【小説】雄猫ぶーちょの生活8 アクリル嫌い

ぶーちょは我が家にきてしばらくの間、あまりに小さかったので、先住猫の縞尾のキャリーバッグで生活していた。だが、すぐに外に出たがったので、大き目のケージを購入した。

縞尾のキャリーバッグの敷物は確かアクリル製だった。寒いだろうと、アクリル製のブランケットも敷いていた。ケージに引っ越しして、アクリル製の敷物を敷くと、異常に嫌がった。タオル地の布やコットンのカバーのついたクッションはいいが、いかにも暖かそうなアクリル製のクッションや猫用ベッドを使わない。

縞尾のキャリーバッグでの生活がそんなに苦痛だったのだろうか。あるいはもともと化学繊維が苦手なのだろうか。わからない。

ところが、ある日、縁側に置いたアクリル製の猫用ベッドで、日向ぼっこをしているぶーちょを発見した。びっくりした。

ぶーちょの判定基準がどこにあるのかわからないが、アクリル製がすべて嫌いなわけではないらしい。


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