(シャミ子が照明の引き紐に付けられた桃の人形に向かって丸めた紙を投げつけるシーン)を使ってました。
 ただ、引きの映像でシャミ子がよく見えなかったのと映像のタイミングが合わなかったので差し替えてます。
 結局どちらも似たようなシーンになってしまいましたが、見栄えからしても今の形でよかったかなと。

何もかもに憧れていた

米津玄師『M八七』

 割と憧れているのを映像だけで表現するのが難しかったです。
 ここでは3話での魔力を出す修行シーンを使おうかとも思いましたが、パッと見て憧れている感が出ていなかったので不採用。
 桃の家に驚くシーンは、シャミ子が憧れているかと微妙かもしれませんが、絵面がよかったので……。

君は風に吹かれて

米津玄師『M八七』

 曲と映像の長さを考慮し、OPではなく1期7話冒頭のシーンを使っています。ここだけ映像の入りが白フェードインになっているのがこだわりポイント。

 余談ですが、米津玄師さんの作品で『君』というのは多分同一の人物をさすのだと思うのですが、私のMAD作品では『君』が指し示す人物はシーンによってコロコロと入れ替わっております。

翻る帽子見上げ

米津玄師『M八七』

 シャミ子が帽子をかぶっているシーンがなかったため、せめて桃がシャミ子を見上げている構図を使おうと思いました。
 動画制作にあたりアニメ本編は何度も見返しましたが、桃がシャミ子を見上げているシーンはかなりレアです。なにしろあの身長差ですからね……

長く短い旅をゆく

米津玄師『M八七』

 川原でのジョギングシーンは桃にとっては旅というほどの長さではないと思いますが、シャミ子にとってはかなりの長旅に感じられたのでは。そういう意味でも歌詞の『長く短い』に合っているのではないかと思います。
 時間経過と長さがわかりやすいよう、昼の様子と夕方の様子を入れてます。

遠い日の面影

米津玄師『M八七』

 ここは動画の流れからすると桃のシーンになりそうですが、ここではシャミ子がヨシュアの写真を見るシーンにしています。
 ちょうど尺もいい感じに長く、編集が楽で助かりました。場面転換にフラッシュアウトを使ったのは、動画処理に白フェードアウトを使う頻度が高かったので、何か別なエフェクトを付けたいと思ったからです。

君が望むなら それは強く応えてくれるのだ

米津玄師『M八七』

 変身準備シーン3連からの変身シーンです。元々この動画を作ったきっかけは、『シャミ子の変身シーンって、ウルトラマンに似てない?』って思ったのがきっかけなので、ウルトラマンの変身シーンっぽく見えるように力を入れて編集してます。
 テンポ感を大切にしたかったので、音の変化の部分で映像を切り替えるように編集しています。2番目のシーンは1秒もない短いシーンですが、やはりこのシーンがあるのとないのとでは見栄えが違いますね。
 また、最後の決めポーズも歌とシンクロできるよう調整したので、かなりカッコいい映像に仕上がっているのではないかと思います。予告映像も力を入れて編集したので、一度確認してみてくださいね。

今は全てに恐れるな

米津玄師『M八七』

 このシーン、なぜか恐れているのは自分の友人ばかり……現場猫の顔をしながら「どうして」と言うシャミ子の顔が思い浮かぶようです。
 意図的にコメディ要素が入っています。まちカドまぞくはやはりシリアスなだけの作品ではありませんからね。
 ちなみに、3期が実現したらぜひこの映像の中に加えたい人がいらっしゃるんですよね。それは――うわなにをするやめ(ry

痛みを知る ただ一人であれ

米津玄師『M八七』

 このシーン、最初の段階では前の映像に続きコメディ寄りの映像(魔力にちっくんされる場面やわき腹が痛くなるシーン)だったのですが、この歌詞の部分は歌と作品をリンクさせるうえで重要な部分であったため、幼少期の病弱だったころの映像に差し替えました。

(間奏)

 この間奏部分はどんな映像を使うか、かな~り悩みました。twitterで思わずツイートしてしまったほどです。

 まず私はアニメ本編を何度も確認し、使えそうなシーンを撮影していきました。風景の映像を使うことも考えましたが、思ったよりもそのシーンが少なかったため断念。
 色々と考えた結果、まちカドまぞくといえば『これ勝シーン』なんじゃないか?と考え、これ勝シーンでメドレーすることにしました。
 使っているこれ勝シーンはシャミ子が言った場面だけで構成しています。これ勝シーンすべてを網羅することはできませんでしたが、どうかご容赦いただければと……
 また最後の2期6話のシーンですが、元動画の白フェードアウトが切り替わりまでに間に合わなかったため、自前でフラッシュアウトを追加しています。

いまに枯れる花が 最後に僕へと語りかけた
「姿見えなくとも 遥か先で見守っている」と

米津玄師『M八七』

 2期6話は、私がMAD動画を作るきっかけになった回です。歌を聞いてからというもの、このシーンがずっと頭の中にありました。
 桜さんがいなくなってから町の桜の木は枯れてしまったので、その意味でも『今に枯れる花』という歌詞とマッチしているのではないでしょうか?

