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中堅社員に伝えたい! 私の業務の選び方

今日は「業務の選び方」について書いていきたいと思います。
皆さんは会社で、どのようにご自身の業務を選ばれていますか?

「それは上司が決めることだから、与えられた業務をやっています。」

と言う方もいらっしゃると思います。それは悪いことではないですし、与えられた業務を、100%、いや120%・150%こなせる能力があることは素晴らしいことだと思います。

ただ、私の場合、「与えられた業務をやる」では上司の期待するパフォーマンスに答えることが難しかったのです。

私は、キャリアを製薬会社の営業(MR)からスタートさせました。もう15年以上前の話です。営業ですので、当然ながら売上目標と言う「ノルマ」があります。これは言わば「上司から与えられた業務」になる訳ですが、私はとにかく、このノルマを達成することが本当に苦手でした。どうやってもかろうじてノルマまで届くか届かないかといったところ。ましてや120%の目標達成なんて到底届かない世界で生きていました。

そんな私でしたが、ノルマの達成度とは裏腹に職場では重宝され、これまで2度の転職に成功し(自己評価ですw)、自分らしいキャリアを築いてこれたという手応えがあります。そこには、私が業務を行う上で、私なりのユニークな選択があったからだと思います。それは_

「誰もやりたがらない業務」を率先してやる

どんな職場にも存在する「誰も手をつけない業務」

「誰も手をつけない業務」、「誰もやりたがらない業務」ってどんな職場にもありますよね?

・ 課題・難題を抱え、頓挫しているプロジェクト
・ アップデートされていないマニュアル・教育資料
・ 売り上げに貢献しない、突発的な単発業務

聞くからに周りのメンバーがサッーと引いていくような類の業務。これらが私のキャリアの源です。

では、なぜ人はこれらの業務をやりたがらないのでしょうか?

❶「誰もやりたがらない業務」は、評価に直結しないから。
❷「誰もやりたがらない業務」は、やらなくても日常業務に影響がないから。
❸「誰もやりたがらない業務」には、正攻法(決まった進め方)がないから。

プロジェクトマネジャーとして指名されている場合を除き、通常「誰もやりたがらない業務」は評価には直結ないことが多いと思います。

前述した「営業」という職種を例に挙げれば、エリア会議でのファシリテーション、報告資料のテンプレート作成、講演会等のイベントにおける会場設営や運営、トラブル対応などは直接的に営業成績に直結することは少ないですし、さらにその先にある定期的なパフォーマンスの評価にも直結しないことが多いのではないでしょうか?

また、これらの業務は、仮に誰かがやらなかったとしても、あるいは最低限のレベルでやったとしても、単独で見た場合は、日常業務に大きなインパクトを及ぼさないことが一般的です。

さらに、「誰もやりたがらない業務」は、イレギュラーなタイミングで生まれ、かつその種類も多種多様であるため、決められた進め方や"成功の方程式"が存在しません。ですので、「誰もやりたがらない業務」に取り組むことは、何か得体の知れないものに飛び込むことで、それは多くの人にとって単なる時間の浪費だとされ、敬遠されてしまうように思うのです。

このように、一見何の得もない「誰もやりたがらない業務」をなぜ私は続け、そしてそれに対して一種の手応えを感じているのでしょうか?

なぜ私は「誰もやりたがらない業務」をやるのか?

一言で言うなら、他の人と同じフィールドで勝負しても勝てないからです。

何度も登場する「営業」の例ですが、私の場合「売上目標」という土俵だけで勝負してもメンバーに勝ち目はありませんでした。なので成果を別のもので「あげ底」するのです

「そこそこ」の売上目標の達成

「誰もやりたがらない業務」によるチームへの価値提供

もちろん業績は前者で評価されます。後者は業績目標でも何でもないので、業績評価からは対象外です。ですが、後者は明らかに業務アサイン(配属等)に効いてきます。

実際、私は売上は「そこそこ」であるにも関わらず、不本意な評価や人事異動を受けたことはありませんでした。これはその後営業からキャリアを変えていった中でも一貫して経験していることです。真の意味での人の評価には、数字には見えないパワーが働いているように思うのです。(仮に、AIが私を人事評価したとすると、このような結果には恐らくならなかったと思います。)

