「kidofuji」

「東京の恋人」の下社敦郎監督が撮った、短編映画。しびれたよね…冒頭から最後まで。とても痺れるワンカット作品。絶対そうだと思うけど、面白い作品ってのは冒頭から最後まで面白いし、冒頭から最後まで面白いのが面白い作品なんだよなぁと思ってる。
あの、センスのある映像と人間臭さが同居している感じね…。画角といい、色味といい、シチュエーションといい…全てがグッときてしまったよ。
男2人と女1人の、立ち飲み屋での約10分間の三角関係を描いているお話なのだが…ビフォーもアフターも想像してしまう作りなのが楽しいし、話の奥行きやら登場人物たちの歴史やらを感じさせるね、舞台挨拶で、パート2も…そして10年かけてシリーズものに…なんて監督が言ってたけど、本当にそれをやって欲しいよ。(最終的に繋ぎ合わせた完全版も期待しちゃうなあ。)
映像とストーリーも抜群に光りまくってるんだけど、音が気持ち良すぎた。大学にいる、そういう音だの何だのを研究してる教授みたいな人に、何でこんなに人間の脳やら身体に心地良い刺激を感じる音をこの映画は発しているのか解析して欲しい。この作品を観ている間の私の脳みそをサーモグラフィー的なもんで見たら星とか飛んでんじゃないかな笑。というぐらい全ての音が気持ち良かった。BGMというわけじゃ無く、というか勿論作られた音楽もむっちゃかっこよかったんだけど、グラスをテーブルに置く音とかドアが開く音とか、箸をとる音(←すっごい見もの、というか聞きもの?)とか、瓶ビールをグラスに注ぐ音、乾杯する音、ぐびぐび飲む音…。止まらないASMR。
いや、音だけにフューチャーすべきじゃなくて…。キャラクター、ストーリー、構成、映像、音、シチュエーション、全てがケロッグコーンフロスティなグーンレイトなグラフが突き抜けまくってるぐらいの職人芸みたいなレベルで我々を魅了してくれて、虜にさせてくれたよ。鷲掴みにさせてくれたよ。
カッコよくて、なのになんかいとおしくて、最高体験でした。新宿K'sシネマでスケジュール残りは12.17に、また1月には下北のK2で観れますので是非に…。
2022年上映作の中の私的かっこいい映画は「THEFIRSTSLAMDUNK」と「kidofuji」の2本で決まりです。

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