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鬼になる
5年前の花祭で、集落の1年を左右する最も重要な舞を舞う「榊鬼」をつとめたTさんのお話です。
花祭の取材に来ていたNHKのディレクターさんが、練習直後Tさんにインタビューをしていました。
「鬼になれそうですか?」
もし私がこの質問をされたら普通に
「頑張ります!」とか「最善を尽くします!」とか当たり障りのないことを言う気がします。
でもTさんは
「なれるかじゃない、(鬼に)なる。」
って答えてたんです。
「俺ちょっとトイレ行ってくるわ〜」ぐらいの、特に何か意図したわけでもなく何気ない感じで…
当時中学生だった私は
「なんかおじさんかっこよ」って思っただけでしたが、今日?(厳密には昨日の夜)いろいろ話を聞いて、ふとTさんのことを思い出しました。
物心ついた時から花祭に携わっているからこそ、すっと「鬼になる」という言葉が出てきたわけで、Tさんの祭りに対するプライドと誇りが凝縮されているなと思います。
そして動機論よりは結果論っぽいなとも思いました。
鬼に「なりたい」ではなく「なる」って言い切れる勇気に惚れそうです。
ちなみにTさんの榊鬼は、優しい人柄が出つつも鬼の厳しさと一体化し、いつになくかっこいい榊鬼だったことを覚えています。
会場のボルテージはマックスに到達し、観光客さえも踊り狂っている雰囲気の中で、感動して静かに涙を流していたTさんの奥さんの表情も非常に印象的でした。
いろんな人の感情が交差する場面って素敵です。
明日4時30分起きなのですが、ただいま4時です。(え、どういうこと?)
Q. 明日4時30分に起きられそうですか?
A. 起きられるかじゃない、起きる。
(早く寝よう)
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