さらに、「誰もやりたくない業務」は、他に誰もやっていない業務のため、営業成績のような「競争(competition)」が生じません。これはマイペースな私のような人間にとってはとても有難い話です。また、うまくいった場合、その後にメンバーに大きな価値をもたらした場合には、時として想定外の評価受けたり、達成感を得られたりすることがあります。

また、その評価についても、基本的に加点方式となります。
「誰もやりたくない業務」の多くは、いわゆる「完成形」の輪郭がはっきりしないものが多いため、成功のかたちが定義しづらい側面があります。したがって、営業ノルマのように、ここまで行けば100点満点という基準が描きづらく、結果として加点方式で評価されることとなります。

加点方式の場合、その評価は漠然とした絶対評価になりがちです。
「彼がいることで何となくチームに活気が出る」「チームのプレゼンスが上がる」「困った時には彼に相談すれば大体解決する。」といった具合に。この漠然さが、数値評価以上に大きな心理的な影響を生むように思います。

「誰もやりたがらない業務」の選び方

ではどのように「誰もやりたがらない業務」を選んでいけば良いのでしょう?何でもかんでも飛びついた方が良いのでしょうか?

私の判断(価値)基準は次の通りです。

❶ みんな困ってるみたいだから自分がやろう!
❷ 私の強みが生かせそうだから自分がやろう!
面白そうだから自分がやろう!

そう、何でもかんやる訳ではないのです。
私の場合、個人の特性から、「整理・整頓」「プレゼンテーション」「テクノロジー」などが比較的得意や興味のある分野だと認識しています。それとの掛け合わせを常に考えるのです。いや、「考える」と書きましたが、どちらかというと「感じる」といった表現の方が正しいかもしれません。

直感的に、❶〜❸を感じたら、とりあえず手を挙げてみる。やってみる。そんな感じです。

「誰もやりたがらない業務」に関する私の1エピソード

1年ほど前の話です。突然思ってもないような相談がチームメンバー(Aさん)からありました。

Aさん:
たかっしさん、来週の土曜って忙しいですか?

私:
え、土曜ですか?!子供の面倒見るくらいでしょうか。どうしたんですか?

Aさん:
USから来るスタッフ(社内の担当者)が急遽○○学会でプレゼンできなくなってしまいまして、、。代わりにプレゼンしてもらえないですか?

私:
えっ!!私がですか?!
・・・
家族と相談し、予定OKならいいですよ。

聞けば、他のメンバーにも当たったが、断られてしまったため、私に相談したとのこと。スライドセットは全て英語。また、私自身社内では時折プレゼンしているとは言え、パブリックな場でのプレゼンは初めて。社内とは影響レベルが全く異なる状況に、さすがに少し不安がよぎりました。

でも誰も代役を努めない訳にはいかない。
会社の代表としてこのプレゼンの想いを伝えたい。
それには自分が適任だ。

そう心に決め、家庭と調整し挑戦することにしました。

1週間という短い時間の中で、スライドを読み込み、ストーリーラインを理解し、プレゼン予定だったUS担当者と認識を合わせの時間をもらい、当日を迎えました。

結果は、その場に参加していた2次上長、Aさんからも高い評価を受けることができました。それだけでなく、年末に表彰される部門のMVPにも選出されAwardをいただきました。

また、この出来事をきっかけに、このUS担当者とは関係が深まり、ちょっとした業務の相談も劇的にしやすくなりました。
上長からもこのことが評価されたからか、その翌年にはチャレンジングなプロジェクトのプロジェクトマネジャーとしてアサインしてもらえることにも繋がったように思います。

きっかけは、何気ない困りごとの相談から。

こんな些細なことがきっかけで生まれる未来もあるのだなと感じた出来事でした。なので、これからも私は続けます。

「誰もやりたがらない業務」

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