つれづれつづり 「大切なもの」第2回。今回は「食」です。
糖質制限ダイエットが叫ばれて久しい世の中ですが、私は炭水化物が大好きです。ご飯もパンもパスタも大好きです。
どのくらい好きかというと、ダイエットのために昼食を鶏むね肉(もともと大好き)と野菜だけのお弁当にしていたら、一週間を迎える前にメンタルに不調を感じ始め、昔話みたいにでっかいおにぎりを食べたら回復したくらい。何事もバランス という当然の学びを得ました。とにもかくにも炭水化物が大好きです。
そんな私が買ってよかったなと思ったものが「ホームベーカリー」です。焼き立てのパンが食べたいなぁという軽い気持ちで買ったシロカのホームベーカリー。焼き立てのパンが食べられる機会ってなかなか限られていますよね。パンの食べ放題でもお店によっては温め直しだったり、そもそも全く焼きたてじゃなかったり。
私の母が昔パン教室に通っていたことがあり、よくおやつとしてパンが出てきたり、ピザを焼いたりなど割と焼き立てのパンは身近な存在でした。反面、生地をこねたり発酵が難しかったり「たらふく食べるには一日かかりきり」の重労働であることも理解していました。一番はこねるのが大変だったので、そのあたりがなんとかクリアできればなと思っていました。あと食パンは型がないと焼けないので当時もお目にかかることはありませんでした。
諸問題がたったの一万から二万弱で解決できるなら安いものなのでは と思い至り、購入しました。それが四年前。もうここに書いている時点で「埃かぶってまーす」ってことにはならないですよね。四年間、食パンを一度も購入していません。ここでどうかお間違えのないようお願いしたいのですが、決して節約にはなりません。何なら普通にバターも粉も高いので絶対スーパーで買ったほうがお安いですよ。以前は圧倒的に超熟派でした。
とにかく最高なのは手軽さと、焼き立てほかほかカリカリふわふわを楽しめるかどうかです。
まずは手軽さ。計量だけすれば後は勝手に混ぜてこねて発酵させて が完結するのでほぼ魔法の域。オーブンがなくても型がなくても食パンができちゃう。奇跡。ある意味錬金術。家電の発明で家事をする人々の労働時間が短縮されたというけれど、まさしくそれ。一日とは言わずとも半日がかりだったパン作りがボタンをピですよ。洗い物も計量に使うボウルと内釜だけ。
そして一番は焼き立ての素晴らしさ。まず焼き上がりが近くなると香ばしく食欲を刺激する良い香りが部屋中を満たします。これだけでご飯三杯いけますね。(※注 オタクの使う慣用句です。実際に白米を食べるわけではありません)
そして出来上がったらそのままにしておくと湯気でしわしわになってしまうのでなるべく早めに網に上げます。スライスするにはある程度落ち着いてからでないと潰れてしまうのですが、焼き立てホカホカの食パンを前にして黙っていられますか。いいえ黙っていられません。ちょっとつまむのが至福です。何事も品質管理は大事じゃないですか。塩と砂糖入れ間違えちゃってるかもしれないわけですし。だからちょっと先っぽだけ じゃなかったお尻の方をつまませてもらっています。言い直した方が問題度あがる事って起き得るんですね。
ともかく柴犬のようにこんがりとしたクラストの端っこをちぎると、中から湯気が立ち上り、真っ白できめの整った内層が顔を出します。普通の材料で作る普通のパン。こだわりもない。レシピの分量通り。それでも焼き立ては極上のおいしさです。もう一口、最後の一口と次々ちぎっていく事もありましたが、流石に四年も経てばある程度自制心が効くようになりました。三口くらいまで。
ある程度熱が冷めたらカットして、その時食べる分以外はラップしてジップロックに入れて冷凍庫で保存します。食べるときは軽くレンジアップして、少しだけトースターで焼き目をつければ焼き立てのおいしさリバイバルです。リベイクでリバイバルです。二斤なんてあっという間だ!
先ほども言った通りそこまで主張が強いわけじゃないのでオープンサンドにして食べるのが好きです。キューカンバーサンドは貴族のたしなみ。ミネストローネみたいな具だくさんスープがあればそのまま食べてもおいしい。
主食がパンであれば消費スピードとかランニングコストとか気になってしまいそうですけど、たまに食べる程度なので(週一食あるかないか)続けられているのかもという気がします。
エネルギーになるだけが食べることではありません。過程も見た目も香りも味も音も手触りも全てひっくるめて、楽しい食事になるよう大切に食べています。
合う合わないはあると思いますが、私のおすすめでした。
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