見出し画像

須田悦弘「補作と模作の模索」& ベルギーと日本

ギャラリー小柳と共同企画の須田悦弘展行ってきた。小柳はよく行くんだけどロンドンギャラリーは初訪問。

須田さんは、上の画像(何かうまいサイズでアップできなかったけど)のようなリアルすぎる草花を木で作っちゃう人です。今回の2展示では、このいつものリアルすぎる草花たちに加え「補作」というのが展示してある。

補作という言葉は今回初めて知ったけど、辞書的な定義では「一旦できあがったものに別の手を加え、よりよくすること」らしい。須田さんが、仏像や神像の失われた部分や古色を検証し創造した作品ということで、興味深い世界であった。

これが特にかっこよかったんだよねえ。

さて、どこが補作でしょう。

色や素材感や継ぎ目が不自然にならないように作られていて、パッと見全くわからないので、まずはどの部分が補作なのか予想しながら一通り見て回っり、後ほどギャラリーのお姉さんに解説をいただく。
木でできた像の一部や台座だけでなく、青銅やコンクリを模した補作が木製と聞いて「ひょえー」となったけど、まああれほど精巧な草花を木から作っちゃう人だし今更驚くことでもないですよね…と思い直す等。

このゴツゴツのかっこいい手が補作!



ギャラリーのお姉さんの距離感と説明の詳しさも良かったです。一般向けに分かりやすく話してくれてるのに脳内で漢字変換不能な専門ワードがちょいちょい混じるのが面白かったw

そのロンドンギャラリーから徒歩で35分(Google Map調べ)、早歩きをすると目黒区美術館につくんですけど、ちょっとロンドンギャラリー満喫しすぎたよね。
閉館30分前のギリギリinになってしまって、時間なさすぎてめちゃ駆け足の鑑賞に。(別日に出直すかちょっと悩んだけどせっかく来たしね…!)

まあ正直お目当てのマグリット1点(再開)さえ見れればそれでOK!と思ってサクサク見て行ったらマグリットもう1点(ジョルジェット)来てて、他の資料も色々出てて、そのコーナーだけで満足。

ベルギーなのでデルヴォーとかもあるかと思ったけど無かったな。マグリットは瀧口修造によって日本に紹介された的な文脈だったので、デルヴォーは日本とあまり絡みがなかったのかもしれない。

てか今回の展示、マグリット以外はほとんど知らん人で(斎藤豊作は好きだけどベルギーじゃないし)、ベルギーで学んだ日本人画家がいたことも知らなかったんですが、いたんですね。
太田喜二郎の「風景」は私の好きな印象派っぽさ(斎藤豊作っぽさ)あるし、児島虎次郎の徐々にフォービズム的になっていく筆致もすごかったな。
なのにせっかく持ち帰った印象派が日本の画壇に受け入れられず、帰国後キャリアに苦労したみたいな話を聞くと、やっぱ黒田清輝はあんまり好きじゃねえな~(笑)と思いました。

という感じで、30分しかなかった割にはギュッと楽しめたので良かったです。マグリット以外だと、クラウスの牛の絵(レイエ川の水飲み場)がめちゃよかった。

クラウスの牛の絵


帰ってHPからDLした作品リスト見ると、見てない作品がいっぱい載ってて一瞬あれ??ってなったんだけど、巡回展と共用なんだろうな。え、ロップスいっぱい載ってるけどほぼなかったじゃんw てなってる。ベルギーの人だったのか。この人の作品は結構好きなので目黒にはあんまり出てなくて残念。
マグリットも目黒にはなかった「博学の木」がどこかに出る模様。リストにあると見たくなっちゃいますね。


須田悦弘 補作と模作の模索@ロンドンギャラリー
2023年4月8日〜6月24日


ベルギーと日本@目黒区美術館
2023年4月29日~2023年6月18日


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?