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三国志後伝の挿絵と人物紹介1

それでは三国志後伝にかかる、挿絵一枚につき、該当する人物の人物紹介にいきます。これは20枚ある口絵の1枚目です。

【注意事項】
※年齢は280年の想定。(三国志後伝では263年から280年まで蜀漢の遺臣にあたる人物の年齢は進まないものと考えてください)
※年齢については、魏延や楊儀などの父の没年から見てあり得ない年齢となる場合もありますが、あくまで400年前の小説の設定ですので、おおらかに考えてください。
※血縁はあくまで三国志後伝における血縁です。ただし、三国志後伝に記載がないものについて、正史などから補ったものはあります。
※智はその人物の戦略や戦術、先を見る目を10点満点で大体で点数をつけたものです。
※武はその人物の武勇を10点満点で大体で点数をつけたものです。
※なお、智と武は小説の中の人物の評価です。史実での評価とは違います。
※中村昂然・馬場信武及び河東竹緒さんの翻訳を参考にして、「三国志後伝」原文から作成したため、中村昂然・馬場信武の「続通俗三国志」「続後通俗三国志」において翻訳されていない部分の記述が含まれている場合があります。
※人物の字や生年など、正史などで補った部分もあります。
※使用している武器は、「刀」とある場合、柄の長い「大刀」(薙刀のような武器)の可能性もあります。
※絵は水野年方(みずのとしまさ)という明治時代に活躍した浮世絵や日本画で有名な画家さんがお描きになったものです。『絵本通俗続三国誌』という本に挿絵としてのっていました。今から130年以上前の作品となりますので、著作権は切れています。
※所属勢力、晋の八王、十四路諸侯、劉淵即位時の役職リストについては、ニコニコ大百科の三国志後伝の記事を参照にしてください。

口絵1

劉淵(りゅうえん)字:元海(げんかい)

年齢:40歳ぐらい
血縁:劉備の孫、劉理(りゅうり)の子
所属勢力:蜀漢→北漢
智:7
武:7

元の名前は劉璩(りゅうきょ)と言いましたが、名前を変え、『劉淵』と名乗ります。蜀漢の皇帝一族の中でも「智慧袋」と呼ばれる知略や策謀に長けた人物です。弓術にもすぐれ、弓を束ねても折ってしまうほど強い力を持っていました。蜀漢滅亡の後に、北にいた羌族の地へ逃亡し、漢王朝の再興をはかります。その後、匈奴の地である左国城に蜀漢を継ぐ王朝である「北漢」を建国し、平陽にて皇帝に即位して、西晋と戦いました。略奪を厳しく禁じていました。北漢軍が洛陽を落とし、晋の懐帝を捕らえた後に、贅沢にふけり病死します。

諸葛宣于(しょかつせんう)字:修之(しゅうし)

年齢:30歳ぐらい
血縁:諸葛亮の孫、諸葛瞻(しょかつせん)の子
所属勢力:蜀漢→北漢
智:9
武:2

蜀で名前が知られ、知略に富み、祖父である諸葛亮の秘術を知り抜いていました。蜀漢の滅亡後に、「宣于修之(せんうしゅうし)」と名を代えて占い師に化け放浪しながら、蜀漢の再興をはかります。劉淵には軍師として仕え、右丞相に任じられました。晋漢の大会戦の際には、異民族を説得して、晋に味方するのを阻止し、北漢の勝利に導きます。その後も劉淵の軍師として、星占いによって適切な洛陽の攻撃時期を進言し、洛陽陥落に貢献します。劉淵の死後も劉聡に仕えて、忠誠を尽くしています。北漢の滅亡直前に病死しました。

陳元達(ちんげんたつ)字:長宏(ちょうこう)

年齢:30歳ぐらい
血縁: 先祖は、匈奴の後部の出身
所属勢力:北漢
智:9
武:2

河西地方にある棲鳳崗(せいほうこう)において隠居をしていました。張賓たちが荷物を奪われたと知り、盗賊の虁安(きあん)・曹嶷に手紙を送り、荷物を取り返したこともあります。この後、張賓と親交を結び、張賓に「天下を治める才能がある」と見なされ、兄事(あにじ)されて、「合浦(ごうほ)の沈珠(ちんじゅ)」と呼ばれます。劉淵の二度の招きに応じず、丁重な招きでやっと応じ、左相に任命されました。劉淵・劉聡二代に仕えて、よく補佐します。靳準を信任して忠臣を害する劉聡を諫めてましたが、聴かれなかったため、自殺しました。

劉聡(りゅうそう)字:玄明(げんめい)

年齢:20歳ぐらい
血縁:劉淵の長子、母は張氏
所属勢力:蜀漢→北漢→晋→北漢
智:6→4(皇帝に即位してから変わります)
武:7

劉淵の妾の子です。幼い時は、劉載(りゅうたい)と名乗っていました。生まれた時には、その部屋に光が満ちていました。生まれつき頭がよく、姜維から兵法を学び、大人物になると言われていました。蜀漢の滅亡後、劉禅のいる洛陽に行き、学問に通じ、剣術を学び、弓馬に優れるようになります。後に、劉淵の元に戻り、晋への侵攻を勧めます。太子・大将軍となり、晋王に封じられ、晋侵攻軍の指揮を行い、連勝を重ねました。北漢の二代目皇帝となりますが、次第に、暴君と化します。

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