そうだ

米津玄師『M八七』

 1秒にも満たないシーンなのですが、出来上がるまでに時間がかかりました。
 当初はキャラが実際にしゃべっているシーンを使おうと思っていたのですが、口の動きと歌とを合わせるのが難しいため断念。結局電球だけが映っている1期12話のシーンを使うことに。

君は打ちひしがれて 削れていく心根

米津玄師『M八七』

 このシーンは当初、どちらも1期6話のシーン(夢の中の小桃と具合の悪い桃)を使う予定だったんですが、歌と合わせようとしたときにどうしても長さが足りなくて……結局8話の川原で変身の修行をするシーンを使っています。

物語の始まりは
微かな寂しさ

米津玄師『M八七』

 桜さんとヨシュアさんにまつわるシーンを交互に使ってます。
 6巻まで映像化されていればぜひそちらを使いたかったのですが……3期以降も制作されることを願うばかりですね。

君の手が触れた それは引き合う孤独の力なら

米津玄師『M八七』

 手を取るシーンは台詞の関係で長かったので、歌に合わせてカットし白フェードアウトを追加しています。引き合う(物理)

誰がどうして奪えるものか

米津玄師『M八七』

 前の方で引き寄せあう映像を使ったので、逆に離れ離れになるようなシーンをを使っています。ちょうど二人とも手を伸ばしているシーンがあったため、対応しているかのように編集してみました。シャミ子の方はブラックアウトするシーンも使いたかったのですが、そうすると絵的に映えなかったので遠ざかるシーンにとどめています。

求めあえる 命果てるまで

米津玄師『M八七』

 『求め合える』のシーンは当初、『引き合う』の場面で使われていたシーンでした。しかし次の『命果てるまで』のシーンと対応させたいと思い、こちらに移しました。
 今気づいたのですが、『命果てるまで』のシーンに桃の映像を使ったので、2番目のサビの歌詞が若干桃にスポットライトが当たっている感じになっています。(あのシーンの完成度が高すぎるのが悪いよ……)。

(間奏)

 シャミ子と桃が引きの映像で向かい合っている(そして動きが少ない)シーンをチョイスしました。3つまでは見つけたのですが、4つ目はよいシーンが見つからなかったため、
 二人の写真のシーンを使いました。並べ方は意図したわけではなかったのですが、ちょうどシーンが転換するごとにシャミ子と桃が左右入れ替わるようになっているのが面白いポイントですね。

輝く星は言う 木の葉の向こうから

米津玄師『M八七』

 ここだけ若干唐突にシャミ先の映像を使うことになってしまいました。ただ歌詞の『木の葉の向こうから』という言葉はどう考えても今ここにいない人物が語りかけているように聞こえたので……(シャミ子も本編でごせんぞを幽霊カテゴリとして扱っていましたし)。
 あとシャミ子を蹴りながらたたき起こすシーンは、いい感じに映像を編集したら曲とのタイミングがバッチリだったのが面白かったです。

君はただ見つめる 未来を想いながら

米津玄師『M八七』

 ここではこのシーンを使うことは製作段階で既に決まってました。
 割と長いシーンですが、この街並みを写しているシーンが大事なので、動画の中では珍しく白ホワイトアウトなどの編集をしていません。

僕らは進む 何も知らずに彼方のほうへ

米津玄師『M八七』

 ここの映像は特に力を入れています。まちカドまぞくが皆の協力のもとに成り立っている世界であることを強調したかったため、2期のオープニング映像を使いました。
 『シン・ウルトラマン』も禍特隊の皆の協力のもとにウルトラマンが活躍できる、という話で『まちカドまぞく』とのつながりを感じたので、何としても入れたい映像でした。
 登場人物ラッシュのシーンは、当初はもっと凝った編集をする予定でしたが、そのままの映像を使っても割とかっこいい感じに仕上がったのでそのまま使うことに。
 リコくんと店長は当初一人ひとりのシーンを使っていましたが、最後のウガルルのシーンに時間を多めに割きたかったので、二人まとめてのシーンにしました。
 1つ心残りがあるとするならば、清子さんと良子ちゃんの映像を入れられなかったことでしょうか。

君が望むなら それは強く応えてくれるのだ

米津玄師『M八七』

 ここのシーンも当初は最初のサビと同じようなシーン構成にしようと思っていたのですが、短くて映えるシーンがなかったので、杖の変形シーンをつなげてます。
 サビ最初のシーンは特にウルトラマを彷彿とさせるようなシーンだったので、絶対に入れたいと思っていたシーンです。
 また1番目のサビでは1期の変身シーンを、最後のサビのシーンでは2期の杖シーンを使うというように統一しています。

