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好きだったこと

小さい頃、
ピアノを弾くことが好きだった。
テレビやゲームから流れるメロディをこんなかなと耳コピして自分なりに弾くことが楽しかった。
ピアノの教室は上達すること自体は嬉しいけれど、
普段聴く曲と違うのでいまいちピンときていなかった。
中学生になって、
ピアノの上手な同級生の演奏を目の当たりにして、
この道ではないのかも知れないなと思った。
2年生の頃、ピアノ教室を辞めた。
徐々に演奏すること自体なくなって行った。

絵を描くことが好きだった。
特別うまい訳でもないけれど、
絵を描く行為が好きだった。
漫画ばかり読んでいたため、
似通ったイラストになってしまったが、
授業中に教科ノートの隅に描くなどして楽しんでいた。
ある日、
何かのタイミングで友達に見られて、
描いた絵をからかわれた。
自分のしてきた行為が急に恥ずかしいことのような気がして、
人に見える形で絵を描くことはなくなった。
やがて描くこと自体なくなって行った。

曲を作ることが好きだった。
小室哲哉プロデュース時代を思春期に通り抜け、
同じようにありたいと思って、
自分なりの曲を作り、
それに自分でもよくわからないけれど何がしか言いたいことを詩にまとめてみた。
内容出来はともかくとして、
作るという行為が楽しかった。
ある日、
書いた詩を友達に見られ、
読み上げられてしまった。
人前に披露することはなくなった。
いつしか作ること自体なくなって行った。

未成年の頃は、
なんやかんや自分で興味を持った、
ちょっと頑張ればできそうなことをやってみようと挑戦していたように思う。
いずれも自分の中に閉じた趣味だが、
それでも生きていることに何がしかの彩りを与えていた。
今も続いている日記を書く習慣も中学生の頃から始まった。
僕の根幹は確実に若い頃に培われたものと思われる。
それは確かに僕にとって大切なものだった。
ひととのふれあいを通じて、
自分の殻に閉じこもってしまうところがただただ、
寂しいなと思うけれど。


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