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Kyoto Local & Global Exchange~京都府丹後広域振興局 関係人口創出プログラム~

2022年3月6日、2022年3月19日の2日間「海辺のちょうちん屋さんで、本物に触れて楽しむ2日間Kyoto Local & Global Exchange」を開催しました。

主催:小嶋庵
共催:京都府丹後広域振興局(関係人口創出プログラム採択事業)
企画・運営協力:一般社団法人Tangonian

Kyoto Local & Global Exchangeとは
京都府京丹後市網野町にある海辺の提灯屋さん(小嶋庵)と一般社団法人Tangonian事務所を会場に、丹後地域内(Local)ではあまり出会う機会の少ない伝統産業を中心に、地域外の多彩な専門家(Global)と地元の方との交流促進を目的に体験ワークショップを開催しました。

小嶋庵について

会場の小嶋庵は、京都府京丹後市の海辺の提灯工房です。海と山の自然豊かなこの地で、提灯の新しい在り方を模索。
「暮らす」ということに向き合い、生活の中に暖かな明かりを灯し、みんなの笑顔を作る。そんな提灯作りを目指されています。

★イベント内容
2022年3月6日 和ローソク絵付体験(会場:小嶋庵)
2022年3月19日 小顔メイク&小顔マッサージ体験(会場:一般社団法人Tangonian)

和ローソク絵付体験

【講師】

田川 広一(タガワ ヒロカズ) 有限会社中村ローソク 代表取締役
1963年 京都市生まれ
伝統産業とはかけ離れた環境で育ち、奥さんの実家が和蝋燭店(中村商店)をされていて初めて和蝋燭の事を知る。
1988年 先代中村ローソク店主(義理父)の病気が有り
25歳で有限会社中村ローソク入社。
2007年 代表取締役に就任
2018年 京都市未来の名匠認定。
和蝋燭の原材料のハゼの木の植樹生産「京都悠久の灯プロジェクト」
福島復興プロジェクト 福島応援商品 エゴマキャンドルHONOKA開発販売
京都市伝統産業・京都市福祉連携プロジェクト
「めぐりびプロジェクト」参加

***

関係人口創出プログラムの第1回目は、有限会社中村ローソクの田川さんを講師に、参加者の皆さんに和蠟燭の絵付け体験をしていただきました。

▶和蠟燭について

絵付け体験の前に田川さんより、和蝋燭とは何かについてお話をしていただきました。

和蝋燭の特徴の1つは、全て自然素材によって作られていて使い終わった後も自然に還るというところです。また、溶けた蝋は再利用することも出来るなどとてもサスティナブルです。

蝋の原料に関しては主に2種類あり、1つはハゼの実の皮を蒸して圧をかけて絞ったものから作られたハゼ蝋です。(昔はこのハゼ蝋を力士や侍、舞妓さんが髪に付けていたそうです。)しかし、近年ハゼが取れなくなってきているそうで、その代用品として米粉とパーム油により作られた蝋燭が現在主要になっています。(この蝋については食べることもできるそう。)
蝋燭の芯部分は、畳にも使われている藺草(いぐさ)と和紙により作られています。これにより、和蝋燭は洋蝋燭と比べて炎が大きくかつ安定しています。

また、中村ローソクでは和蝋燭が持つスキンケアの役割に注目してハンドクリームも作られています。

工房に見学をしに来られた化粧品メーカーの方が田川さんの蝋燭を作っている方の手だけ皺やシミが少なくすべすべなのに気付かれたことがこのハンドクリームが開発されたきっかけだったそうです。

左:田川さんの蝋燭を作られている方の手

このように様々な特徴を持つ和蝋燭ですが、近年安価で手に入る洋蝋燭の需要が高まっていることや、蝋燭自体の需要の低下により、職人の数が激減しているのが現状です。
全国で和蝋燭の職人の数は、田川さんが知る限りたった10人程度だそうです。

▶絵付け体験について

高価ですぐに傷んでしまう花の代わりに飾りとして蝋燭に花を描き「花蝋燭」として仏壇などに使用されることになったのが蝋燭に絵付けがされるようになったはじまりだそうです。
花蠟燭は火を付けない観賞用として使われます。