今は全てに恐れるな

米津玄師『M八七』

 1番では身内の人物の映像だったので、ここでは人間以外のものをチョイスしています。
 ほとんど異形?の存在なのに、1つだけ純粋生物である犬の存在感がやばいですね……

痛みを知る ただ一人であれ

米津玄師『M八七』

 シャミ子が桃の過去の話を聞いて心を痛めているシーンと、2期6話の名場面を使いました。ここでの『痛みを知るただ一人』とは“桃の”痛みという解釈をしています。
 本当は6巻までの映像があればもっと使いたいシーンがあったのですが……それはこれから次第でしょうかね。

微かに笑え あの星のように

米津玄師『M八七』

 この桃がほほ笑んでいるシーン、当初は2シーンしかなかったのですが、前半のシーンが長さのわりに動きが無かったので、1期オープニングのワンシーンを前の方に追加しています。
 結果的にタイミングがバッチリだったので、追加してよかったですね。
 ちなみに、追加することを決意したのはなんと完成動画を作った後。実は動画完成を告知した後もシーン追加やタイミングの微修正などを行っていました。

痛みを知る ただ一人であれ

米津玄師『M八七』

 ここも1番の時と同じくシャミ子の入院のシーンですが、使っている映像はどちらも2期のものです。前半のシーンのホワイトアウトはそのまま利用しています。
 また、後半にはこの動画中1つしかない黒フェードアウト効果を追加。何というか、儚いというか、切ないというか、そんな感じの映像にしたかったので。
 この場面の映像は動きがなく、編集がしやすかったのでとても助かりました。

(後奏①)

 まちカドまぞくの風景シーン(人物なし)です。この歌はわりと歌が終わってから長いので、『静』にあたるシーンが必要かなと思いました。
 元々は昼の風景のシーンもあったんですが、動画撮影をしているうちに圧倒的に夕方のシーンが多いことに気が付き、「じゃあそれで統一しよう!」ってことでこうなりました。
 余談ですが、シーンの終わりを“橋と川→川→空”の順に、だんだん映るものを単純化していくことで終わりが近づいていることを暗に示しています。

(後奏②)

 アウトロの後半部分です。最後は作中でも重要な意味を持つ町の桜のシーンを集めました。大体時系列や時間経過に沿うように配置しています。
 途中で黒フェードアウトするシーンは入れるかどうか直前まで迷っていたのですが、入れた方が効果的だったので元動画のまま使っていたりします。
また、動画によって桜が映っているシーンが長かったり短かったりするので、配置や順番を何度か入れ替えたりしました。最後の3シーンがちょっと慌ただしく切り替わっているのは桜のシーンが短かったからです。
 最後の桜が満開のシーンにうまくつなげるように、直前の映像は動いているシーンを使うなどの工夫もしています。

制作を終えて

 ひとまず、“まちカドまぞく2期の無料視聴の期限である7月末日までに制作してアップロードする”という当初の目標を果たせたので本当に良かったです(ギリギリになっちゃいましたけど……)
 動画の内容に関してですが、なるべく歌詞の内容と沿うように作っているつもりでしたが、映像を重視して歌詞の表してる人物とずれが出てしまったりしていたことに、完成してから気づきました。
 限られたシーンを使わなければならないため仕方ないのですが、もう少し使う映像を工夫できたのかな、と反省しております。
 あと、製作途中に気づいたんですが、『痛みを知る、ただ一人であれ』という部分、あれ桃にも当てはまりませんか?
 特に原作6巻を読むとますますそう思えてきてしまって……でも、2期だと対応しているシーンが少なすぎるんですよねぇ。
 もし今後追加で制作されることがあったら、桃を主役にした作品づくりにリベンジしてみたいですね。

次回作について

 動画づくりが思いのほか楽しかったので、今後も制作していくつもりです。まちカドまぞくの動画がメインですが、それ以外の作品をテーマにした作品も作ってみたいです。
 次回作はいくつか案はあるんですが、次は割と編集とかも凝ったものにしたいなと思っているので、長い目で見ていただけたらと思います。
今回は他のほぼすべての趣味を削り、時には睡眠時間も削ったりして動画制作に打ち込んでいたので、次からは無理のない程度に時間をかけて作りたいですね(元々社会人の身なので……)
 また、twitterなどで盛り上げるために制作予告映像を流していましたが、そういった演出も可能な限り継続していきたいと思ってます。

おまけ

 この動画には、自分が編集で入れたフェードアウトと、元々の動画にあったフェードアウトの2種類が存在します。

 さて、どれが私が編集したフェードアウトで、どれが元の動画にあったフェードアウトかわかるでしょうか???

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