見出し画像

【危機管理関連】「危機管理」はシンプルに考えたい

私は会社員(PR会社)時代(後期)~個人事業主の現在まで約27~8年間、専門分野の仕事として「危機管理:Risk Management & Crisis Management」「危機管理広報:Crisis Communication」に取り組んできました。

私の危機管理(以下:危機管理広報を含む)の考え方は極めてシンプルです。

すでに投稿した「私のプロフィール①仕事編」にも少し書きましたが、
「危機管理」を何故行うかの目的は、
『危機を起こさないための準備と確認を行う、危機が発生してしまった場合はスピーディな初動対応を実行し被害の拡大を防ぐ』
これです。

さらに少し詳しく述べれば、
①危機が発生した際に迅速で適切な初動対応を行い、(企業等)の被る被害=ダメージを最小限に食い止める。
②危機(事件・事故・不祥事+自然災害、感染症など)の発生の確率を減らすため、また危機発生の際の迅速で適切な初動対応をとれるように、平常時から準備活動(マニュアルやトレーニングなど)を行う、さらに実際にオペレーションができるかの「確認」を行う。

さらに企業危機管理に限定すれば、「従業員の命を守る」、「企業の社会的責任」、「ビジネスの継続(Business Continuity Plan=BCP)」といった項目になるでしょう。

「危機管理」「危機管理広報」関連の書籍はたくさんありますが、要はこの原則がきちんとできていれば、枝葉のようなミスはそれほど深刻な被害にはなりません。

東日本大震災と福島第一原発事故から10周年。
しばらく前からNHK等でも関連の特集番組が数多く放送されていました。

10年前の2011年3月11日、発生時刻の14時46分18秒に私は何をしていたかといえば、都内の自宅の部屋で「昼寝」をしていました。
私は20年前から基本的に家で仕事をしている時は、午後2時間くらいを幼稚園児のように「お昼寝タイム」する習慣です。もっとかっこよくいえば「シエスタ」。

東京でも震度5弱の大きな揺れでしたので、もちろん飛び起き、すぐに頭を守るのとデスクトップパソコンが倒れないように支えたと記憶しています。幸いパソコン、テレビ、家具の転倒も無く、怪我もせず、本棚の本が落ちたくらいですみました。ライフラインも特に被害なしで。
自宅でしたので帰宅困難者の体験もしていません。

すぐにNHKや民放の緊急ニュース番組を見て、津波の映像に衝撃を受けたり、そしてなんといっても福島第一原発事故に関して、枝野官房長官の発表や東電の記者会見、テレビ番組での原子力専門家の話などを10日間くらい熱心に視聴していたと記憶しています。

福島第一原発事故に関するメディア報道、書籍、事故調査報告書など多数ありますが、私はこの事故に関してそれほど深い知識はありません。
ただ、「危機管理」の観点から言うと、この事故原因は極めてシンプルです。

最大の原因は「全電源喪失(ステーション・ブラック・アウト)」です。
つまりこれさえ防げていれば、その後の爆発事故は起こらずにすんだ可能性が高いということでしょう。
「全電源喪失」を起こさないこと。これが原子力発電所の危機管理において最も基本的で重要な対策であることは、原子力発電所の素人の私でも容易にわかることです。何故それが出来なかったのか?

主に企業や自治体向けに「危機管理」や「危機管理広報」のアドバイスや講師を行う現場の仕事を長年してきた専門家として感じるのは、「危機管理」や「危機管理広報」には盲点があるということです。

それは「基本的な、初歩的なことを軽視しがち」という点。
・「そんな初歩的なことはうちの会社は対策で来ているから大丈夫だよ」
といった意見が代表的なもの。

大地震などの自然災害やコロナのような感染症の危機、そして企業や自治体等組織~個人の「事件・事故・不祥事」まで危機の種類は多種多様ですが、数多くの危機事例を検証していくと、危機の原因は「非常に単純なミスから起こる」のが大半だと感じます。

危機管理に限りませんが「基本を忘れるべからず」で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?