いよいよ絵付け体験開始です。皆さん限られた時間の中でそれぞれの個性が出た素敵な作品を作られていました。

▶和ローソク絵付け体験振り返り

最後に田川さんに、このイベントに対しての想いなどをお伺いしました。

今回のように、場所を問わず様々なところでワークショップを行われている理由として、「小規模な工芸で担い手が不足しているため、次世代に和蝋燭を繋げていきたい」という想いが強いそうです。また、そのためには様々なアイデアが必要で、もっと若い世代に入ってきてもらいたいとおっしゃられていました。
田川さん:職人の工房=入りづらいというイメージをワークショップで実際に職人さんとお話をするきっかけを作ることで解消し、少しでも和蝋燭に興味を持ってもらう必要があると考えます。その中から将来和蝋燭屋になる人が出てくると面白いですね。

田川さん:今後もこのようなワークショップを実施し、次回は実際に炎を灯してもらうところまで体験してもらいたい。その上で市販の洋蝋燭と比較してもらったり、和蝋燭の炎を眺めながら参加者と語らい、その地域のお茶やお菓子をいただくのも面白いと思います。

実は京丹後にも和蝋燭の原料となるハゼが群生しているとお聞きしました。京丹後でも新しい和蝋燭屋さんが出来ると素敵ですね。

【参加者アンケート】
・絵付け体験を通して和蝋燭と日本の伝統文化の深い関わりを知ることができた。原料が全て天然素材であることも魅力。
・田川さんの初めのお話に感動しました。和蝋燭の火が日本の文化と大きく関係しているお話はもっと聞いてみたかったです。

小顔メイク&小顔マッサージ体験

【講師】

小嶋 姿(コジマ スガタ)
1960年生まれ 61歳 
日本顔タイプ診断®︎顔タイプアドバイザー1級
12分割パーソナルカラー診断
メイクセラピーアドバイザー2級
20代でメイクの基礎を学び、化粧品店に勤務。さまざまなタイプのお客様の要望に合わせメイクをさせていただきました。
子育てでブランクがありましたが、小嶋商店の息子達のがんばりに影響され60歳で自分のやりたいことをやる!と一念発起。長年の経験を活かしお客様に寄り添いながら今更聞けないメイクのお悩みを解消していきます!

KYOEN(キョウエン)
愛知県でゴッドハンドと名高い「かずま整体院」で修行の最中…
女性のお客様へのヒアリングを元に“美容整体"に着目し、理学療法技術を応用させた小顔矯正技術を武器に、主に30代後半以降のエイジングからのお悩みに特化しての施術を行なっております。

▶小顔メイク

まずは参加者の皆さんからのメイクのお悩み相談から。
小嶋さんが丁寧に皆さんのお悩みをカウンセリングした後、それぞれの悩みや疑問に沿ったメイクをしていきます。

メイクの中でも、顔の印象を決めるのに大切なパートの1つである、眉毛を整えていただいた際には参加者の皆さんから顔の印象の違いに歓声が上がっていました!

▶小顔マッサージ体験

この日は合わせて美容整体をされているKYOENさんによる小顔矯正マッサージも体験していただきました。

普段の生活で顔の筋肉を意識される方は少ないですが、まずどれだけ凝り固まっているのか、マッサージによってどのような効果があるのかなど、KYOENさんから丁寧にご説明がありました。

それぞれの気になる部分に合わせてマッサージ開始です。
少ない力でも参加者の中には思わず「痛い!」と声を上げられている方もいました。それだけ凝り固まっているんだということを実感します。

マッサージが終わった後に参加者同士で「血行が良くなって顔がすっきりしたね」と言い合う様子が印象的でした。

【参加者アンケート】
・メイクは悩みに的確にかつ共感しながら応えていただきました。マッサージは驚くほど痛く、いかに自分の顔がこっていたのかを知ることが出来ました。
・楽しくて学び多き時間でした。普段意識はしていなかったけど、メイクのことなどずっと心の中では思っていた(諦めていた)ことを相談できて、応えてもらえて、とてもありがたかったです。
・一人一人のメイクのお悩み解決を見れて勉強になりました!自分のメイク道具だったので、帰ってからも実践できそうです!小顔マッサージの変化に驚きました。

***

今回のイベントを通して新たに地域外の職人さんや事業者の方々と地域の方々の新たな交流が生まれただけでなく、普段距離が遠かったり、忙しかったりしてなかなか体験できないコンテンツも、職人さん達に京丹後に訪問していただき体験を提供していただいたことにより、参加者の皆さんに喜んでいただけたのではないかと感じました。

今後もこのようなイベントを通して京丹後の関係人口がより増えていけばいいなと感じます。

Writer: 一般社団法人Tangonian 岸あやか






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